【出演】
篠田三郎(片岡恭一) | 仁科明子(新庄有紀) | 志垣太郎(辰也) | 紀比呂子(野島佐智) | 高橋幸治(新庄吾郎) |
馬淵晴子(片岡田鶴子) | 市原悦子(大野木和枝) | 黒沢年男(田所修平) | 奈美悦子(水村亜矢) | 古谷一行(平野) |
石田信之 | 中島久之(野島明) | 岸田森 | 富永美沙子(知子) | 西山恵子 |
松下達夫(高林) | 城達也(ナレーター) | | | |
【解説】
「木下恵介 人間の歌シリーズ」第9弾として製作された連続ドラマ。
あわただしい時代にあって、愛はいかにあるべきであろうかというテーマを、
父と子、兄弟、恋人、夫婦という様々な組み合わせで描いてゆく。
スタジオドラマの現代劇にレギュラー出演するのが始めての篠田三郎と仁科明子のほか、
志垣太郎と紀比呂子、高橋幸治、馬淵晴子、市原悦子らがレギュラー出演。
始めは3カ月放映の予定だったが、好評のため延長、
昭和471972年12月4日〜昭和481973年5月3日の五ヶ月間という、変則的な期間で放映された。
演出はプロデューサーも担当する飯島敏宏。
他に井上靖史、山田高道、阿部祐三、堀川敦厚も担当。
岸田森の役は不明。
第21回に出演が確認出来るが、他のエピソードへの出演は未確認。
【各エピソード解説】
昭和47年12月10日(日)
東芝日曜劇場
第835回「−茶の花匂う−より あによめ」
TBSテレビ放映 | |
21時30分〜22時25分(55分) | カラー作品 |
【出演】
池内淳子(香津) | 大和田伸也(修馬) | 大前均(賀(ママ)籠屋) | 田森敏一(賀(ママ)籠屋) | 金長晴子(小女) |
肥土尚弘(兼松) | 水野哲(江原角太郎) | 岸田森(柴野) | 夏川静枝(江原はる) | 加藤嘉(江原幸右衛門) |
【物語】
修馬(大和田伸也)は、兄嫁の香津(池内淳子)と共に、
六年前に殺された兄の敵を討とうと、雪深い仙台まで来ていた。
二人は、無事仇討ちを遂げなければ国許島原藩へ帰れず、
また、敵にめぐり会っても返り討ちにあうかもしれない運命だ。
だが、無理がたたり、香津は倒れてしまう。
立ち寄った庄屋は、回復するまで逗留してくれと親身になってくれた。
季節は変わり、学問を教える修馬は、村の子供たちから親しまれるようになっていた。
村人たちは、考え直してここで暮らしてくれとまで言ってくれる。
悩んだ香津は、ある夜、修馬への気持ちが抑えきれなくなり、
ついに何もかも捨てて二人で残る決心をした。
そんな時、敵の柴野(岸田森)を見かけたという話がもたらされた。
悩んだ二人は、自分たちの生活を守るために、雪の中、柴野と対峙した…。
【解説】
伊藤桂一原作「茶の花匂う」のドラマ化。
東芝日曜劇場に、久々に出演した作品。
冬から始まり、春、秋、そして再び冬と、静かに流れてゆく時間が見事に描き出されている。
結局、七年目に敵とめぐり合った時には、
すでに敵討ちを命じた島原藩が、取り潰されていたという、ラストの無常さが印象的だ。
主演の大和田伸也は、同じころに放映されていた
連続テレビドラマ『藍より青く』(昭和471972年NHK)での好演が認められての出演。
【岸田森の役】
柴野
香津(池内淳子)の夫であり、修馬(大和田伸也)の兄を斬って逃亡、二人に敵として追われる。
だが、柴野は、自分の妹が香津の夫に手篭めにされて自殺してしまったために、激高して斬ってしまったのである。
この事を敵として追う二人は知らない。
二人と出会った時には、すでに労咳病みの状態で、自分は長くないと知っていた。
自らの生活を守るために必死になっている二人に、刀を抜いても抜かなくても良いと語りかける。
敵討ちが無くなり、一人雪の中、二人に背を向けて立ち去ってゆく。
密かに香津の事を想っていたらしい事を匂わせて物語は終わる。
登場はラストワンシーンだが、かなり存在感があり見事に場をさらっていた。
関連作品
東芝日曜劇場
東芝日曜劇場「星形」(昭和38年1963)
東芝日曜劇場 「橋の下」 (昭和39年1964)
東芝日曜劇場 女優シリーズ14 「サファイヤ・ミンク」 (昭和39年1964)
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