昭和５２年「腐食の構造」

昭和52年10月8日(土)

第１回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	篠田三郎（雨村征男）	岡田裕介（土器屋貞彦）	中島ゆたか	高橋長英
江原真二郎（松尾）	綿引洪	富川澈夫	森秋子	伊藤高
城達也（ナレーター）	奥野匡	近藤ふみ子	柄沢英二	木村修
中村文弥	中屋敷鉄也	河原崎洋夫	山本相時	本田洋子
山形勲（名取竜太郎）	西村晃（本田）	梶芽衣子（冬子）

【物語】

原子力の画期的な研究を成し遂げた小宮山博士が、交通事故を装って殺された。
暗殺首謀者の本田（西村晃）は、秘書の松尾（江原真二郎）に、
小宮山の弟子・雨村（篠田三郎）を抱き込めと命じる。
翌日、博士の死に衝撃を受けた雨村は、友人の、土器屋（岡田裕介）と共に、気分一新のために白馬岳へと登った。
だが、土器屋が山中で道標を逆にひねってしまい、それが元でカップルが転落、女だけが助かる。
カップルは、政界の大物・名取（山形勲）の娘、冬子（梶芽衣子）と兄の一郎だった。
二人は義兄弟で、密かに愛し合っていた。
松尾は雨村を訪ね、道標を曲げたのを目撃した事を告げる。
土器屋が、マンモス商社土器屋産業副社長だったので、スキャンダルを恐れて、道標の事は秘密にしていたのだ。
松尾は執拗に雨宮をつけまわすようになる。

【解説】

森谷司郎監督が担当する第一回。テレビ作品では珍しい、本格的な山岳ロケが見所。
この回には、まだ岸田森は登場していない。

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昭和52年10月15日(土)

第２回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	篠田三郎（雨村征男）	岡田裕介（土器屋貞彦）	夏樹陽子（三杉さゆり）	岸田森（中橋正文）
江原真二郎（松尾）	綿引洪	伊藤高	三宅くにこ	城達也（ナレーター）
篠原大作	近藤ふみ子	飯田テル子	暮林修	岸本功
山形勲（名取竜太郎）	西村晃（本田）	梶芽衣子（冬子）

【物語】

土器屋（岡田裕介）は、自分が一郎を殺した原因を作ってしまった事を隠して、妹の冬子（梶芽衣子）と政略結婚、
また、雨村（篠田三郎）も、助手の久美子（島田陽子）と結婚した。
二人は皮肉にも同じ日、同じ時に結婚式を挙げていた。
原子力の国産化を睨んで、「信和グループ」の本田（西村晃）と、政界の大物、名取（山形勲）が、
雨村を争奪しようと火花を散らしていた。
そのために、同じ研究チームの二人が謎の死を遂げていて、雨村は絶えず脅かされていた。
その頃、冬子は、本田の秘書松尾（江原真二郎）から、
一郎を死んだ原因を作ったのが土器屋だと知ってしまう。
三日後、出張に出た雨村の乗った旅客機が、北アルプス上空で自衛隊機と衝突して墜落、雨村の生存は絶望的だった。

【解説】

岸田森は、かなり謎めいた雰囲気で登場する。
だが、その後直ぐに、
土器屋（岡田裕介）の送り込んだ女さゆり（夏樹陽子）による強引な色仕掛けによって、いきなり陥落してしまう。
それまでの雰囲気は何処に行ったというくらい、コミカルで情けなくなる落差が凄い。
数シーン登場するが、かなり見所は多く面白い芝居を見せる。

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昭和52年10月22日(土)

第３回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	岡田裕介（土器屋貞彦）	夏樹陽子（三杉さゆり）	岸田森（中橋正文）	江原真二郎（松尾）
三宅くにこ	根上淳	伊藤高	平泉征	城達也（ナレーター）
加地健太郎	大羽吾郎	篠原大作	釣利通	西村晃（本田）
梶芽衣子（冬子）

【物語】

久美子（島田陽子）は、母、信乃（三宅くにこ）とともに、急いで墜落現場の黒部渓谷へと駆け付けた。
だが、三日間捜索したにもかかわらず、夫の雨村（篠田三郎）の遺品、遺体だけは発見出来なかった。
その留守中、何者かに久美子の家は荒らされていた。
だが、雨村が大事な物だと預けていったノートは無事だった。
原子力の国産化を睨んで、「信和グループ」の本田（西村晃）と、「土器屋グループ」の暗躍は、より激しくなっていた。
久美子の周りにも、土器屋（岡田裕介）や本田の秘書、松尾（江原真二郎）らが度々現れるようになる。
そんな時、土器屋が殺されてしまう。

【解説】

さゆり（夏樹陽子）に篭絡された中橋（岸田森）は、
土器屋（岡田裕介）に利権を要求されても、打つ手がない。
しかも、上司の高橋次官（根上淳）は、土器屋の敵、信和グループに肩入れしており、窮地に立たされる。
そのために、ホテルで土器屋を殺害、部下に罪を擦り付けて、同時に自分のアリバイも作るという狡猾な作戦を実行する。
知能犯的な作戦で、前回の情けない失態を見事に挽回、逆襲に転じた。
登場シーンは多いが、一つ一つは短い。

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昭和52年10月29日(土)

第４回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	篠田三郎（雨村征男）	小林昭二	大林丈史	綿引洪
三宅くにこ	松田優作（大町・町田）	江原真二郎（松尾）	富田浩太郎	中井啓輔
金井進二	伊藤高	綾川香	入江正徳	城達也（ナレーター）
宮田光	滝波錦司	亀山達也	篠田薫	古葉剛
角谷美佐子	山形勲（名取竜太郎）	西村晃（本田）	梶芽衣子（冬子）

【物語】

殺された土器屋（岡田裕介）を憎んでいた冬子（梶芽衣子）は、土器屋産業の株を手放してしまう。
それが元で、土器屋産業は敵対関係にあった信和グループに吸収合併されてしまった。
だが、これは信和グループの本田（西村晃）と、政界の大物、名取（山形勲）というライバルが、
裏で手を組んで仕組んだことだった。
一方、警察は、原子力研究に関わった人々が次々と死んでいるのを不審に思い始めていた。
まだ夫、雨村（篠田三郎）の死を信じきれない久美子（島田陽子）は、
何か手掛かりがないかと出張先だった新潟を訪ねた。
そこでわかったのは、雨村は妻と名乗る女性と一緒で、
しかも翌日は飛行機には乗らずに特急に乗ったという事だった。
夫に裏切られ、複雑な思いの久美子は、突然命を狙われる。
だが、その危機を、大町（松田優作）と名乗る男が救ってくれた。

【解説】

同じ六月劇場に所属していた松田優作が登場する回。
直接生命を狙われるようになった久美子（島田陽子）を影から助ける大町という役である。
この回には岸田森が出演していない。

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昭和52年11月5日(土)

第５回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	江原真二郎（松尾）	岸田森（中橋正文）	夏樹陽子（三杉さゆり）	小林昭二
大林丈史	綿引洪	三宅くにこ	松田優作（大町・町田）	富田浩太郎
中井啓輔	金井進二	亀山達也	岸野一彦	城達也（ナレーター）
名川貞郎	酒井郷博	大館光信	森なつき	梶芽衣子（冬子）

【物語】

久美子（山本陽子）に危機が迫るたびに、大町（松田優作）が救いに現れた。
久美子は、大町が何者かが判らないということに不安を抱いた。
だが、大町はただ信用してくれとしか言わなかった。
一方、警察当局は土器屋（岡田裕介）殺しの容疑者として、
松尾（江原真二郎）、三杉さゆり（夏樹陽子）、中橋（岸田森）らを追っていた。
その頃、冬子は四谷のホテルに通っている事がわかり、警察が動き出す。
久美子は、直感で冬子は雨村と密会しているのではないかと感じた。
だが、相手は意外にも松尾だった。

【解説】

岸田森は、さゆり（夏樹陽子）とホテルから出てくるところを、警察にマークされるという短いワンシーンのみの出演。
前々回のしたたかな切れ者の面影はまったく無く、
ただ逢引きをして派手に嬉しがっているのを、コミカルな芝居で見せた。
中橋は、この回で、国防省を退職、
土器屋のライバル会社、信和グループに迎えられるという不自然な天下りをして、警察に怪しまれている。

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昭和52年11月12日(土)

第６回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	岸田森（中橋正文）	夏樹陽子（三杉さゆり）	小林昭二	大林丈史
綿引洪	城達也（ナレーター）	松田優作（大町・町田）	江原真二郎（松尾）	富田浩太郎
中井啓輔	金井進二	亀山達也	遠藤重男	町田幸夫
庄野たけし	山形勲（名取竜太郎）	西村晃（本田）	梶芽衣子（冬子）

【物語】

松尾（江原真二郎）は、さゆり（夏樹陽子）とも密会する。
だが、さゆりは中橋（岸田森）と共謀して、松尾を睡眠薬でこん睡状態にして崖から突き落とそうとした。
自分の命が、社長の本田から狙われている事を知った松尾は、姿をくらます。
一方、冬子（梶芽衣子）が信濃大町へと向かったと知った大町（松田優作）は、久美子（山本陽子）と共に追いかけた。
その夜、大町は、自分の正体が町田竜一で、夫の乗っていた飛行機と衝突した、自衛隊機のパイロットだと打ち明けた。
久美子を助けるのも、そのためだと言う。

【解説】

岸田森は、冒頭、さゆり（夏樹陽子）と共に松尾（江原真二郎）を殺害しようとして、
警察に捕まり、取調べでふてぶてしく嘘をつき通す。
こういう演技は、岸田森の独壇場だ。
その後、身に危険を感じて海外逃亡の直前、ガス漏れを装って殺害されてしまう。
活躍シーンは多いが、この回の中盤で番組での出番は終了する。

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昭和52年11月19日(土)

第７回

【出演】

島田陽子（町田久美子）	篠田三郎（雨村征男）	岡田裕介（土器屋貞彦）	岸田森（中橋正文）	夏樹陽子（三杉さゆり）
小林昭二	大林丈史	富田浩太郎	中井啓輔	金井進二
松田優作（大町・町田）	江原真二郎（松尾）	河村弘二	城達也（ナレーター）	平泉征
篠原大作	和田瑞穂	阿保由貴子	梶芽衣子（冬子）

【物語】

冬子（梶芽衣子）は、松尾（江原真二郎）と共に山へ入っていった。
追いかけた町田（松田優作）は、松尾に銃で撃たれ重傷を負う。
だが、松尾も谷底へ転落、死亡する。
冬子は町田に、雨村（篠田三郎）はすでに自殺していると語った。
冬子と雨村は密かに愛し合っていて、それを苦にした心中未遂だった。
だが、それを久美子（島田陽子）に伝える事なく、町田は死んでしまう。
救助された冬子から、久美子は真相を知る。
しかし、何もする事は出来なかった。
その頃、警察は土器屋（岡田裕介）殺しの犯人を松尾と断定していた。
しかし、捜査本部に圧力がかかり事件はうやむやになってしまう。
全てが終わり、新たな生活を始めた久美子の元に、黒部湖から雨村の死体が上がったという連絡がある。
だが、久美子にとっては、もう過去の出来事だった。

【解説】

すべての謎が解明する最終回。
岸田森はクレジットされているが、
出演シーンは前回までに撮影されたシーンを再使用したもので、この回用に撮影されたものはない。

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