【テレビ作品】


昭和49年1月7日(月)〜3月1日(金)放映


放浪記

全40回


TBSテレビ毎週月曜日〜金曜日放映
13時00分〜13時30分(30分)カラー作品
監 督下村堯窪川健造原 作林芙美子脚 本中井多津夫


【出演】

樫山文枝(ふみ子)荻島真一(北原)勝呂誉(中里)岸田森(平川)東野孝彦(手塚)
赤木春恵(きく)五藤雅博(喜三郎)高原駿雄(松田)利根はる恵川島育恵(時子)
楠田薫山本耕一(川辺)森秋子(万理)原泉(土地の老婆)今出川西紀(のぶ子)
関隆(永之助)辻伊万里(みつ)藤岡重慶(河村)柳谷寛(定吉)蓮川久美(定吉の妻)
上田忠好(友永)本山可久子(美保子)金井大(白木)平井道子(房枝)柳川慶子(典子)


【解説】


林芙美子が、貧しさの中自らを見失わないで強く生き抜いて来た生涯を描く日記を公開した代表作「放浪記」のテレビドラマ化作品。
それまで映画化はされていたが、テレビシリーズ化としては初めての作品。
原作の「放浪記」を中心に、「初旅」や「風琴と魚の町」「塵溜」「母親」などの短編からも物語を構成。
単行本の「放浪記」が大ヒットするというノンフィクションのようなラストとなっている。
どちらかというと有吉佐和子著「花のいのち 小説・林芙美子」の構成に近いかもしれない。
次々と現れる男たちに翻弄されてゆくヒロインを演じる樫山文枝のけなげさが、見ていて印象的だ。



【岸田森の役】

平川

雑誌「現代詩人」の同人。
現代詩を書くインテリではあるが、
処世の術をまるっきりもちあわせていないために、ふみ子(樫山文枝)に苦労をかける。
結婚してからは、童話を書くふみ子の才能に嫉妬。
新人賞を受賞しつつも心は余計にひねくれ、ついには暴力を揮うようになる。
ふみ子の母親が上京して来ても蒲団すら貸し与えないほどの自己中心的な人物。
あまりの仕打ちに飛び出してしまったふみ子を追いかけて、ついにはストーカーになる。
後年、ストーカーのような役は何回も演じる事になるが、すでにこの頃には演技が完成している。
一つ一つのシーンの凝った工夫も素晴らしく、演技の密度がかなり濃い。
作品にも恵まれた昭和491974 年は、岸田森にとって演技的に充実していたという事がわかる一本だ。


関連作品

放浪記 (昭和371962 年)




【各エピソード解説】

第1週第2週第3週第4週第5週
第6週第7週第8週  






昭和49年3月11日(月)〜4月29日(月)放映


ポーラ名作劇場「氾濫」

全8回


TBSテレビ毎週月曜日放映
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
演 出白崎英介原 作伊藤整脚 本新藤兼人


【出演】

小林桂樹(真田佐平)市原悦子(文子)水野久美(幸子)小鹿ミキ(京子)角ゆり子(たか子)
近藤正臣(種村恭助)仲谷昇(久我)伊佐山ひろ子(洋子)川口敦子(保子)横山道代(たみ子)
菅貫太郎(朽木)佐藤英夫村松英子(圭子)細川俊之(ナレーター) 


【解説】


エッセイ「女性に関する十二章」や、チャタレイ裁判などで広く名が知れていた
伊藤整の代表作「氾濫」のドラマ化。
ポーラ名作劇場の12周年作品にあたる作品。
若い野心家、種村恭助を中心に、真田佐平と愛人、真田の妻文子の不倫など、
格差、欲望のりために振り回される人々を赤裸々に描き出し、
人間の本当の生き方を問いつめてゆく作品である。
京子を演じた小鹿ミキが、それまでの三枚目的な役とは違い、
キスシーンからベッドシーンまでをこなすシリアスな役柄に初挑戦する事が当時話題だった。
昭和341959 年には、同じ原作を増村保造監督、佐分利信、沢村貞子主演で大映東京が映画化している。




【岸田森の役】

板崎

文子(市原悦子)の不倫相手。
第4回第6回に出演が確認できる。




【各エピソード解説】

第1回第2回第3回第4回第5回
第6回第7回第8回  


関連作品

ポーラ

パンとあこがれ 第5週(第25回〜第30回)  (昭和44年1969
原生花園 アンラコロの歌 第1週〜第9週  (昭和47年1972
美作ノ国 吉井川 全156回  (昭和47年1972
ポーラ名作劇場「黄昏にさようなら」 全8回 (昭和50年1975
絹の家  全135回 (昭和51年1976






昭和49年4月1日(月)〜6月28日(金)放映


みだれ扇

全65回


TBSテレビ(CBC)毎週月曜日〜金曜日放映
12時45分〜13時00分(15分)カラー作品


【出演】

三田和代(石原皐月)大和田伸也(俊介)岸田森(田場征一郎)和沢昌弘(鉄之進)高杉早苗(さと子)
川崎あかね(青江ふじ子)    


【解説】


13週間、約三カ月に渡って放映された昼の帯ドラマ。
ヒロイン皐月(三田和代)が、年下の俊介(大和田伸也)と結婚してから死別するまでを描く。
岸田森の演じる田場は、第5週あたりからレギュラーで登場する。
その後、ヒロインが結婚してからも登場し続け、最終回まで出演。
この作品が、晩年まで一緒に住むことになる三田和代との出会いとなった。
ちなみに、この作品のころの
インタビューで、「一日にウィスキー一本半飲んでいる」と答えている。
20代前半ではあまり酒が飲めなかったのを考えると、物すごい酒量である。



【岸田森の役】

田場征一郎

カメラマン
ヒロイン皐月(三田和代)の父、鉄之進(和沢昌弘)の自殺現場をずうずうしく撮影し、
皐月と口論になったのかきっかけで知りあう。
田舎の造り酒屋の次男で、何不自由ない生活をしている。
皐月には迷惑がられながらも、強引に求愛し続ける。
皐月の結婚で、一旦はあきらめる。
しかし、結婚相手の俊介(大和田伸也)が、心中に巻き込まれてしまったあと、
皐月(三田和代)に再び求婚する。
その頃には、銀座で個展を開ける程に有名なカメラマンになっていた。





【各エピソード解説】

第1週第2週第3週第4週第5週
第6週第7週第8週第9週第10週
第11週第12週第13週  


関連作品

「こ〜れがボクの素顔デス 昼メロ 憎まれ役のある日」(昭和49年1974





昭和49年7月18日(木)


おしどり右京捕物車

第16話「闇(やみ)」


TBSテレビ放映(ABC)  
21時00分〜21時55分(55分)カラー作品
監 督佐伯孚治脚 本松田司


【出演】

中村敦夫(神谷右京)ジュディ・オング(神谷はな)前田吟(秋山左之介)下条アトム(観念)太田博之(音三)
中原早苗(おふく)富川K夫(お役者常)蔵一彦(伊太八)平沢彰(たちまちの六)阿藤海(袈裟三)
南部彰三(念海)西山嘉孝(玄石)永田光男(伝兵衛)藤川準(組頭)多賀勝(瓦版売り)
川浪公次郎(旅人)宮川珠季(同心)新郷隆(岡っ引)和田かつら(遠州屋の女房)岸田森(伊賀)
内藤武敏(ナレーター)中山千夏(ナレーター)   


【物語】

ある日、はな(ジュディ・オング)が過労のために倒れた。
医師の診断では失明の恐れがあるという。
右京(中村敦夫)は、思い切って手術を依頼した。
手術は成功するが、はなは、こんな仕事をやめようと言い出す。
そんなとき、右京に恨みをもつ「野洲の万蔵」の手下、伊賀(岸田森)らが、江戸へ戻ってきた。
しかし、はなの手助けのない右京は、手も足も出なかった。



【解説】

中村敦夫主演の時代劇ドラマ。
盗賊「野洲の万蔵」一味の罠によって下半身不随になってしまった、北町奉行の凄腕与力、神谷右京(中村敦夫)が、
愛する妻はな(ジュディ・オング)の押す箱車に乗って、下請け与力として戦いに赴くというストーリー。
仕掛けが満載の箱車は、名匠・三隅研次監督の考案。
製作は「必殺」シリーズで有名な山内久司ほかが担当。


【岸田森の役】

伊賀

右京(中村敦夫)を半身不随にした「野洲の万蔵」の手下だった。
右京に恨みをもち、あらゆる手を使い、非情に追い詰めてゆくが、最後には右京に破れる。



関連作品

「テレビトピック またまた悪役…岸田森 あすの「おしどり右京捕物車」死にざま≠ノ苦労します」(昭和49年1974


山内久司

魔像・十七の首(昭和44年1969
快刀乱麻 第2話「死と死と人は来ぬか雨」  (昭和48年1973
斬り抜ける(斬り抜ける 俊平ひとり旅)全20話 (昭和49年1974

必殺仕置屋稼業 第12話「一筆啓上魔性が見えた」  (昭和51年1975
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」 (昭和50年1976
新必殺仕置人  第1話 「問答無用」       (昭和52年1977
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚の宿」  (昭和52年1977
必殺仕事人 第1話「主水の浮気は成功するか」   (昭和54年1979







昭和49年10月3日(木)〜昭和50年2月13日(木)

斬り抜ける(斬り抜ける 俊平ひとり旅)

全20話


TBSテレビ(ABC)毎週木曜日放映
21時00分〜21時55分(55分)カラー作品


【出演】

近藤正臣(楢井俊平)和泉雅子(森菊)佐藤慶(森嘉兵衛)岸田森(森伝八郎)火野正平(弥吉)
志垣太郎(道家鋭三郎)田坂都(おしん)岡本崇(太一郎)江守徹(ナレーター) 


【解説】

近藤正臣主演の時代劇シリーズ。
作州松平藩士、楢井俊平(近藤正臣)は、上意で親友の千之助(岩崎信忠)を斬ってしまう。
しかし、それが千之助の妻、菊(和泉雅子)を我ものにするための藩主丹波守(菅貫太郎)の企みと知り、
菊とその息子太一郎(岡本崇)を連れて逃げる、というのが物語の発端。
追手を命じられたのは、千之助の父で、俊平の剣の師匠でもある森嘉兵衛(佐藤慶)と、
彼の妾腹の子、森伝八郎(岸田森)の二人だった。
嘉兵衛は、息子太一郎に何とか家督を継がせようと思うが、
妾腹の伝八郎は、自分が家督を継ぎたいために、三人の皆殺しを謀ろうとする。
このように複雑な設定に加えて、俊平達には「松平はずし」がかけられる。
諸国の松平藩を全て敵に回したのだ。
周り中敵だらけの緊迫した道中が続く。
このシリーズの注目すべき点は、独特な殺陣である。
刀が二人以上斬ると血脂で全然切れなくなるという描写が、毎回かならずあり、
今までの時代劇の約束事だった集団に一人で立ち向かう殺陣は、ほとんど無い。
また、前半のレギュラー鋭三郎(志垣太郎)が、粗悪な刀をつかまされ、毎回刀を折ったり曲げたりする描写も目新しい。
しかし、このような斬新な設定は当時受け入れられなかったのか視聴率を稼げず、
中盤からは大幅な路線変更を行い、タイトルも
第15話から「斬り抜ける 俊平ひとり旅」に変更。
複雑に入り組んだレギュラーも整理され、番組独特の殺陣も、普通の時代劇と同じスタイルになった。
テコ入れとして、大物ゲスト(藤田まこと、中村敦夫、ジュディ・オング、中村玉緒)を立て続けに呼んだが視聴率は回復せず、
残念ながら全20本で終了してしまう。


【岸田森の役】

森伝八郎

森嘉兵衛(佐藤慶)が、森家の下女に産ませた妾腹の子。
槍の名手だが、妾腹のため森家を継げないでいる。
家督を継ぐという事に異常な執着を示し、今回の事件を利用して自分が森家を継ごうと企む。
そのために、密かに心を寄せていた義姉、菊(和泉雅子)や、父、森嘉兵衛(佐藤慶)を、
家督を継ぐ邪魔になると、やむを得ず斬ってしまう。
このシリーズで、森伝八郎はもう一人の主役とでも言っても良い位に描き込まれている。
特に
最終回では、伝八郎の苦悩がじっくり描かれており、
シリーズを通して見終わった後には、主役の俊平(近藤正臣)よりも伝八郎の方が印象に残るほどだ。
実際は優しくナイーブな内面を持っていることを匂わせながら悪役を演じてゆく岸田森の芝居が見事だった。
間違いなく、この作品は、岸田森の代表作の一本だろう。




【各エピソード解説】


第1話「不義者俊平」 第2話「松平はずし」第3話「お札くずれ」
第4話「女が峠を越えるとき」第5話「女が命を燃やすとき」第6話「女が道を変えるとき」
第7話「男は待っていた」第8話「女が愛にゆれるとき」第9話「男は耐えていた」
第10話「女が炎になるとき」第11話「女が闘うとき」第12話「男は賭けた」
第13話「あなたが欲しい」第14話「愛と死と…」第15話「城中乱入」
第16話「城代暗殺」第17話「綾姫御殿」第18話「死地突入」
第19話「黄金振舞」第20話「作州炎上」(最終話) 



関連作品

山内久司

魔像・十七の首(昭和44年1969
快刀乱麻 第2話「死と死と人は来ぬか雨」  (昭和48年1973
おしどり右京捕物車 第16話「闇(やみ)」  (昭和49年1974

必殺仕置屋稼業 第12話「一筆啓上魔性が見えた」  (昭和51年1975
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」 (昭和50年1976
新必殺仕置人  第1話 「問答無用」       (昭和52年1977
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚の宿」  (昭和52年1977
必殺仕事人 第1話「主水の浮気は成功するか」   (昭和54年1979


早坂暁

愛しの太陽 (昭和41年1966
真田幸村(昭和41年1966
契りきな(昭和44年1969
浮世絵女ねずみ小僧 第2話「霧の夜の襲撃」(昭和46年1971
天下堂々  全47話 (昭和48年1973
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」(昭和51年1976
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚」(昭和52年1977
南海放送創立25周年記念番組 わが兄はホトトギス(昭和53年1978
ドラマ人間模様 新事件 わが歌は花いちもんめ 全5回(昭和56年1981





昭和49年10月3日(木)〜11月21日(木)

丹下左膳

全8話


日本テレビ(YTV)毎週木曜日放映
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
原 作林不忘監 修市川崑


【出演】

高橋幸治(丹下左膳)浜畑賢吉(諏訪栄三郎)三田和代(櫛巻お藤)尾藤イサオ(与吉)鮎川いづみ(お艶)
井上れい子(弥生)江戸屋猫八(壁辰)有馬昌彦梅津栄津山登志子
伊東光一大宮幸悦有賀治子若駒田村高廣(蒲生泰軒)
芥川隆行(ナレーター)    


【解説】

右目には大きな刀傷、そして右腕がない隻眼隻腕という怪剣士丹下左膳を主人公とした、
林不忘原作の傑作時代劇のテレビドラマ化。
『木枯らし紋次郎』(昭和471972年〜481973年)でヒットを飛ばした市川崑が監修、
第一話は演出も担当、スタイリッシュな映像を作り上げている。
また、小室等の主題歌など、多分に紋次郎を意識したような作風の作品となっている。
白紋付に、裾からこぼれるピンクの長じゅばんという、左膳のスマートないでたちが特徴のシリーズだ。
前半第1話〜8話までは、名刀乾雲・坤竜を巡る争奪戦。
完結した翌週から、そのまま続けて同じ時間枠で、
こけ猿の壷を巡る争いを描く『丹下左膳 こけ猿の巻』が全7話放映されている。
岸田森が出演しているのは、前半1〜8話の乾雲・坤竜を巡る争奪戦の時のみ。
C.A.L製作。



【岸田森の役】

伊吹大作

南町奉行所筆頭与力。
大岡越前の右腕として登場。
乾雲・坤竜両刀の争奪戦が、騒乱を巻き起こす可能性があると、権力を介入させようとする。
ただ、相馬藩の取り潰しを幕府があきらめて方針転換してしまったために、
権力の手先として設定されていた伊吹大作の役は、
後半まで登場する事なく物語から姿を消すので、あまり活躍はしていない。
冷酷なイメージで、終始落ち着いていた雰囲気で演じている。
6話に出演。




【各エピソード解説】

第1話「乾雲坤竜は夜に哭く」 第2話「落日に影は流れる」第3話「秋光しぐれを斬る」
第4話「火の恋は風に舞う」第5話「むら雲は月に乱れる」第6話「落葉は泪に濡れる」
第7話「灰色の剣は砕けた」第8話「隻眼隻手よ何処へゆく」 





昭和49年10月5日(土)〜昭和50年3月29日(土)

傷だらけの天使

全26話


日本テレビ毎週土曜日放映
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品


【出演】

萩原健一(木暮修)水谷豊(乾亨)岸田今日子(綾部貴子)岸田森(辰巳五郎)ホーン・ユキ(浅川京子)


【解説】

綾部探偵事務所の下働きとして、危険な仕事や人が嫌がる仕事を押し付けらる、
修(萩原健一)と亨(水谷豊)の二人の若者を主役にしたテレビシリーズ。
学歴は中卒、常に貧しく生きてきたチンピラ二人の生き様を、
名監督・恩地日出夫、神代辰巳、深作欣二を中心に生々しく描き切った。
出演は、萩原健一、水谷豊、岸田今日子、岸田森など、ひと癖も二癖もある俳優を集め、
現在でも名作ドラマと呼ばれ続けている。
萩原、水谷と、岸田森のチームワークは特に素晴しい。


【岸田森の役】

辰巳五郎

綾部探偵事務所の社長秘書。
修(萩原健一)達に仕事を指示する役だが、修や亨(水谷豊)の無教養と野蛮さを毛嫌いしている。
知的で切れ者らしく見えるが、実際に現場に出るとかなり情けない。
ビジネスライクに物事を運ぶのを信条にしている割には、修達のギャラをピンハネしたりとかなりやることがセコい。
加えて、神経質で胃下垂にも掛かってる、どちらかというと小心者。
しかも、禿げでカツラ常用だったりもする。
岸田森は、最初ただの切れ者だった秘書の役を、
コミカルにも演じることによって、非情さを浮き立たせる事に成功した。
名シーンが続出し、この作品も間違いなく岸田森の代表作の一本だろう。
『斬り抜ける』とほとんど同時期に、このような密度の濃い芝居をこなしているのが信じられない。
神代辰巳監督や工藤栄一監督とは、このシリーズで出会い、後に何本も作品を発表する。




【各エピソード解説】


第1話「宝石泥棒に子守唄を」 第2話「悪女にトラック一杯の幸せを」第3話「ヌードダンサーに愛の炎を」
第4話「港町に男涙のブルースを」第5話「殺人者に怒りの雷光を」第6話「草原に黒い十字架を」
第7話「自動車泥棒にラブソングを」第8話「偽札造りに愛のメロディーを」第9話「ピエロに結婚行進曲を」
第10話「金庫破りに赤いバラを」第11話「シンデレラの死に母の歌を」第12話「非情の街に狼の歌を」
第13話「可愛いい女に愛の別れを」第14話「母のない子に浜千鳥を」第15話「つよがり女に涙酒を」
第16話「愛の情熱に別れの接吻を」第17話「回転木馬に熱いさよならを」第18話「リングサイドに花一輪を」
第19話「街の灯に桜貝の夢を」第20話「兄妹に十日町小唄を」第21話「欲ぼけおやじにネムの木を」
第22話「くちなしの花に別れのバラードを」第23話「母の胸に悲しみの眠りを」第24話「渡辺綱に小指の思い出を」
第25話「虫けらどもに寂しい春を」第26話「祭りのあとにさすらいの日々を」(最終話) 


関連作品

雑誌記事 ひろめやひろめ「男優は頭を剃るのが当然〜岸田森が頭髪をバッサリ」  (昭和49年1974
雑誌記事 ハ〜イお疲れさま!「篠ヒロコのお尻をなでては岸田森ニヤニヤ」    (昭和50年1975


神代辰巳監督

『櫛の火』   (昭和50年1975
『黒薔薇昇天』  (昭和50年1975


水谷豊

鬼輪番(昭和49年1974
影同心U 第24話「そして影は去った!!」(最終話)(昭和51年1976
雑誌記事「続・男の特集 頼れる男の心のうち」 水谷豊/甦る・傷だらけの天使」(昭和52年1977
CM演出 「S&Bスナックチップ」(昭和52年1977
CM企画「S&B」スナックトースト野球篇」(昭和53年1978
CM企画S&Bスナックトースト 外野フライ篇(昭和54年1979
熱中時代(第2部) 第3話「早くも恐怖の通信簿」(昭和55年1980



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