【映画】


昭和42年9月23日(土)公開


斜陽のおもかげ

日活製作日活配給
上映時間92分カラー作品 ワイド
監 督斉藤光正原 作太田治子脚 本八住利雄


【出演】

吉永小百合(木田町子)芦田伸介(谷山進一郎)北林谷栄(つる)三津田健(津田文蔵)高杉早苗(谷山千賀)
小池朝雄(ジャーナリスト)岸田森(谷山圭次)檀一雄笹森みち子(岡見安子)藤田尚子(津田正子)
日色恵
(太宰の友人、田中貞次郎)
相原巨典(試験主任)藤田けい子(津田千代)加原武門久遠利三
玉村駿太郎(試験員甲)広瀬優(試験員乙)鈴村益代(おたつ)鈴木俊子高山千草
清水千代子深町真喜子有村道宏伊藤久美子
(町子の少女時代<六才位>)
野田聴子
(町子の少女時代<小学五年生>)
角田雅生新珠三千代(木田かず子)   


【物語】

町子(吉永小百合)は、
太宰治の小説「斜陽」で描かれた愛人の娘という宿命を追った女子高校生だ。
ある日町子は、大学生の谷山圭次(岸田森)と知り合う。
彼は山岳部のコーチで、太宰の研究もしていた。
圭次は、複雑な家庭を背負いながらも明るく生きる彼女達をほめ、
町子もそんな圭次に次第に引かれてゆく。
だが、圭次の母親、千賀(高杉早苗)は、
一人町子を訪ねてきて来て、交際を辞めるようにと言ってきた。
千賀から妾の子とまで言われ、母親の本心も分からなくなった町子は、
父、太宰治の故郷、津軽を訪ねた。
そんなとき、圭次が山で遭難したという知らせが町子に届く。
町子は母と共に圭次が登った山へと向かった。


【解説】

文壇の鬼才といわれながら、玉川上水に身を投げた太宰治の遺児
太田治子の「手記」が原作。
生活苦や世間の冷たさにも負けずに、前向きに生きる美しい娘と母の姿を描くヒューマンドラマに脚色されている。
吉永小百合と新珠三千代の豪華初顔合わせが話題になった。
そして、圭次(岸田森)の父親に芦田伸介を起用と、
前年放映されたテレビドラマ
『氷点』(昭和41年1966)とかなりダブったキャスティングがなされていた。
ドラマ『氷点』が、当時いかに人気があったかが伺える。
また、斉藤光正監督のデビュー作でもある。


【岸田森の役】

谷山圭次

山岳部のOBで、町子(吉永小百合)の先輩に当たる。
始めは町子の父親である太宰治に興味があり、彼女に近づいたが、
その明るい性格に魅かれ、二人は交際を始めることになる。
しかし、厳格な家庭はそれを許さず、行詰った圭次は、山登りへと逃避してしまう。
そして、遭難して死線をさまよった時、また、新しく人生をやり直そうと決意する。

テレビドラマ『氷点』の人気が高かった事もあり、
同じく知的で繊細な学生役として、かなり大きな役柄にキャスティングされている作品である。



関連作品

氷点 第8回〜第13回(昭和41年1966




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