【テレビ作品】


昭和45年3月1日(日)放映


緋剣流れ星お蘭

第22話 「悪党で、一杯よ!」


NETテレビ 
20時00分〜20時56分(56分)カラー作品
監 督長谷川安人脚 本長谷川安人


【出演】

花園ひとみ(お蘭)大信田礼子(お銀)佐々木功(清助)青山宏(吉弥)稲吉靖(辰五郎)
楠年明(権十郎)岸田森(吉次)五味竜太郎(蒲生の勘助)汐路章(丹波屋勘兵衛)三条美紀(お君)


【物語】


小さな宿場の一件の宿屋に、義賊と評判の稲妻小僧が逃げ込んだという。
小僧が見つかるまでは川止めのお触れも出て大騒ぎ。
そんなところへやって来たお蘭(花園ひろみ)とお銀(大信田礼子)は、
この騒ぎに巻き込まれてしまう。


【解説】


高貴な身分を隠した女殺し屋、流れ星お蘭(花園ひろみ)が、
かみなりお銀(大信田礼子)と組んで、御政道の裏にはびこる悪を退治する、女股旅物。
主役の二人の健康的なお色気アクションに人気が集中した。


【岸田森の役】

吉次








昭和45年4月5日(日)〜昭和45年11月22日(日)放映


柔道一直線

第41話〜第73話


TBSテレビ毎週日曜日放映
19時00分〜19時30分(30分)カラー作品
原 作梶原一騎永島慎二


【出演】

桜木健一(一条直也)名古屋章(鶴田先生)岸田森(香川先生)青木和子(一条トメ)吉沢京子(高原ミキ)
藤江喜幸(高原三平)佐々木剛(風祭右京)近藤正臣(結城)高松英郎(車周作)田中信夫(ナレーター)


【解説】


外国人柔道家に親を殺された過去を持つ一条直也(桜井健一)が、
柔道を通して成長してゆく姿を描く連続ドラマ。
TBS日曜夜7時の枠という、空想特撮シリーズで有名な放送枠だが、
この当時は
『怪奇大作戦』(昭和43年〜44年)『妖術武芸帳』(昭和44年)と立て続けに視聴率がふるわず、
これまでの路線を大幅に変更したスポコン物を製作した。
そのために、最初はヒットするとは思われず、たった13話の予定でスタートする。
しかし、好視聴率のために次々と延長され、全部で92話放映、
主人公の一条直也は、中学三年生から高校一年生までに成長、次々と強敵を倒してゆく。
幼馴染の高原ミキ(吉沢京子)とのフレッシュなカップルも話題となった。



【岸田森の役】

香川先生

一条直也の桜丘高校一年の担任。
生徒の自由を尊重する主義で、聞きたくない講義は無理をして聞かなくても良いと生徒に宣言する。
ただし、他人に迷惑はかける事は絶対に許さない厳しさを持つ。
基本的に直也を諭す役なのだが、その文学的なアドバイスは、直情型の直也にはまず伝わらない。
大体において、全てが終わってみて、やっと直也はアドバイスの意味がわかるというのがパターンである。
何の先生かが映像からは良くからないのだが、
使用している教科書や、作文の授業などをやっていたところをみると、
多分現代国語の先生だと思われる。
ただし、他のエピソードでは違う先生が現代国語の授業をしている回もあるので、確かではない。
41話から73話までセミレギュラーで、
41,42,44,45,48,52,53,55,56,58,63,65,66,67,73の15話に出演。





【各エピソード解説】

第1話〜第40話まで第41話「荒鷲よ、はばたけ!−高校とはなにか−」第42話「地獄をとびこえろ!−己れに勝つとはなにか−」
第43話「必殺技フェニックス−敵に勝つとはなにか−」第44話「右京、おれと勝負だ!−柔の道とはなにか−」第45話「火の鳥よ翼を燃やせ−師とはなにか−」
第46話「鬼の柔道−柔よく剛を制すとは−」第47話「一人荒野に立て−集中力とはなにか−」第48話「竜虎の死斗−戦いとはなにか−」
第49話「必殺馬上がえし!−心の友とはなにか−」第50話「大豪寺虎男参上−初心にかえるとは−」第51話「行け!友よ−男らしさとはなにか−」
第52話「さあ来い!大豪寺−カッコいいとはなにか−」第53話「恐怖の地獄車−勝負の道とはなにか−」第54話「桜丘黒帯ファイブ−チームワークとはなにか−」
第55話「車返し、柔道スワン−卑怯者とはなにか−」第56話 「決斗・鷹羽高シャーク−責任とはなにか−」第57話 「大技・陸奥(みちのく)のハリケーン−男と男の友情とはなにか−」
第58話 「激突!泣くなミキッペ−男と女の友情とはなにか−」第59話 「闘魂、柔道ダブルヘッダー−真の団結とはなにか−」第60話「決戦、赤月へUターン−親子とはなにか−」
第61話 「必殺技・飛龍へキックオフ−師弟愛とはなにか−」第62話 「決戦前夜・柔道ジャンボリー−青春とはなにか−」第63話「勝負・黒帯ファイト−ライバルとはなにか−」
第64話「爆発!柔道メート−助けあいとはなにか−」第65話 「地獄車、回転レシーブ−真の勝利とはなにか−」第66話 「大噴火投げにアタック−根性とはなにか−」
第67話 「真空投げハイジャンプ−敗者とはなにか−」第68話「鬼車と講道館−自信とはなにか−」第69話 「おれの柔道・君の柔道−男の別れとはなにか−」
第70話「鬼車一直線−男の道とはなにか−」第71話「柔道部除名?−孤独とはなにか−」第72話「車周作おれと勝負!−まことの師弟とはなにか−」
第73話「地獄への道−己れの道とはなにか−」第74話〜第92話(最終話)まで 






昭和45年5月17日(日)放映


白頭巾参上

第33話「危険な町」



TBSテレビ放映(ABC) 
18時30分〜19時00分(30分)カラー作品
監 督深田昭脚 本松原佳成


【出演】

大瀬康一(八代道伯)古川ロック(同心 水上新二郎)河上一夫(目明し文吉)汐路章(粕谷伝八)出水憲司(杉戸の政五郎)
阿木五郎(松土屋六兵衛)黛康太郎(佐倉一虎)山内八郎(吾作)丸尾好弘(下っ引A)平井靖(下っ引B)
木下悦子(お竜)岸田森(取手の常)   


【物語】


凶悪な取手の常(岸田森)が、同心の水上(古川ロック)によって捕縛される。
しかし、常の乱射した火縄銃によって同心の手下が負傷してしまう。
水上は、身動きが出来なくなった同心と常を、とりあえず松戸の宿へと運び込む。
しかし、宿場の人々は、巻き添えになる事を恐れ逃げ出してしまう。
水上同心が孤立無援になった事を知った道伯(大瀬康一)は、一人助けに向かう。


【解説】


実生活では医者だが、個人の力ではどうにもならない社会悪に泣く庶民のためには、謎の剣士・白頭巾となって悪と対決する、
八代道伯(大瀬康一)が主人公の30分テレビ時代劇。
昭和441969年10月5日〜昭和451970年5月31日まで、全35回放映された。
番組の対象年齢は高く設定されていないが、
山下毅雄の音楽なども相まって、独特な雰囲気のシリーズに仕上がっている。
悪党を捕まえたまま孤立無援というこのエピソードの構成は、
西部劇の名作『リオ・ブラボー』(1959)を下敷きにしたものであろう。


【岸田森の役】

取手の常

狂暴な悪人。
火縄銃を乱射して立てこもり、捕縛された後も仲間の助けをあてにふてぶてしく居直る。
だが、裏切られた事を知り、単身仲間たちに斬り込んでゆく。
最後には白頭巾に当て身をくらい、再び捕縛された。
狂ったような笑い方など、岸田森の演技は低年齢向けの作品という事を感じさせない作りこみを見せている。










昭和45年8月18日(火)放映


池波正太郎捕物シリーズ 鬼平犯科帳 

第46話「しかえし」



NETテレビ放映 
21時00分〜21時56分(56分)カラー作品
監 督小松幹雄原 作池波正太郎脚 本小川英


【出演】

松本幸四郎(長谷川平蔵)竜崎勝(酒井祐助)岸田森(松吉)伊藤久哉(永山吉十郎)岩本多代(おふく)
北見治一(仙太)市川五百蔵(竹内孫四郎)池田駿介(山田市太郎)北川陽一郎(山崎国之進)山田圭子(くめ)
三浦弘久(音次)由起艶子(菊)和沢昌治(美濃屋)佐々木一哲(権次)辻しげる(弥助)
栗崎ちか子(おその)築地博(飴屋)   


【物語】


小間物商の松吉(岸田森)は、昔は盗賊だった。
密偵になるという条件で、今は女房おふく(岩本多代)とその妹くめ(山田圭子)と共に、カタギに暮らしている。
ある日、くめの武家奉公が決まる。
松吉は、もし自分の過去がばれたら武家奉公がふいになると考え、一抹の不安を持った。
そんな時、昔の仲間・仙太(北見治一)に手助けを頼まれた。
苦悩した松吉だったが、家族との事を考え、意を決して火盗改めに知らせ、事なきを得た。
その頃、くめは雇い主の大名、永山吉十郎(伊藤久哉)に犯され、しかも無礼討ちにされてしまう。
あまりの理不尽さに、復讐心に燃えた松吉は、大名を殺害してしまった…


【解説】


火付盗賊改、長谷川平蔵の活躍を描く池波正太郎原作の大ヒット作品のテレビシリーズ化。
このシリーズは、「鬼平犯科帳」が初めてテレビ化されたもので、
長谷川平蔵を先代松本幸四郎が演じ、最初はモノクロだったが、途中からカラー作品となり、
昭和441969年10月7日〜昭和451970年12月29日まで、全65本放映された。

レギュラーは、
松本幸四郎(長谷川平蔵)、淡島千景(久栄)、平田昭彦(佐嶋忠介)、
竜崎勝(酒井祐助)、古今亭志ん朝(木村忠吾)、長谷川明男(沢田小平次)、
加東大介(岸井左馬之助)、河村憲一郎(相模の彦十)、牟田悌三(小房の粂八)、
堺左千夫(伊三次)、富士真奈美(おまさ)。


【岸田森の役】

松吉


小間物商をいとなむ実直な男で通っているが、昔は盗賊の一味。
「むささびの松」といわれるほど身が軽かったが、今ではカタギになり密偵を勤めている。
昔の仲間の事を火付盗賊改に知らせるかどうかを悩む、義理人情に厚い性格。
しかし、可愛がっていた、女房の妹が、奉公先で理不尽に殺された時には
復讐心から相手の大名を殺害するという大事件を起こし、平蔵の所へ自首する。
だが、長谷川平蔵(松本幸四郎)は、わざとその話しを信じず、命は助けられ一年間島送りとなる。
その後、元の生活に戻っても、松吉の顔に刻み込まれた暗い陰は、一生消えなかったという。
深く、苦悩を秘めた役は、岸田森の独壇場ともいうべき演技だった。



関連作品

鬼平犯科帳

池波正太郎捕物シリーズ 鬼平犯科帳(第2次制作分) 第4,5話「狐火(前後篇)」(昭和46年1971
鬼平犯科帳(第6次制作分)第9話「梅雨の湯豆腐」(昭和57年1982








昭和45年8月29日(土)放映


遠い愛の日々

NHK総合放映 
22時00分〜23時40分(100分)カラー作品
演 出都成潔脚本成田孝雄


【出演】

吉村実子(水沢知子)有川博(真岡修)日下武史岸田森蔵一彦
小林達雄笠井一彦平田守南裕輔児玉謙次
久保幸一笹岡勝治千歩憲男上野堯阿知波信介
川上大輔須永宏篠田節夫斉藤隆中村紀子子
新道乃里子中村恵子三田松五郎柚木れい子山野進
現代演劇協会ユニオン・プロ劇団いろは星プロ峰岸隆之介(佐川)


【物語】


かつてはオリンピック候補だった知子(吉村実子)と修(有川博)は恋人同士だったが、
六年前に交通事故を起こしてしまい二人とも負傷、出場を断念したという過去があった。
ある日、修の友人で映画監督の佐川(峰岸隆之介)が、知子に映画出演を勧めた。
映画の内容は、知子の今の精神状態に良く似たストーリーだった。
知子は、佐川に惹かれ、
事故以来の無気力と挫折から自分を救ってくれるのは、彼だけだと思い込むようになる。
そんな矢先、佐川の乗ったセスナ機が行方不明になった…。


【解説】


この時期、NHKで最終土曜日の夜に放映していた単発長時間ドラマの中の一本。
無気力状態の恋人達が、一人の青年と出会った事で昔の情熱を取り戻して行く姿を描く。
珍しくオールフィルムで製作されており、
吹雪の中でのセスナ墜落シーンを、山梨県の夜叉峠で大掛かりにロケ撮影した事などが話題となった。
製作当時の雰囲気を反映して、虚無的な雰囲気が漂っているドラマだ。
製作の遠藤利男は、後に岸田森の告別式で弔辞を読み上げている。



【岸田森の役】

映画監督の佐川(峰岸隆之介)のマンションで行われた、試写会を兼ねたパーティーの客として出演。
芸術家仲間といったような雰囲気の出演で、和服姿での登場。
セリフはありま多くないが、佐川の新作構想を「メタファーが単純すぎる」と批評するなど、いかにも文化人風の雰囲気での出演だった。
他のパーティの出席者の話からすると、詩人らしい。 1シーンのみの出演。








昭和45年10月7日(水)〜昭和46年3月31日(水)放映


宮本武蔵

全26回



NETテレビ毎週水曜日放映
21時00分〜21時56分(56分)カラー作品
原 作吉川英治脚 本八住利雄



【出演】

高橋幸治(宮本武蔵)岸田森(又八)梓英子(お通)渡辺美佐子(お甲)加賀まり子(朱実)
三益愛子(お杉)松村達雄(沢庵和尚)山崎努(佐々木小次郎)  


【解説】


剣と人間の修業に賭けた剣豪、宮本武蔵を描くテレビシリーズ。
武士を夢見て、関ケ原の合戦に飛び入りしてから、巌流島で佐々木小次郎と対決するまでを全26回で描いた。
吉川英治の有名な原作を、初めてテレビ化。
脚本は八住利雄が担当。
番組開始直後から、主演の高橋幸治と、小次郎役の山崎努との対決が話題になった。
二人とも文学座出身。
ただし主演の高橋幸治は、舞台稽古を無断で欠席したことが理由で、昭和401965年12月に文学座から除名されている。



【岸田森の役】

又八

武蔵の親友。
二人で関ヶ原の合戦に参加する。
レギュラー出演だが、登場話数は全体の1/3くらい。





【各エピソード解説】

第1回第2回第3回第4回 第5回
第6回第7回第8回第9回第10回
第11回第12回第13回第14回第15回
第16回第17回第18回第19回第20回
第21回第22回第23回第24回第25回
第26回    





昭和45年11月30日(月)放映


千葉周作 剣道まっしぐら

第5話「出たッ一本足剣法」



TBSテレビ放映 
19時30分〜20時00分(30分)カラー作品
監 督松野宏軌深田昭原 作山岡荘八脚 本山根優一郎


【出演】

岩下亮(千葉周作)岩井友見(綾)江夏夕子(奈々江)片岡五郎(新之助)蔵忠芳(蔵太郎)
野崎善彦(松吉)徳田伊佐夫(やくざ)扇田喜久一(やくざ)平井靖(やくざ)岸田森(堀場陣内)
浦野光(ナレーター)千秋実(浦山寿貞)大瀬康一(浅利又七郎)  


【物語】


修行中の周作(岩下亮)は、又七郎に、足に頼らない剣法を習得するよう厳命される。
そんな時、幼馴染の奈々江(江夏夕子)が、周作に助けを求めてきた。
奈々江が世話になっている茶店が、地元のヤクザ竜神一家荒らされているというのだ。
駆け付けた周作は、竜神一家の用心棒、陣内(岸田森)にまったく歯が立たなかった。
翌日、陣内からの脅迫状が道場に届く。
出向いた周作を待ち受けていたのは、周作に恨みを持っている荒尾道場の新之助(片岡五郎)だった。


【解説】


山岡荘八作「千葉周作」をテレビドラマ化。
北辰夢想流の家系に生まれ、後に日本でも有数の剣豪となる千葉周作の青春時代を、全44話で描く。
松竹製作。
午後七時半という放送時間に合わせて、
テレビオリジナルの要素も加え、明朗な時代劇として制作されている。
このエピソードに登場する「一本足剣法」は、
当時読売ジャイアンツの4番バッター、王貞治の有名な打法。
この打法を完成させた荒川コーチをわざわざ呼び寄せて、剣術の指導を担当してもらったそうだ。
主役の岩下亮は、女優、岩下志麻の実弟。テレビ初出演で主役に抜擢された。


【岸田森の役】

堀場陣内

地元のヤクザ、竜神一家の用心棒。
腕が相当立ち、得意の槍で周作(岩下亮)を追い詰める。
この時、周作がとっさにとった構えが、一本足剣法を生み出すきっかけとなった。
数ある岸田森の演じた役の中でも、一、二を争うほど剣の腕がたちそうに見える役柄である。







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