【テレビ作品】


昭和47年1月14日(金)放映


24時間の男

第2話「ボクサーと五円玉」


TBSテレビ 
21時30分〜22時26分(56分)カラー作品
監 督宮下泰彦脚 本今村文人


【出演】

長門勇(吉田哲夫刑事)緒形拳(北見次郎)大原麗子(秋川京子)近藤正臣(神山吾郎)岡田由紀子(吉田亜紀子)
千々岩靖弘(吉田太郎)山村聰(沢木)山波宏(村山)田島義文(城西署捜査課長)宍戸錠(井熊幸平)
渚まゆみ(和美)渡辺文雄(海音寺)藤岡重慶(岡部)岸田森(滝村)高城淳一(鈴木)


【物語】


以前、ジャッキー井熊という名前でボクシングチャンピオンだった井熊幸平(宍戸錠)が、
生まれ故郷の横浜に帰ってきた。
井熊は、ヤクザの世界と縁を切るために、行方不明になっていたのだ。
だが、帰って来た井熊には、チャンピオンだった頃の面影はなく、
食堂で無銭飲食するほどに落ちぶれていた。
とは言っても、その真面目で一本気な人柄から、
吉田(長門勇)や、北見(緒方拳)とも親友の付き合いをしていた。
幸平は、愛人でトルコ風呂に勤める和美(渚まゆみ)に勇気づけられ、新しい職を探す。
だが、かつてヤクザの世界に身を置いたことのある幸平にとって、これといった職はなく、
見かねた北見は運送屋の仕事を世話する。
それもつかの間、ヤクザの岡部(藤岡重慶)が幸平を仲間に入れ、
借金の取り立てをさせようとたくらんでいた。


【解説】


長期間放映された人気番組『ザ・ガードマン』の後番組として放映されたドラマ。
『ザ・ガードマン』と同じく大映テレビが製作。
緒形拳の事件記者、長門勇の老練刑事を中心に、
山村聰が社会部長、大原麗子が婦人記者、近藤正臣が若手刑事、岡田由紀子が婦人警官に扮してレギュラー出演。
記者と刑事が陰日向になりながら事件を解決してゆく。
アクション中心だった『ザ・ガードマン』とは違い、庶民肌のヒーローを目指して制作された。


【岸田森の役】

滝村

偽装解散をした滝村組の組長。
法外な利息で金を巻き上げる悪徳金融の社長。
貸付先に元妻と子供がいる事を利用して、
強引に幸平(宍戸錠)に借金を取り立てさせようとする、悪どい手を使う。
だが、幸平の反抗にあって失敗、組上部からも見捨てられて警察に捕まってしまう。


関連作品


ザ・ガードマン

ザ・ガードマン 第146話「俺の鎖をといてくれ」(昭和43年1968
ザ・カードマン  第327話「セックス解放の海!真夏の殺人」 (昭和46年1971

秘密指令883(ハヤミ) 第17話「栄光の甘い香り」(昭和43年1968









昭和47年1月29日(土)放映


冠婚葬祭屋

第4話「やくざはキビシイ!!…です」



NETテレビ 
20時00分〜20時56分(56分)カラー作品
監 督畠山豊彦脚 本林強生


【出演】

進藤英太郎(神村万太郎)長沢純(神村太郎)大信田礼子(亜紀)中原早苗(笠森マン)工藤明子(花子)
岸田森(花山秀三郎)賀原康子(康子)小野千春(節子)武藤英治(源治) 


【物語】


ある日、神村万太郎(進藤英太郎)のところへ、五代目清水次郎長の子分が訪ねてきた。
次郎長と万太郎は戦友。
次郎長の遺言で、万太郎は清水一家の顧問になってくれと頼まれる。
戦友の頼みとはいえ乗り気ではなかったが、
次郎長の娘、花子(工藤明子)の依頼で出かけた焼香の席で、
清水一家と対立している武居組が暴れているのを見て、つい承知してしまう。
さらに、武居組と清水一家の仲裁までも引き受けてしまった。
武居組は、万太郎が手打ち式で失敗するのを待っている。
それをきっかけに清水一家を乗っ取る考えだったのだ。


【解説】


冠婚葬祭なら何でもお任せとばかりに、
奇抜なアイデアで式をプロデュースする神村太郎(長沢純)と、
民族学の権威で、最近の儀式の心を忘れた冠婚葬祭に腹を立てている大学講師の父、
神村万太郎(進藤英太郎)の織りなすコメディードラマ。
演出の畠山豊彦とは、同じNET放映の
『宮本武蔵』で組んでいる。


【岸田森の役】

花山秀三郎








昭和47年2月6日(日)〜5月21日(日)放映


シルバー仮面ジャイアント

第11話〜第26話(最終回)


TBSテレビ毎週日曜日放映
19時00分〜19時30分(30分)カラー作品



【出演】

柴俊夫(春日光二、シルバー仮面)亀石征一郎(春日光一)夏純子(春日ひとみ)篠田三郎(春日光三)北村佳子(津山リカ)
森山周一郎(ナレーター)玉川伊佐男(大原道男)岸田森(津山博士)  


【解説】


TBSテレビ日曜夜7時という、
ウルトラシリーズなどで有名なタケダ・アワーで放映された宣弘社製作の特撮ヒーローシリーズ。
主役は、春日兄弟5人という異色の構成で、
自分たちの体に隠された設計図を呼び出す方法を探すために旅を続ける。
そして、宇宙人の襲撃から身を守るために、次男の光二(柴俊夫)は父親に改造されシルバー仮面に変身する。
円谷プロダクションでウルトラシリーズを製作していたスタッフが中心となって作り上げられたが、
皮肉にも裏番組に本家円谷プロが製作した『ミラーマン』が放映されたために視聴率が思うように伸びずに、
第11話から大幅なテコ入れが計られる。
タイトルも『シルバー仮面』から『シルバー仮面ジャイアント』に変更、
今まで等身大のヒーローだったシルバー仮面も、巨大ヒーローになってしまう。
岸田森の演じる津山博士は、兄弟達が所属することになる津山宇宙科学研究所の所長として登場、
第11話より最終回まで兄弟を見守る。



【岸田森の役】

津山博士

宇宙科学の権威で、津山宇宙科学研究所の所長。
第11話より登場する。
番組の急なテコ入れに伴う出演だったので、あまり役作りが出来なかったらしく、
突っ込んだ芝居はしていない。
いままで兄弟のまとめ役だった長男の光一(亀石征一郎)を押さえて存在感を発揮した。
娘リカ(北村佳子)がいる。


関連作品


実相寺昭雄

近鉄金曜劇場 芸術祭参加作品 「正塚の婆さん」  (昭和38年1963
怪奇大作戦 全26話  (昭和43年1968
第28話「ウルトラ特攻大作戦」 (昭和46年1971
曼陀羅  (昭和46年1971
  (昭和47年1972
あさき夢みし  (昭和49年1974
歌麿 夢と知りせば   (昭和52年1977
CM演出「S&Bスナックチップ」 (昭和52年1977
CM企画「S&B」スナックトースト野球篇」 (昭和53年1978
CM企画S&Bスナックトースト 外野フライ篇 (昭和54年1979





【各エピソード解説】

第1話〜第10話まで第11話「ジャンボ星人対ジャイアント仮面」第12話「恐怖のサソリンガ」
第13話 「サソリンガ東京猛襲」第14話 「白銀の恐怖」第15話「怪奇宇宙菩薩」
第16話「爆発!!シルバーライナー」第17話「シルバーめくら手裏剣」第18話「一撃!シルバー・ハンマー」
第19話 「逆転シルバー旋風斬り」第20話 「必殺!!シルバーミサイル」第21話「シルバーアローがえし」
第22話「弾丸!!ミサイルキック」第23話「東京を砂漠にしろ!!」第24話「標的はあなた!!」
第25話「輝け!!シルバーレインボー」第26話「アンドロメダ2001」  





昭和47年3月27日(月)〜5月27日(土)放映


原生花園 アンラコロの歌

第1週〜第9週


TBSテレビ毎週月曜日〜土曜日放映
12時40分〜1時00分(20分)カラー作品
<
演 出瀧至政美伊藤勇前川英樹竹下寛次
原 作渡辺喜恵子脚 本小山内美江子




【出演】

泉晶子(秋子)土井かつえ(美根子)岩下浩(順三郎)鈴木瑞穂(力蔵)江守徹(クレオ)
浜かおる(チトセ)岸田森(市太郎)ジェリー藤尾(牧田巌)  


【解説】


ポーラテレビ小説第8作。
直木賞作家、渡辺喜恵子の「原生花園」を原作に
『3年B組金八先生』(昭和541974 年〜平成20年2008 )などのベテラン脚本家の小山内美江子が脚色。
北海道を舞台に、アイヌと和人、士族と平民と言った二重構造をから生じる悲劇を、
明治・大正・昭和にいたる三代を生きたヒロイン秋子(泉晶子)を主人公として描いた作品。
全27週間、162回放映。
「アンラコロ」とは北海道の原生花園に咲く黒ゆりの花のアイヌ語。
風雪に耐えて北海道の原野に咲く黒ゆりは、
主人公の生き方を象徴しているということでタイトルになった。


【岸田森の役】

市太郎

秋子の夫、順三郎(岩下浩)の兄。
ヒロインとの縁談があったが、弟に譲ることになる。
その後、女性に店の金を貢いでしまい、それがばれて気が狂ってしまう。
第9週までレギュラー出演、最後には、閉じ込められた土蔵の中で狂い死にした。




関連作品

ポーラ

パンとあこがれ 第5週(第25回〜第30回)  (昭和44年1969
美作ノ国 吉井川 全156回  (昭和47年1972
ポーラ名作劇場「氾濫」 全8回  (昭和49年1974
ポーラ名作劇場「黄昏にさようなら」 全8回 (昭和50年1975
絹の家  全135回 (昭和51年1976




【各エピソード解説】

第1週第2週第3週
第4週第5週第6週
第7週第8週第9週
第10週
以降
  







昭和47年5月5日(金)放映


私がつくった番組

第1回「小百合の日本遊女考」


東京12チャンネル 
22時30分〜23時00分(30分)カラー作品
脚 色斎藤憐


【出演】

吉永小百合(小万)岸田森(源五兵衛)尾上多賀之丞


【解説】


各界の有名人から、毎回一人を選び、その人に企画演出、主演をしてもらうというコンセプトの番組。
ドラマというよりも、セミドキュメンタリータッチの実験的な番組が多かった。
全31回放映。
第1回は、清純派女優吉永小百合が、長い芸暦の中で始めて遊女を演じた事に話題が集中した。
番組は、吉永小百合の清純派脱皮宣言に始まり、
鶴屋南北原作の「盟(かみかけて)三五大切」を題材にしたドラマ、初の遊女役の感想、
人間国宝の名女形、尾上多賀之丞が語る女形の所作や心などの話が、記録風に綴られてゆく。


【岸田森の役】

源五兵衛









昭和47年6月13日(火)


荒野の素浪人

第24話「襲撃地の果て白骨ヶ原」


NETテレビ放映  
21時00分〜21時56分(56分)カラー作品
<
監 督村山三男脚 本須崎勝彌


【出演】

三船敏郎(峠九十郎)大出俊(鮎香之介)坂上二郎
(すっぽんの次郎吉)
岸田森(岩上玄蔵)佐々木愛(おくに)
橋本功(伍市)村田吉次郎(佐々木源三郎)三谷昇(茂助)嵐芳三郎(重兵衛)刈谷潤(黒木)
山崎竜之介(矢部)中村公三郎(仁兵衛)戸田千代子河井憲持丸繁
吉田友紀瀬川新蔵森本三郎福留幸夫大島光幸
甲斐武大宮幸悦小坂生男清水克和美山口博義
寺田農(語り)    


【物語】

上州岡崎の寒村で百姓一揆の企てがあり、首謀者六名が捕らえられた。
代官の玄蔵(岸田森)は、江戸からの検使役と計り、囚人三人を米と引き換えに釈放、
残る三名を江戸送りの獄門と決めた。
釈放組の仁兵衛(中村公三郎)は、
獄門組にいる息子伍市(橋本功)の身代わりになろうとするが、冷たく退けられてしまう。
ところがその夜、香之介(大出俊)が牢を破り、伍市ら三人は脱走した。
子持山の峠まで逃げた伍市ら三人の百姓は、
九十郎(三船敏郎)、次郎吉(坂上二郎)と出会う。
事情を知った九十郎は力を貸そうとしたが、代官の拷問に伍市らはすっかり怖気付いていた。
一方、代官は脱走犯が捕まらぬことに業を煮やし、脱走犯の家族を捕らえ始める。


【解説】

三船敏郎主演のアクション時代劇。
いずこからともなく現れた素浪人、峠九十郎(三船敏郎)、
道中師の次郎吉(坂上二郎)と、
没落大名の嫡子香之介(大出俊)の三人がさまざまな事件に巻き込まれる。
三船敏郎の大ヒットキャラクター、映画『用心棒』(昭和361961年)の主人公、三十郎のキャラクターを生かし、
自身の主催する三船プロダクションで制作した。
愛剣の胴太貫(どうたぬき)で、石の地蔵ごとまっぷたつに敵を斬る迫力の殺陣や、
殺法八方達磨返し(別名6秒9人斬り)などが話題となり、
評判も良く65本も放映され、昭和491974年には、
第2部が放映された。


【岸田森の役】

岩上玄蔵

岡崎代官所の代官。
未然に防いだ百姓一揆を利用して私腹を肥やし、加えて立身出世の足掛かりにしようとする。
しかし、香之介(大出俊)が捕らえられていた百姓達を逃がしてしまったために右往左往。
最後は九十郎(三船敏郎)に斬られる。
九十郎に敵わないと見ると、近くにいた無抵抗の百姓に斬りかかるなど実に姑息。
岸田森には珍しい、見事なステレオタイプの悪役である。



関連作品

三船プロダクション

荒野の用心棒 第28話「虐殺の丘に女の復讐が燃えて…」(昭和48年1973
荒野の素浪人(第2部)  全39話 (昭和49年1974
剣と風と子守唄 第14話「地獄に恋した野郎ども」 (昭和50年1975
剣と風と子守唄(最終回) 第27話「栄光への父娘旅」 (昭和50年1975
人魚亭異聞 無法街の素浪人 第3話「一発勝負殺しの切札」 (昭和51年1976
江戸の鷹 御用部屋犯科帖 第22話「暗黒街の子連れ狼」 (昭和53年1978
犬笛(昭和53年1978
江戸の牙 第1話「炎上!赤馬を斬れ」 (昭和54年1979










昭和47年7月22日(土)


浮世絵女ねずみ小僧(第2部)

第8話「続 霧の夜の襲撃」


フジテレビ放映  
22時30分〜23時26分(56分)カラー作品
監 督石川義寛脚 本大津晧一


【出演】

小川真由美(お京)田中邦衛(留吉)浜田寅彦(小栗相模守)高津住男(新八)南祐介(大地泉十郎)
沢田正昭(荒畑庄太郎)花上晃(花田辰之介)山田貴光高橋英夫伊奈貫太
車邦秀石川博(与一)北原文枝(与一の母)岸田森(後藤三右ヱ門光享) 


【物語】

ねずみ小僧の名を騙る一味が出現。
お京(小川真由美)と留吉(田中邦衛)は信用問題だと怒り、調査に乗り出す。
二人は、事件の裏に勘定奉行・小栗相模守(浜田寅彦)がからんでいると睨む。
小栗は、先の悪質小判鋳造事件の首謀者で、
その罪を金座役人後藤三右衛門(岸田森)になすり付けた悪党だ。
小栗に挑戦するお京らは、彼が管理する幕府御用金蔵から千両箱を盗んだ。
だが、中身は全部にせ金。
小栗は懲りもせず、にせ金造りを計画していたのだ。
ねずみ狩に目の色を変える小栗。
受けて立つお京らは、警戒網をくぐり、にせ金造りの本拠地割り出しに奔走する。



【解説】

小川真由美主演の人気シリーズの第2部。
第1部は13本で終了したが、好評のため半年後に再び制作された。
キャストは第1部とほとんど同じ。
昭和491974年に第三部、昭和521977年に第四部も製作されている。
女ねずみのアイデアは、後に大地真央、古手川祐子ら、女優を変えながら映像化されている。
この作品は、サブタイトルを見るとわかる通りに、
昭和461971年10月9日に放映された第1部
「霧の夜の襲撃」の続編。
前作が好評だったことがわかる。


【岸田森の役】

後藤三右衛門

前作「霧の夜の襲撃」(昭和461971年10月9日放映)のラストで、
勘定奉行小栗、(浜田寅彦)のために江戸を出てゆくことになった後藤は、
江戸城の御金蔵が破られたと聞き、再び江戸へ舞い戻る。
お京(小川真由美)や留吉(田中邦衛)とともに、小栗の悪事を暴くべく活躍。
前作では、座敷牢に入れられていたためにやつれ果てていて重い芝居だったが、今回は軽めの芝居。
文学座時代の同期生、小川真由美との共演を、徹底的に楽しんでいる。








昭和47年8月3日(木)


世なおし奉行

第18話「共謀」


NETテレビ放映  
22時00分〜22時56分(56分)カラー作品
監 督佐々木康脚 本結束信二


【出演】

片岡千恵蔵(跡部能登守)田村正和(早瀬主水)石山律(仲沢要介)赤座美代子(お染)砂塚秀夫(ちょぼいちの辰)
小山明子(おくに)鮎川いづみ(おみよ)木田三千雄(井上三太夫)清水一郎(茂平)小田部通麿
香月京子寺島雄作花村頓小峰一男浪花五郎
宮城幸生土橋勇池田謙治任啓子前川良三
和田一壮(秋田要介)松山照夫(才次郎)岸田森(安斉源八)泉田行夫(ナレーター) 


【物語】

ある村の庄屋が殺される。
犯人の安斉源八(岸田森)は、
八州取締出役、早瀬(田村正和)、仲沢(石山律)らの尋問にはいっさい無言で通した。
結局、唐丸篭で江戸送りの上取り調べと決まったが、
出発の前夜、源八は篭を破り脱走してしまう。
同時に、護送役人秋田(和田一壮)も姿を消した…。



【解説】

当時主流だった『木枯し紋次郎』『荒野の素浪人』などのアウトローに対抗して、
東映京都が、御大、片岡千恵蔵を担ぎ出して製作した正統派時代劇。
徳川時代、関八州は大名の領地が少なく、幕府の天領と旗本の知行地が入り乱れていた。
そのために、行政面では抜け穴だらけ。
そこに食い詰めた浪人無宿人がやってくる。
これを取り締まる八州取締役のリーダーでもある勘定奉行、跡部能登守(片岡千恵蔵)と、
その配下の活躍を描く。
全26話放映。


【岸田森の役】

安斉源八

浪人で、遊び人だが、庄屋を惨殺したために捕縛された。
しかし、護送役人、秋田(和田一壮)の手引きで脱走する。
この殺しは、庄屋の実の息子に頼まれてのものだったが、
実は、源八の妹が庄屋に手込めにされたことへの復讐でもあった。
跡部(片岡千恵蔵)らに追い詰められた時も、
妹を庇い、抵抗をせずに自ら罪をかぶって自首しようとする。
最後は、自分を助けようと自殺した妹を追って入水自殺 。









昭和47年8月26日(土)


大江戸捜査網(第2部)

第75話「おふくろ慕情」


東京12チャンネル放映  
21時00分〜21時56分(56分)カラー作品
<
監 督樋口弘美脚 本中野顕彰


【出演】

杉良太郎
(隠密同心 十文字小弥太)
瑳川哲朗
(隠密同心 井坂十蔵)
中村竹弥
(旗本寄合席 内藤勘解由)
梶衣芽子(芸者小波)岡田可愛(山猫お七)
岸田森(倉田善計)白木万理(おかん)下條アトム庄司永建高木二郎
相原ふさ子大川真一郎宮本和男小泉郁之助島村謙次
小林亘小塙謙二近江大介下塚一二新井富夫
溝口拳村上豪熊谷進前田正治丹阿彌谷津子(お絹)
黒沢良(ナレーター)    


【物語】

松平定信の屋敷が立て続けに爆破される事件が起きた。
現場近くで、小波(梶衣芽子)は、知り合いの新吉(下條アトム)と出会っていた。
怪しいと睨んだ隠密同心たちは、新吉を調べ始める。
新吉が通い詰めている塾では、
倉田善計(岸田森)が、侍でなくても世直しが出来るはずと説いていた。
そして、それを実践しようと、密かに爆薬を調合していた新吉たちは、
発見されて捕縛されてしまう。
この事件の裏には、寛政の改革によって失脚させられた田沼家の元次席家老が、
改革の推進者、松平定信に復讐しようという陰謀があった。


【解説】

徳川幕府の権勢も、落日の影を帯びはじめた十一代将軍家斉の時代。
幕府直属の隠密見廻り同心達が、殺人から政治的陰謀事件まで、
老中の指令で事件を解決してゆく痛快時代劇。
中断を挟みながら22年間、全5部712話、2015年にはスペシャル版も放映された。
このエピソードは、昭和461971年4月1日から全51話放映された第2部の23話目。
第1部からの通算では75話になる。
この時期のレギュラーは、
杉良太郎(隠密同心 十文字小弥太)、瑳川哲朗(隠密同心 井坂十蔵)、中村竹弥(旗本寄合席 内藤勘解由)、
梶衣芽子(芸者小波)、岡田可愛(山猫お七)。


【岸田森の役】

倉田善計

倉田塾の塾長。
「新しい江戸」という世直しを説く本を書き、純粋な町人たちを扇動する。
だが、裏では元田沼家次席家老と組んで、
寛政の改革を推進している松平定信を倒そう画策していた。
短筒を使うが、剣の腕はあまりなく、小弥太(杉良太郎)に一刀のもとに斬られてしまう。
諭すような話し方は、岸田森の独壇場。
感情的ではなく、淡々と論理を推し進めるインテリ的な台詞回しの説得力はさすがである。
学者らしい総髪が印象的だ。
岸田森は後にあと2回『大江戸捜査網』にゲスト出演する。



関連作品

大江戸捜査網

大江戸捜査網(第4部) 第255話「三味の音は殺しの調べ」(昭和51年1976
大江戸捜査網(第4部) 第296話「仇討ち素浪人秘話」  (昭和52年1977







昭和47年10月3日(月)〜昭和48年3月31日(土)放映


美作ノ国 吉井川

全156回


TBSテレビ毎週月曜日〜土曜日放映
12時40分〜13時00分(20分)カラー作品


原 作棟田博演 出高橋一郎坂崎彰福田新一豊原隆太郎和田旭竹之内寛次
脚 本山田正弘


【出演】

本阿弥周子(村田里ん)館野令子(村田里ん少女時代)溝口舜亮(倉持壮二郎)宮口精二(村田弥兵衛)磯村千花子(村田すま)
前田吟(仁吉)北見治一(兵庫屋忠吉)常田富士男(飛松)横森久(カゴ辰)高松しげお(十作)
塚本信夫(石黒清吾)伊藤栄子(ツタ)近藤典弘(兵庫屋定一)岸田森(長又左介)市地洋子(お絹)
清水良英(喜乃)伊藤正次(幸助)高橋香(田助)小野川公三郎(小三郎)財津一郎(大黒屋宗助)
原保美(兵庫屋庄右ヱ門)佐藤允(片帆の孫七)細川俊之(ナレーション)  


【解説】


ポーラテレビ小説第9作。
吉井川の川筋に生き、回漕問屋を継いだ村田里ん(本阿弥周子)の波乱に満ちた人生を描く帯ドラマ。
原作は棟田博の「美作ノ国吉井川」。
ヒロインを演じる本阿弥周子は、この番組のためのオーディションで選ばれた。
脚本は山田正弘が一人で担当、
音楽は人気フォークグループ六文銭の小室等が、解散後ソロで始めて手掛ける。
プロデュースは、岸田森と数々の作品でコンビを組んだ高橋一郎。
演出も担当している。


【岸田森の役】

長又佐介

津山警察で剣道を教える警察官。
元武士の村田弥兵衛(宮口精二)を剣術指南役に迎える。
津山城取り壊しに絡んで、大黒屋宗助(財津一郎)の腕を斬り出奔。
一時は神戸で警察官をしていたが、その後清国で事業を立ち上げる。
また、同じく出奔していた弥兵衛とは数奇な縁で、結局臨終まで看取る事となる。
実直な性格で、ヒロインを影から見守る役。
剣道のシーンも多く、かなりの迫力がある。
多分
『近鉄金曜劇場 剣』(昭和39年)みたいに、剣道指導の役も買ってでていたのだろうと思われる。
131417202355576566151152回の全6週17回に出演。


関連作品

ポーラ

パンとあこがれ 第5週(第25回〜第30回)  (昭和44年1969
原生花園 アンラコロの歌 第1週〜第9週  (昭和47年1972
ポーラ名作劇場「氾濫」 全8回  (昭和49年1974
ポーラ名作劇場「黄昏にさようなら」 全8回 (昭和50年1975
絹の家  全135回 (昭和51年1976


高橋一郎

近鉄金曜劇場 芸術祭参加作品「正塚の婆さん」(昭和381963年)
近鉄金曜劇場 「剣」     (昭和391964年)
きんきらきん 第11回   (昭和441969年)
白い影 第14回(最終回) (昭和481973年)
夢のあとに 第1回〜第3回 (昭和531978年)




【各エピソード解説】

第1週第2週第3週
第4週第5週第6週
第7週第8週第9週
第10週第11週第12週
第13週第14週第15週
第16週第17週第18週
第19週第20週第21週
第22週第23週第24週
第25週第26週 






昭和47年10月3日(火)〜11月7日(火)放映


火曜日の女「木の葉の家」

全6回


日本テレビ毎週火曜日放映
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品


監 督山本迪夫脚 本松木ひろし


【出演】

星由里子(手塚早苗)竜雷太(手塚八郎)大塚道子(手塚民子)岸田森(謙三)佐原健二(沖山)
山本紀彦(信一)小倉雄三(菅沼)辻しげる蔵悦子天草四郎
本田淳子(好江)田川恒夫片山滉山川弘乃小沢かおる
大島ゆみ恵春江ふかみ鈴木泰明広瀬楊子小竹外登美
杉野公子西川幾雄小海とよ子石井麗子増田順司
神田正夫丘寵児石川誠邦創典小高まさる
秋山文人新井和夫中北千枝子小栗一也(安田)矢島正明(ナレーター)


【解説】


『血を吸う』シリーズの山本迪夫監督との顔合わせ。
知恵遅れの娘や、陰険な同居人、そして偽物の女主人など、
血を吸うシリーズで見せる舞台設定に類似しているところが興味深い。
レギュラー出演していた岸田森の演じる陰険な雰囲気は、
そのまま『血を吸う』の吸血鬼から移行してきている。
『火曜日の女』シリーズとは、昭和44年1969から昭和48年1973年にかけて放送されたサスペンス、ミステリーを主体にしたテレビシリーズ。
女優を主役にして、大体5、6回程度で完結するように作られていた。
この作品は、昭和45年1970に放映された『火曜日の女 木の葉の舟』の続編にあたる。
当時スピード離婚をした星由里子が、妊婦役で主演したことに話題が集中した。
また、星由里子の演じる役柄上しゃべれないので、
テレビドラマでは珍しく、手話を本格的に使用して描かれた事も話題となる。
昭和57年1982、火曜サスペンス劇場『悪魔島の赤ちゃん』として、同じ山本迪夫監督でリメイクされている。


【岸田森の役】

謙三

民子(大塚道子)の姉、節子の子供。八郎(竜雷太)とは従弟にあたる。
優等生の八郎と、いつも比べられていた事にコンプレクスを持ち、
大人になった現在でもひねくれた性格となってしまっている。
残虐で狂暴、無神経な事を平気で言う。
一度は結婚して、娘、好江がいる。
だが、妻は、水商売上がりで男を作って逃げたという事もあり、娘を嫌悪、虐待している。
マザコンでもあり、その陰険な性格とは裏腹に母親には従順。
たとえ殴られても無抵抗のまま、というくらいである。
ラストには母節子に刺され、その手の中で息絶えてゆく。
青白い顔で、同じ山本迪夫監督と組んだ『血を吸う』シリーズで見せた吸血鬼を彷彿させる、不気味な演技を見せる。
ショッキングな登場シーンから、カエルの生皮をむき怨みを言うという残虐シーンなど、
これでもかというくらいにたたみかけるホラー演出は見事。
ひとつひとつの演技に細かい工夫があり、
岸田森の悪役としての魅力が全開している作品である。
一見の価値あり。


関連作品


山本迪夫

東京コンバット 第3話「銀色の死刑台」 (昭和43年1968
呪いの館 血を吸う眼          (昭和46年1971
血を吸う薔薇              (昭和49年1974
木曜ゴールデンドラマ「大誘拐 陽気なお婆ちゃんの身代金は何と百億円!」(昭和56年1981
「追悼岸田森 山本迪夫」        (昭和58年訃報1983




【各エピソード解説】

第1回第2回第3回
第4回第5回第6回






昭和47年12月7日(木)〜昭和48年5月3日(木)放映


愛よ、いそげ

全22回


TBSテレビ毎週木曜日放映
22時00分〜22時56分(56分)カラー作品


脚 本窪田篤人


【出演】

篠田三郎(片岡恭一)仁科明子(新庄有紀)志垣太郎(辰也)紀比呂子(野島佐智)高橋幸治(新庄吾郎)
馬淵晴子(片岡田鶴子)市原悦子(大野木和枝)黒沢年男(田所修平)奈美悦子(水村亜矢)古谷一行(平野)
石田信之中島久之(野島明)岸田森富永美沙子(知子)西山恵子
松下達夫(高林)城達也(ナレーター)   


【解説】

「木下恵介 人間の歌シリーズ」第9弾として製作された連続ドラマ。
あわただしい時代にあって、愛はいかにあるべきであろうかというテーマを、
父と子、兄弟、恋人、夫婦という様々な組み合わせで描いてゆく。
スタジオドラマの現代劇にレギュラー出演するのが始めての篠田三郎と仁科明子のほか、
志垣太郎と紀比呂子、高橋幸治、馬淵晴子、市原悦子らがレギュラー出演。
始めは3カ月放映の予定だったが、好評のため延長、
昭和471972年12月4日〜昭和481973年5月3日の五ヶ月間という、変則的な期間で放映された。
演出はプロデューサーも担当する飯島敏宏。
他に井上靖史、山田高道、阿部祐三、堀川敦厚も担当。
岸田森の役は不明。
第21回に出演が確認出来るが、他のエピソードへの出演は未確認。




【各エピソード解説】

第1回第2回第3回
第4回第5回第6回
第7回第8回第9回
第10回第11回第12回
第13回第14回第15回
第16回第17回第18回
第19回第20回第21回
第22回  







昭和47年12月10日(日)


東芝日曜劇場

第835回「−茶の花匂う−より あによめ」


TBSテレビ放映  
21時30分〜22時25分(55分)カラー作品
監 督坂崎彰原 作伊藤桂一脚 本隆巴


【出演】

池内淳子(香津)大和田伸也(修馬)大前均(賀(ママ)籠屋)田森敏一(賀(ママ)籠屋)金長晴子(小女)
肥土尚弘(兼松)水野哲(江原角太郎)岸田森(柴野)夏川静枝(江原はる)加藤嘉(江原幸右衛門)


【物語】

修馬(大和田伸也)は、兄嫁の香津(池内淳子)と共に、
六年前に殺された兄の敵を討とうと、雪深い仙台まで来ていた。
二人は、無事仇討ちを遂げなければ国許島原藩へ帰れず、
また、敵にめぐり会っても返り討ちにあうかもしれない運命だ。
だが、無理がたたり、香津は倒れてしまう。
立ち寄った庄屋は、回復するまで逗留してくれと親身になってくれた。
季節は変わり、学問を教える修馬は、村の子供たちから親しまれるようになっていた。
村人たちは、考え直してここで暮らしてくれとまで言ってくれる。
悩んだ香津は、ある夜、修馬への気持ちが抑えきれなくなり、
ついに何もかも捨てて二人で残る決心をした。
そんな時、敵の柴野(岸田森)を見かけたという話がもたらされた。
悩んだ二人は、自分たちの生活を守るために、雪の中、柴野と対峙した…。



【解説】

伊藤桂一原作「茶の花匂う」のドラマ化。
東芝日曜劇場に、久々に出演した作品。
冬から始まり、春、秋、そして再び冬と、静かに流れてゆく時間が見事に描き出されている。
結局、七年目に敵とめぐり合った時には、
すでに敵討ちを命じた島原藩が、取り潰されていたという、ラストの無常さが印象的だ。
主演の大和田伸也は、同じころに放映されていた
連続テレビドラマ『藍より青く』(昭和471972年NHK)での好演が認められての出演。


【岸田森の役】

柴野

香津(池内淳子)の夫であり、修馬(大和田伸也)の兄を斬って逃亡、二人に敵として追われる。
だが、柴野は、自分の妹が香津の夫に手篭めにされて自殺してしまったために、激高して斬ってしまったのである。
この事を敵として追う二人は知らない。
二人と出会った時には、すでに労咳病みの状態で、自分は長くないと知っていた。
自らの生活を守るために必死になっている二人に、刀を抜いても抜かなくても良いと語りかける。
敵討ちが無くなり、一人雪の中、二人に背を向けて立ち去ってゆく。
密かに香津の事を想っていたらしい事を匂わせて物語は終わる。
登場はラストワンシーンだが、かなり存在感があり見事に場をさらっていた。


関連作品

東芝日曜劇場

東芝日曜劇場「星形」(昭和38年1963
東芝日曜劇場 「橋の下」  (昭和39年1964
東芝日曜劇場 女優シリーズ14 「サファイヤ・ミンク」  (昭和39年1964




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