【映画】


昭和37年9月29日(土)公開


放浪記

宝塚映画製作東宝配給
上映時間124分白黒作品 東宝スコープ
監 督成瀬巳喜男原 作林芙美子(菊田一夫舞台脚本より)脚 本井出俊郎田中澄江


【出演】

高峰秀子(林ふみ子)宝田明(福地貢)加東大介(安岡信雄)小林桂樹(藤山武士)田中絹代(母・きし)
草笛光子(日夏京子)仲谷昇(伊達春彦)伊藤雄之助(白坂五郎)多々良純(田村)織田政雄(ふみ子の父)
加藤武(上野山)文野朋子(村野やす子)賀原夏子飯田蝶子(下宿屋の婆さん)北川町子
紅園ゆりか中北千枝子矢吹寿子菅井きん伊藤久哉
万代峰子石田茂樹中山豊名古屋章小西ルミ
河美智子吉川雅恵遠藤辰雄青木千里稲野和子
八木昌子林美智子森明子森川ひろ子宇野美子
霧島八千代加賀元女梅香ふみ子内田朝雄楠義孝
福山博寿妻紀一平梶川武利山本稔西沢利明
杉裕之笈田勝弘和氣成一細谷清岸田森
草野大悟橋爪功森金太砂川明美千草千代
小坂沙代千原万紀子土佐林道子  


【物語】

昭和の初め、林ふみ子(高峰秀子)は、母親と行商をしながら暮らしていた。
生活のためにカフェの女給になったふみ子は、
劇作家の伊達(仲谷昇)に詩の才能を認められた事が縁で、同棲生活を始める。
しかし、伊達は京子(草笛光子)の元へ走ってしまい、
ふみ子は彼の元を追い出される。
再び女給に戻った彼女は、詩人の福地(宝田明)と結婚するが、
二人の書く原稿は売れず、貧しい日々は続いた。

そんなある日、「女性芸術」という雑誌で、
ふみ子と京子のどちらかの一編が採用されるという機会が訪れた…。


【解説】

林芙美子の自伝的小説「放浪記」を元にした
昭和36年1961 の舞台(菊田一夫脚本)を映画化。
行商人の娘が、貧困と戦いながら作家として成り上がるまでを描く。

成瀬巳喜男監督は、林芙美子原作の作品をこの時期にいくつも映画化しており、
昭和26年1951 『めし』、昭和27年1952 『稲妻』、昭和28年1953 『妻』、
昭和29年1954 の『晩菊』、昭和30年1955 『浮雲』等、
そのほとんどが日本映画の傑作と呼ばれる素晴らしい仕上がりを見せている。

また、主役の高峰秀子は成瀬巳喜男監督作品の常連で、
二人のコンビは全部で17本もある。
この『放浪記』が、二人のコンビの一番脂が乗った時期のもの。
前半の猫背気味の不美人が、
だんだん自信をつけて綺麗になってゆく高峰秀子の芝居は見事の一言だ。

この作品は、東宝映画創立30周年記念映画として封切られた。


【岸田森の役】

前半30分くらいに、夕食屋にすき焼きを食べに来ている学生役でエキストラ出演。
酔っ払った女給のふみ子(高峰秀子)が歌い始めたのに合わせて、一緒に歌う。
台詞は一言だけ。
このシーンには、草野大悟ら文学座の同期も出演している。

この作品には、文学座から16名も出演。
岸田森と同じ、文学座附属演劇研究所の第一期生も、
数名この作品でデビューしている。



関連作品

放浪記 全40回(昭和49年1974




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