昭和49年1月7日(月)〜1月11日(金)放映


第1週(第1回〜第5回)

【物語】

ふみ子(樫山文枝)の父親喜三郎(五藤雅博)は、
アコーデオンを鳴らして化粧品を売る行商で生計を立てている、貧しい生活をしていた。
ふみ子は、恋人の北原(荻島真一)の子供を宿していた。
しかし、北原は故郷に帰省したまま三ヶ月も帰って来なかった。
意を決したふみ子は、北原の故郷を訪ねた。
だが、北原の父は、ふみ子が行商の子という事で結婚を反対、
頼みの北原も父の前ではまったく何も言えない情けない男だった。
ふみ子は、子供を一人で育てようと料亭で働き出す。
そんな時、父の喜三郎が警察に逮捕され、そのショックで流産してしまう。
ふみ子は、北原ときっぱり別れて、東京へと出る決心をした。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る





昭和49年1月14日(月)〜1月18日(金)放映


第2週(第6回〜第10回)

【物語】

母きく(赤木春恵)を伴って東京へ来たふみ子(樫山文枝)は、
幸い出版社での臨時の仕事を見つける事が出来た。
しかし、すぐに家賃も滞るほどに生活は苦しかった。
下宿の隣人、松田(高原駿雄)が、何かと助けてくれたが、
ふみ子にはそれが恥ずかしくて耐えられなかった。
そんな時、臨時の仕事が終了してしまい、ふみ子は再び行商を始めるしかなかった。
家賃が払えないために、下宿を出ようとするふみ子に、松田は求婚した。
しかし、生活を楽にするための結婚をする気など、ふみ子にはなかった。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る





昭和49年1月21日(月)〜1月25日(金)放映


第3週(第11回〜第15回)

【物語】

カフェーで女給勤めを始めたふみ子(樫山文枝)は、
新劇の演出家、中里(勝呂誉)と知り合い、同居生活を始めた。
稼ぎが無い中里の面倒を見ながらも、ふみ子は幸せだった。
そんなある日、ふみ子は中里に妻子がいる事を知る。
問い詰められて一度は立ち去ってしまった中里だった。
しかし、ふみ子はそれでも中里の事をあきらめきれなかった。
ある日、中里が大金を預金している事を知ってしまう。
いままで中里の面倒を見るために苦労してきたふみ子にとって、それは裏切り行為だった。
ふみ子は、きっぱりと中里と別れた。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る





昭和49年1月28日(月)〜2月1日(金)放映


第4週(第16回〜第20回)


【物語】

心機一転、ふみ子(樫山文枝)は自分の事を姉のように慕ってくれる時子(川島育恵)と共に、
新しい店に移ってしっかりした生活を始めようと決心した。
最初は順調だった共同生活も、
カフェーの客、河村(藤岡重慶)が時子に付きまとうようになってから崩れだした。
ふみ子は、何とか堕落してゆく時子を救おうとする。
だが時すでに遅く、彼女は、河村と共に出て行ってしまう。
そんな時、平川(岸田森)という書生が訪ねて来る。
ふみ子の詩が載った雑誌を持ってきたのだ。
活字になった自分の詩を見て、ふみ子は久しぶりにさわやかな気持ちになった。


【解説】

第20回に、岸田森が初登場。
ふみ子の今後の人生に絡んでゆく事になる。


 『放浪記』エピソード解説へ戻る





昭和49年2月4日(月)〜2月8日(金)放映


第5週(第21回〜第25回)


【物語】

平川(岸田森)の身につけている文学的な香りは、ふみ子(樫山文枝)にとって新鮮だった。
ふみ子が、風邪で倒れた平川を親身に看病するうちに、
いつしか熱い視線を交わすようになってした。
そして、ついに平川が求婚する。
度重なる情熱的な求婚に負けたふみ子は、ついに結婚を決める。
二人は小さいながらも一家を持った。
しかし、新進作家の原稿料では、まともに生活が出来なかった。
ふみ子は質屋に通い、平川も生活のために童話を書き始める。
しかし、童話は全く売れず、さらに生活は逼迫して来た。
ふみ子は、止むを得ず以前に勤めたカフェーで、ほんの少し仕事をする。
それを知った平川は、ふみ子を罵った。


【解説】

岸田森が演じる平川は、最初は文学的な香りのする好青年で登場。
しかし、回数が進むにつれていよいよ本性を現してくる。
生活が苦しくなり、だんだん神経質になり、
ついにはふみ子に八つ当たりまでするようになるのだ。
このような演技は、岸田森得意のもの。
作り込んだ繊細な演技で、役を演じ切っている。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る




昭和49年2月11日(月)〜2月15日(金)放映


第6週(第26回〜第30回)


【物語】

ふみ子(樫山文枝)の書いた童話が雑誌に掲載される事になった。
それを知った夫の平川(岸田森)は激しく嫉妬する。
そんな時、平川に新人賞受賞の知らせが舞い込んだ。
有頂天になった平川は、ふみ子の童話をより一層愚弄するようになった。
ふみ子は、その辛さを童話に託して書き続け、少女雑誌への連載が決まる。
それを知った平川の嫉妬は頂点に達し、暴力をふるって書く事をやめさせようとした。
そこへ、ふみ子の母、きく(赤木春恵)が上京して来た。
だが、平川はきくを、寝る蒲団すら与えないほど冷たくあしらった。


【解説】

平川(岸田森)は、猜疑心と嫉妬にさいなまされて、ふみ子に当り散らす。
この週の岸田森の出番はかなり多く、
家庭が徐々に寒々としてゆく様子がじっくり描かれていて見ごたえがある。
岸田森は、こういう神経質な演技をさせたら本当に巧い。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る




昭和49年2月18日(月)〜2月22日(金)放映


第7週(第31回〜第35回)


【物語】

平川(岸田森)は、ふみ子(樫山文枝)の母、きく(赤木春恵)を冷たく扱ったばかりか、
送られて来た手紙まで勝手に捨てていた。
我慢の限度を越えたふみ子は、ついに家を飛び出してしまう。
ある日、ふみ子は小説家の高木典子(柳川慶子)を紹介される。
二人は意気投合、平川を避けるために、ふみ子は典子の下宿に転がり込む。
下宿の隣室には、絵描きの卵の手塚(東野孝彦)がいた。
ふみ子と手塚は、お互いに惹かれあうものを感じていたが、
そこに平川が乱入してくる。
手塚は、ふみ子の事を守るために、とっさに婚約者だと名乗ってしまう。
それを聞いて怒り狂った平川は制裁を加えるが、
手塚はふみ子の安全を考え、暴力にただ耐えるだけだった。
数日後、ついに手塚はふみ子に求婚する。


【物語】

平川は、ついにストーカーとなりふみ子を追い掛け回す。
岸田森の役作りもかなり凝ったもので、
見ていて怖くなるくらいの執着ぶりを見せてくれる。
色々なシーンの演技の工夫が、本当に素晴らしい出来である。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る




昭和49年2月25日(月)〜3月1日(金)放映


第8週(第36回〜第40回・最終週)


【物語】

ふみ子(樫山文枝)は手塚(東野孝彦)と結婚、
ささやかな新居を構え、貧しいながらも安らぎの日々を過ごしていた。
手塚は、絵の展覧会に再び落選した事を機会に、画家になるのをあきらめようとしていた。
家の亭主として、ふみ子のささやかな原稿料に頼っているのが耐えられなかったのだ。
活動映画の看板書きとして働き始めた手塚を見て、
ふみ子は自らも筆を折り主婦として夫を支えてゆこうと決心する。
けじめのために、ふみ子は過去の日記「放浪記」を燃やそうとする。
それをを読んだ手塚は、そのあまりの面白さに雑誌の編集者白木(金井大)に預けてしまう。
白井の情熱に負けて雑誌連載が始まった日記「放浪記」はたちまちにして大評判となり、
あっという間に単行本となった。
しかし、自分たちの事を赤裸々に書かれた両親は怒り出す。
それを知った手塚は、両親を説得、その誠実さに心を開き、ついには納得。
家族間の亀裂はめでたくなくなった。

【解説】

最終週には、過去の回想シーンでほんの少し岸田森が登場するが、新たなシーンはない。
先週までの岸田森のキャラクターが、あまりにも強烈だったために、
東野孝彦の演じる夫、手塚が本当に優しく見えてしまう。



 『放浪記』エピソード解説へ戻る



































inserted by FC2 system