【テレビ作品】


昭和52年1月21日(金)


新必殺仕置人

第1話「問答無用」

NETテレビ放映(ABC)  
22時00分〜22時54分(54分)カラー作品
監 督工藤栄一脚 本野上龍雄


【出演】

藤田まこと(中村主水)中村嘉葎雄(己代松)火野正平(正八)中尾ミエ(おてい)河原崎建三(死神)
二宮さよ子(お兼)灰地順(喜平)大林丈史(市郎太)阿藤海(次郎次)島米八(未三)
藤村富美男(元締 虎)井関一(闇の俳諧師)瀬下和久(闇の俳諧師)阿井美千子(闇の俳諧師)藤沢薫(闇の俳諧師)
原聖四郎(闇の俳諧師)堀北幸夫(闇の俳諧師)遠山欽(矢切りの庄兵衛)浜田雅史(書き役)小林加奈枝(おかみ)
松尾勝人(職人)美鷹健児(職人)岸田森(筑波重四郎)菅井きん(せん)白木万理(りつ)
山崎努(念仏の鉄)芥川隆行(ナレーター)   


【物語】

南町奉行所の同心・中村主水(藤田まこと)は、牢破りを未然に防いだ功で、定町廻りに出世していた。
そこに、昔の裏稼業仲間・念仏の鉄(山崎努)から、主水の命が売られたという情報が来る。
初めは信用しなかった主水だが、何回も命を狙われると信じないわけにもゆかず、
鉄の勧めで一時身を隠す事にした。
主水は上役の筑波(岸田森)にだけ居所を明かしていたが、それでも命を狙われる。
主水は、誰が命を狙っていたのかを悟った。


【解説】

『必殺仕掛人』(昭和47年1972)から始まる、必殺シリーズ第10弾。
名作と言われるシリーズ第2弾『必殺仕置人』(昭和48年1973)の続編に当たるシリーズで、
名キャラクター、中村主水(藤田まこと)と念仏の鉄(山崎努)の二人が再会する。
昭和52年1977 1月から全41話放映された。
殺しの依頼は、元締の虎(藤村富美男)率いる「寅の会」で、競売にかけて入札させるというのが面白かった。
元締、虎役の藤村富美男は、元阪神タイガースの選手。
「虎」の名前の由来はここから来ている。
この当時は、野球を引退して、商事会社の部長を務めていた。
必殺シリーズ独特のスタイルは、この作品で完成されたと言っても過言ではないだろう。
ちなみに、サブタイトルは、毎回「〜無用」となっている。


【岸田森の役】

筑波重四郎

南町奉行所の中村主水(藤田まこと)の上司。
囚人の盗んだ金の横領を企むが、事件を再調査しようとする主水が邪魔になり、裏稼業に暗殺を依頼する。
最後は、主水に一刀両断の元に斬り捨てられる。
主水とのラストの立ち合いの迫力はかなりのもの。
結局、この事件が主水に裏稼業への復帰を決意させた。




関連作品

山内久司プロデューサー

魔像・十七の首(昭和44年1969
快刀乱麻 第2話「死と死と人は来ぬか雨」  (昭和48年1973
おしどり右京捕物車 第16話「闇(やみ)」  (昭和49年1974
斬り抜ける(斬り抜ける 俊平ひとり旅)全20話 (昭和49年1974

必殺仕置屋稼業 第12話「一筆啓上魔性が見えた」  (昭和50年1975
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」 (昭和51年1976
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚の宿」  (昭和52年1977
必殺仕事人 第1話「主水の浮気は成功するか」   (昭和54年1979







昭和52年2月14日(月)


新・座頭市

第19話「越後から来た娘」

フジテレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督黒田義之原 作子母沢寛脚 本久貴千賀子下飯坂菊馬


【出演】

勝新太郎(座頭市)ジュディ・オング(おさよ)火野正平(吾市)岸田森(柳田浩之進)楠田薫(おもん)
中台祥浩川浪公次郎出水憲司花岡秀樹美鷹健児
鈴木義章尾沢誠   


【物語】

出稼ぎ人足の吾市(火野正平)会いたさに、越後からおさよ(ジュディ・オング)が旅をしてきた。
家の借金のため、庄屋に妾孝行する前に一目会いたいというのだ。
市(勝新太郎)は、相思相愛の二人を結び付けようと賭場で稼ぎ、それを二人に差し出した。
ところがその金は、豪商春木屋から盗難届が出ていた刻印金だった。
吾市に容疑がかかり、関八州の役人・柳田浩之進(岸田森)の配下に捕まってしまう。
だが、その刻印金には意外な真実があった。


【解説】

座頭市シリーズ3度目の出演。
昭和51年1976  10月4日から始まった『新・座頭市』には、第2話
「父恋い子守唄」にも出演している。
『新・座頭市』全26本のうちに、岸田森は二回も別の役で出演している事になる。
このクライマックス撮影時、勝新太郎の仕込みが岸田森の足に刺さってしまうというアクシデントが起きてしまう。
だが、勝新太郎も岸田森も芝居を止めず、怪我をしたまま最後まで演じ通し、
実際にその時に撮影したものが本編に使われている。


【岸田森の役】

柳田浩之進

関八州の役人。その権力を使い、利権をむさぼる。
賄賂にもらった小判が刻印金だったために、証拠を消すため吾市を犯人に仕立て上げた。
おさよ(ジュディ・オング)に襲い掛かかろうとしている所に、助けにやって来た市(勝新太郎)に斬られる。
地位も権力もある自分が、どこの誰だかわからない市に、あっさり斬り殺されたというショックで、
びっくりしたような表情で死んでゆく芝居が印象的だった。




関連作品

勝プロダクション

座頭市と用心棒 (昭和45年1970
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982

あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984








昭和52年2月15日(火)


破れ傘刀舟 悪人狩り

第125話「ろくでなし」

NETテレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督鹿島章弘脚 本櫻井康裕


【出演】

萬屋錦之介(叶刀舟)桂小金治(仏の半兵衛)真夏竜(榊大介)上原美佐(矢車のお千)江波杏子(稲妻のお蘭)
工藤堅太郎(源之進)岸田森(一馬)大山のぶ代(お新)水原ゆう紀(志乃)北見治一(了海)
梅津栄(古着屋)人見きよし(柏仙)藤山浩一(利蔵)加地健太郎(樋口周蔵)浜田晃(堂上帯刀)
小笠原まり子和久井節緒八幡源太郎川崎徹本田昭夫
馬場雅夫(語り)    


【物語】

お志乃(水原ゆう紀)は、家出した兄を探しに江戸へ来たが、
浪人の源之進(工藤堅太郎)に騙され、岡場所へ売られそうになった。
危機を救った刀舟(萬屋錦之介)は、お志乃が不治の病にかかっており、余命いくばくもないことを見抜く。
お蘭たちはお志乃と兄の一馬(岸田森)を一目会わそうと、必死に行方を探す。
その頃、岡場所の土地を乗っ取ろうという、悪徳商人一味が現れる。
一馬は、そこに用心棒として出入りしていた。


【解説】

八方破れな蘭医・叶刀舟(萬屋錦之介)を主役にした豪快時代劇。
腕のいい医者だが、無外流の居合の達人という設定で、
破れた傘も平気で使うことから、「破れ傘刀舟」と呼ばれている。
テレビでは『子連れ狼』などの深刻な役が多かった萬屋錦之介が、
明るい豪快な役を演じ人気を博し3年間131話が放映された。
「てめぇら人間じゃねえ!たたっ斬ってやる」という、萬屋錦之介の歯切れのよい啖呵は見せ場の一つで、
その後に主演した時代劇シリーズには、タイトルに『破れ…』とつくほどの当たり役となる。


【岸田森の役】

一馬

江戸へ武士になろうと出てくるが、そのまま賭場の用心棒に成り下がってしまっていた「ろくでなし」。
出世のために妹のお志乃(水原ゆう紀)を差出してしまう。だが、妹の死に改心する。




関連作品

破れ奉行 第6話「紀州藩を砲撃せよ」  (昭和52年1977
鬼平犯科帳 第9話「梅雨の湯豆腐」  (昭和57年1982







昭和52年3月20日(日)


桃太郎侍

第24話「鬼奉行を消せ」

日本テレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督田中徳三原 作山手樹一郎脚 本飛鳥ひろし


【出演】

高橋英樹(桃太郎)野川由美子(玉川つばめ)茶川一郎(熊造)玉川スミ(おはる)雷門ケン坊(仙太)
吉本眞由美(おみよ)下之坊正道(ちょろ髭)深江章喜(仁兵ヱ)南条みづ江(お兼)桂小かん(かん平)
岸田森(遠州屋五郎蔵)田中春男(与平)東野英心(政七)小林勝彦(赤不動の弥平次)遠藤真理子(おちか)
国一太郎(亀田)寺島雄作丘路千溝田繁田畑猛雄
出水憲司菊地健一小柳圭子蓑和田良太御木本伸介(笹尾備前守)
中村竹弥(勘助)    


【物語】

ある日、茶屋の娘おちか(遠藤真理子)が、香具師、遠州屋一家の幹部弥太郎(小林勝彦)に乱暴された。
報復を恐れる被害者が訴えないのをよいことに、遠州屋は堂々と暴れ回っていたのだ。
岡っ引きの勘助(中村竹弥)らは、桃太郎(高橋英樹)の力を借りて遠州屋退治を決意した。
それには訴状を出さなくてはならない。
おちかは、自らの身を省みず名乗りでる。
その心意気に、つばめ(野川由美子)らは賛同、訴状は奉行所に出された。
だが、何故か捕らえられた遠州屋の幹部は、すぐに釈放されてしまう。
遠州屋(岸田森)は、南町奉行笹尾備前守(御木本伸介)と結託していたのだ。


【解説】

将軍の御落胤・松平鶴次郎こと桃太郎が、明朗な頭脳と力で事件を解決する勧善懲悪の時代劇シリーズ。
乳母の死を契機に屋敷を飛びだし、通称「お化け長屋」に仲間とともに住み数々の事件に巻き込まれてゆく。
レギュラー出演者は、高橋英樹(桃太郎)、野川由美子(つばめ)、植木等(伊之介)など。
最後に般若の面をかぶって現れ、口上を述べながら群いる悪を斬り捨てるクライマックスが有名だが、
まだシリーズが始まってすぐのこのエピソードでは、このパターンが確立してない頃なので、普通の立ち回りである。
評判も良く、6年間、全258話のロングランシリーズになる。


【岸田森の役】

遠州屋五郎蔵

町奉行、笹尾備前守(御木本伸介)と組んで悪事を働く香具師。
中盤、踏み込んできた役人の前に、全然動ない落ち着き払った態度で、ふてぶてしく登場する。
備前守とは一蓮托生で、町奉行という今の地位に押し上げるために、かなりの裏工作をしている。
盗賊らも匿っており、遠州屋の幹部を助け出すために、代わりに差し出すという冷酷な事も平気でやる。
瞬き一つしないでじっくり喋り、何を考えているのかがわからないような、含みを持たせた演技が印象的だ。
悪事に怒って踏み込んで来た桃太郎に、斬り捨てられる。



関連作品

桃太郎侍 第54話「闇を裂く妖剣」  (昭和52年1977







昭和52年5月10日(火)


破れ奉行

第6話「紀州藩を砲撃せよ」

テレビ朝日  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督鹿島章弘脚 本池田一朗


【出演】

萬屋錦之介(速水右近)大谷直子(おきた)千昌夫(本田敬三郎)島英津夫(石川隼人)下塚誠(皆川久蔵)
藤井貢(稲葉越中守)喜多岡照代(お絹)ラッキー・7(権助/兵六)藤原釜足(石川新兵衛)若林豪(向井将監)
ミヤコ蝶々(おとよ)御木本伸介(浜村頼母)岸田森(黒松安之助)長谷川明男(小暮源太郎)柳生博(紀伊大納言)
松木路子(お園)山岡徹也(正右衛門)木田三千雄(新八)三上左京(辰造)吉田友紀(三太)
曽我廼家一二三(平蔵)加地健太郎猪野剛太郎鬼木泰雄折尾哲郎
阿部昇二羽石誠(ナレーター)   


【物語】

右近(萬屋錦之介)の役宅に、おとよ(ミヤコ蝶々)が少年を連れてきた。
舟人足をしている父が三日も帰ってこないという。
ここ数日、深川界隈の舟人足達が次々と行方不明になっている報告が奉行所に届いていた所だった。
そのころ、敬三郎(千昌夫)は、怪しげな積み荷を積んだ紀州藩の船が、川を上っていくのを見る。
しかし、御三家の一つである紀州藩の船荷あらためを、そう簡単には出来なかった。
実は、紀州藩では藩主の道楽のためだけに、外国から御禁制の短筒を輸入しようとしていたのだ。


【解説】

深川という一種の無法地帯をあずかる、深川奉行の速水右近(萬屋錦之介)が主演の痛快時代劇。
『破れ傘刀舟 悪人狩り』(昭和49年1974)の後番組として放映された『破れ…』シリーズの第2弾。
鯨船で出動し、刺子の長半纏の下にパンタロン風なものをはき、
鋼鉄のかぶり物にマスクという壮絶なスタイルで、白州で裁けない悪を切り倒す。
前作『破れ傘刀舟 悪人狩り』ほど人気は出なかったが、
威勢のいい錦之介の啖呵は相変わらずのシリーズである。39回放映。
右近が出動する時に乗る鯨船はモーターボートを改造したものを使用して、
生田スタジオに大掛かりなセットを組み立てて撮影された。
監督の鹿島章弘は
『破れ傘刀舟 悪人狩り』第125話「ろくでなし」(昭和52年1977)でも岸田森と組んでいる。


【岸田森の役】

黒川安之助

紀州藩根来衆の武士で、藩のために抜け荷をする。しかし、発覚すると、罪を押し付けられて斬り捨てられる。
同じ根来衆の役で共演した長谷川明男のほうがもうけ役だったので、残念ながらあまり岸田森は目立たなかった。


関連作品

破れ傘刀舟 悪人狩り 第125話「ろくでなし」  (昭和52年1977
鬼平犯科帳 第9話「梅雨の湯豆腐」  (昭和57年1982







昭和52年4月4日(月)〜9月19日(月)


華麗なる刑事

第1、4、6、15、24話

フジテレビ放映  
20時00分〜20時54分(54分)カラー作品


【レギュラー】

草刈正雄(高村一平)田中邦衛(南郷五郎)檀ふみ(青井空)沢たまき(園山巡査部長)新克利(田島大作)
加納竜(西沢)佐野浅夫(上条安雄刑事課長)中江真司(ナレーター)  


【解説】

草刈正雄を主役に据え、和製ダーティハリーを目指した東宝製作の刑事ドラマシリーズ。
映画『ダーティハリー』(1971)と同じ拳銃マグナム44を使う
ロス帰りのエリート刑事、高村一平に草刈正雄、
九州男児の刑事・南郷五郎に、田中邦衛が扮する。
最初のうちは『ダーティハリー』と同じくハードアクションを目指していたが、
途中からソフト路線に変更、コミカルな話が多くなった。
アメリカ帰りと九州男児という二人の対照的コンビも面白く、
二人の息のあったアドリブが毎回楽しかった。全32本放映

当時のテレビ雑誌には第22話に「茶碗虫の唄」というタイトルのエピソードが、
プロ野球の雨傘番組として準備されていたことになっている。
だが、このエピソードは現在発売されているDVDには収録されず、全32話となっている。
もしかしたら改題されて現在第22話になっている「嘘つき幸ちゃんの憧れ」となったのかもしれないが、詳しくは判らない。
ここでは混乱をさけるためにDVDや再放送と同じ話数を採用するが、
「茶碗虫の唄」が第22話で放映され全33話だとしたら、それ以降の話数はプラス1話となる。


【岸田森の役】

神来(じんらい)次長

主人公たちが所属する南口警察署と対立する北口警察署の次長で、警視庁のエリート。
主人公達と、何かと対立するという岸田森得意の役どころ。
部下(中井啓輔)と共に上からの目線で嫌味を言うというのが基本的なパターン。
シリーズに対立を持ち込むセミレギュラーとして設定されたが、
北口警察署と南口警察署の対立は、シリーズ後半のソフト化への路線変更であまり描かれなくなり、
全部で5話のみの登場で終わってしまった。




【各エピソード解説】

第1話「月曜日には紅いバラを」 第4話「標的は俺だ」第6話「ピアニストの罠」
第15話 「暴走!父ちゃんのダンプ」第24話 「恐怖のドライブ・イン」 








昭和52年6月11日(土)


大江戸捜査網(第4部)

第296話「仇討ち素浪人秘話」

東京12チャンネル放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督天野恒幸脚 本山崎巌


【出演】

里見浩太朗(伝法寺隼人/音次郎)瑳川哲朗(井坂十蔵)土田早苗(稲妻のお竜)志穂美悦子(風)中村竹弥(内藤勘解由)
岸田森(久門修之助)望月真理子(八重)川合伸旺(千田伯翁)小林勝彦松山照夫
辰馬伸石山雄大林孝一堀田佳久川口節子
桂裕子岸田裕井口義亮甲斐武石崎洋光
柿崎恵至黒沢良(ナレーター)   


【物語】

浪人、岡松が斬殺された。
駆け付けた音次郎(里見浩太朗)は、死体の脇で一人の浪人、久門修之助(岸田森)と出会う。
岡松と修之助は、同郷の道場仲間だったのだ。
音次郎は修之助が下手人と睨む。
だが、岡松の妻、八重(望月真理子)が男達に連れ去られ、売春を強要させられそうになったとき、
修之助が何処からともなく駆け付けて、救い出すのだった。
実は、浪人に士官を持ちかけて、その夫を物盗りの仕業に見せ掛けて殺害、
借金の証文をでっち上げて妻に売春を強要するグループが、裏にいたのだ。


【解説】

岸田森3度目の『大江戸捜査網』ゲスト出演。今回も監督を、天野恒幸が担当。
ただし、前回の
第255話「三味の音は殺しの調べ」(昭和511976年)とは違い、
今回は善人役でゲスト主演。タイトルの「仇討ち素浪人」も、岸田森が演じる修之助の事である。


【岸田森の役】

久門修之助

母の仇である、実の父親であり抜け荷の親玉、千田伯翁(川合伸旺)と対決し、
隠密同心たちの力を借りて仇討ちを遂げる。
千田の手に落ちて難儀していた初恋の人、八重をも助け出し、慕われながらも立ち去ってゆく。
この時期には珍しいほどの儲け役。ラストで死なないのも珍しい。




関連作品

大江戸捜査網

大江戸捜査網(第2部) 第75話 「おふくろ慕情」    (昭和47年1972
大江戸捜査網(第4部) 第255話「三味の音は殺しの調べ」(昭和51年1976








昭和52年6月20日(月)


江戸を斬るV

第23話「男の約束」

TBSテレビ放映  
20時00分〜20時54分(54分)カラー作品
監 督皆川隆之原作/脚本葉村彰子


【出演】

西郷輝彦(遠山金四郎)松坂慶子(おゆき)松山英太郎(次郎吉)和田浩治(佐吉)田村亮(片桐弥平次)
大山のぶ代(咲)遠藤真理子(お千代)日吉としやす鳥巣哲生尾沢誠
小坂和之小笠原剛東田真之春川ますみ(お政)千石規子(うめ)
成田三樹夫(脇坂重蔵)河原崎長一郎(伊八)岡まゆみ(おきく)岸田森(佐々木貞四郎)香川良介(辰己屋宗兵衛)
折原啓子(お松)山本昌平(鉄五郎)中村錦司(原田喜左衛門)永野達雄(脇坂和泉守)波田久夫(北村敬四郎)
小田部通麿(吾平)溝田繁(石出帯刀)島村昌子(お島)寺島雄作(親爺)堀北幸夫
北川俊夫壬生新太郎村居京之輔  


【物語】

伊八(河原崎長一郎)は、兄貴分の鉄五郎(山本昌平)の罪をかぶり、
石原の権蔵(村居京之輔)殺しの犯人として自首した。
金四郎(西郷輝彦)らは身代わりと見抜くが、伊八は自分の仕業と言い張ってしまう。
だが、庇われた鉄五郎は、入牢中家族の面倒を見ると約束しておきながら、
まったく何もしないどころか、妹を売り飛ばそうとまでしていた。
それを知った弥平次(田村亮)は、伊八に真相を語るが頑なに信じない。
真実に気付かせようと、弥平次は、自らが死罪になる危険を冒して、独断で伊八を脱牢させた。


【解説】

名奉行、遠山金四郎(西郷輝彦)が、遊び人の金さんとして町で事件を解決、お白州で裁く痛快時代劇。
『水戸黄門』のオフシーズンに、同じ時間帯で放映され、昭和481973年の第一部(タイトルは『梓右近隠密帳』)以来、全六部放映された。
レギュラーに西郷輝彦、松坂慶子、松山英太郎がいる。
今回の第三部には、鳥居耀蔵一派を倒した金四郎が、南町奉行に就任したところから始まる。
金四郎と対立する役として、功名心のかたまりのような火盗改方、脇坂重蔵(成田三樹夫)が新たに設定され、
金四郎の人情裁きとうまく対比していた。



【岸田森の役】

佐々木貞四郎

火盗改方脇坂重蔵(成田三樹夫)の手下の与力。
脇坂には切れ者と評価されているが、裏では与力という立場を悪用して、辰己屋と組み悪事を働いていた。
最後には、金四郎(西郷輝彦)たちの活躍で悪事がばれ、
上司である脇坂(成田三樹夫)に斬り捨てられる。
終始落ち着いた演技で、存在感のある切れ者の悪役を演じていた。




関連作品

江戸を斬るW   第19話「狙われた死神」 (昭和54年1979








昭和52年8月17日(月)


特捜最前線

第20話「刑事を愛した女」

テレビ朝日放映  
22時00分〜22時54分(54分)カラー作品
監 督村山新治脚 本塙五郎


【出演】

二谷英明(神代警視正)荒木しげる(津上刑事)誠直也(吉野刑事)西田敏行(高杉刑事)大滝秀治(船村刑事)
藤岡弘(櫻井刑事)山口いずみ(北川瑞枝)片桐竜次(黒木)溝口舜亮(北川)波多野憲
日夏紗斗子杉義一片山晃山田光一永谷悟一
山浦栄藤竹修槙ひろ子久米冬太河野洋子
美原亮三長谷川孝村田知栄子大森義夫幸田宗丸(大森)
森山周一郎(ナレーター)松平純子梅津栄岸田森(本田検事) 


【物語】

政界の黒幕、大森(幸田宗丸)の裁判が始まり、
担当する本田検事(岸田森)は、政財界の黒い癒着を断つ好機と考え、意欲的に取り組んだ。
しかし、証人として出廷させようとした黒木(片桐竜次)が、護送中に逃げてしまった。
このために、検察側は、かつて黒木を逮捕した櫻井刑事(藤岡弘)を代理の証人として出廷させる。
櫻井は、黒木逮捕の時拳銃に弾丸が装填されていなかったために、
親友北川を撃たれ、自らも被弾したという過去があった。


【解説】

長寿番組『特別機動捜査隊』の後番組として放映された刑事ドラマ。
神代警視正(二谷英明)のもと、
櫻井警部補(藤岡弘)、船村警部補(大滝秀治)、吉野巡査長(誠直也)、
高杉巡査部長(西田敏行)ら特命課の活躍を描く。
重厚なストーリー展開や、演技派のレギュラー陣などで、根強い人気を誇った社会派のドラマ。
脚本家の作家性がクローズアップされていたのも、番組の特徴だった。
レギュラーは、この後たびたび入れ替わるが、10年間509エピソードも放映される長寿番組となる。
このエピソードは櫻井刑事が主役。
過去に起こった事件の真相が明かされる悲劇的な作品。



【岸田森の役】

本田検事

検察庁のエリート検事。
裁判に勝つためには手段を選ばず、事件を担当していた桜井刑事(藤岡弘)まで逮捕してしまう。
岸田森は、特命課のメンバーを相手に得意の芝居で存在感たっぷりに非情な検事を演じた。
特命課に怒鳴り込んだ時、逆に船村刑事(大滝秀治)にやりこめられるシーンなど、
岸田森の演技力を見せるシーンも数多い。
この時の芝居が好評だったため、後に櫻井刑事の兄役として二回再登場する。




関連作品

特捜最前線 第165話「隣にいた絞殺魔!」      (昭和55年1980
特捜最前線 第194話「判事、ラブホテル密会事件!」 (昭和56年1981







昭和52年10月8日(土)〜11月19日(土)


森村誠一シリーズ「腐蝕の構造」 (蝕の「食」は、旧字体)

全7回

TBSテレビ(MBS)  
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
原 作森村誠一


【解説】

森村誠一原作「腐蝕の構造」のテレビドラマ化。企画は角川春樹事務所、製作は東映が担当。
当時、横溝正史や松本清張という作家主体の作品がヒットしていた流れをついで、森村誠一をとりあげたシリーズ。
この後、森村誠一の原作は、数本がシリーズ化される。
プロデューサーは、作品中でも土器屋を演じている岡田裕介が担当。
この作品が初のテレビプロデュース作品に当たる。
山岳撮影が多いのもこのシリーズの特長で、
第一回の監督は、当時『八甲田山』(昭和52年1977)をヒットさせた森谷司郎が担当。
白馬岳の山岳撮影では、その時の経験が物を言い、緊迫感あふれる作品に仕上げた。



【岸田森の役】

中橋正文

国防庁の二等空佐。新防衛計画の中心人物で、民間に仕事を発注するプランを作る責任者。
名取、土器屋(岡田裕介)に賄賂や色仕掛けで陥落させられる。
だが、結局は愛人のさゆり(夏樹陽子)や松尾(江原真二郎)と共に土器屋を殺害。
信和グループに拾われて重役に納まる。
信和グループのために、邪魔になった松尾を、さゆりと共に殺害しようとして失敗。
身に危険を感じて海外逃亡を図ろうとする寸前、事故に見せかけて殺害されてしまう。
冷徹な役割なのだが、
愛人のさゆりといる時には子供のようにはしゃぐという落差のある役作りが印象的である。
第2回から第7回まで、第4回を除く全5エピソードに出演しているが、
最終回は、前回までの映像を流用しているだけなので、クレジットはされているが実際には出演はしていない。




関連作品

松田優作

海賊(二幕)(昭和44年1969
ひとごろし(昭和51年1976
乱れからくり (昭和54年1979
蘇える金狼 (昭和54年1979
インタビュー 「SHORT INTERVIEW 岸田森」  (昭和54年1979
探偵物語 第13話「或る夜の出来事」  (昭和54年1979



【各エピソード解説】

第1回 第2回第3回 第4回第5回第6回
第7回      








昭和52年10月16日(日)


桃太郎侍

第54話「闇を裂く妖剣」

日本テレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督田中徳三原 作山手樹一郎脚 本加瀬高之


【出演】

高橋英樹(桃太郎)野川由美子(玉川つばめ)茶川一郎(熊造)玉川スミ(おはる)深江章喜(仁兵ヱ)
吉本真由美(おみよ)南条みづ江(お兼)桂小かん(かん平)青木義朗(文七)曽根将之(仙場)
大関優子(お峰)中村錦司(木島)重久剛(久造)黛康太郎(又八)新田章
疋田泰盛大城泰岸田森(市毛左十郎)藤岡琢也(雉の与之助) 


【物語】

釣りをしていた桃太郎(高橋英樹)は、印篭を釣り上げた。
その日から、桃太郎の偽者が出没しだす。
そして、お化け長屋にお峰(大関優子)という娘がを訪ねてくる。
ニセ桃太郎に金を持ち逃げされたのだ。
行くあてのないお峰を、桃太郎は自分の長屋に泊める事にした。
その夜お峰は、印篭を持ち逃げしてしまう。
お峰は兄に頼まれてやむ終えず印篭を盗み出したのだ。
しかし、印篭を渡した直後、兄は何者かに斬り殺されてしまう。
桃太郎は、印篭が近頃連続して起きている辻斬り犯人の持ち物だと睨む。


【解説】

東映製作のロングラン時代劇シリーズ2度目の出演。
『桃太郎侍』は、口上を述べながら群いる敵を斬り殺してゆくのが見せ場の一つ。
前回岸田森が出演していた頃にはまだパターンが完成されていなかったが、
このエピソードではお馴染みの口上と派手な衣裳に般若の面が見られる。
ちなみに、このエピソードでは、岸田森を入れて画面で確認出来る限り
クライマックスに17人(前半に別に8人)斬り捨てている。


【岸田森の役】

市毛佐十郎

五千石の旗本で、数年前まで火付盗賊改をしていた。
刀を集めるようになり、試し斬りのための辻斬りを繰り返すが、
現場に落とした印篭を桃太郎(高橋英樹)に拾われて、それを取り返そうと策略を巡らせる。
最後は、乗り込んできた桃太郎に、一刀両断に斬り捨てられる。
斬られる時の複雑な殺陣が見事だ。


関連作品

桃太郎侍 第24話「鬼奉行を消せ」  (昭和52年1977








昭和52年11月25日(金)


新必殺からくり人

第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚」

テレビ朝日放映(ABC)  
22時00分〜22時54分(54分)カラー作品
監 督工藤栄一脚 本早坂暁


【出演】

近藤正臣(蘭兵衛/高野長英)古今亭志ん朝(噺し家 塩八)ジュディ・オング(小駒)川口晶(あき)岸田森(紋三郎)
倉石功(佐市)西山嘉孝(木曽屋)近江輝子(常)森みつる(女郎)山口幸生(鳥居耀蔵)
浅川美智子(旅の女)島村昌子(尼)佃和美(お勝)緒形拳(安藤広重/ナレーター)岡本隆(多吉)
田中弘史(松五郎)松尾勝人(手代 松吉)和田かつら(女)小林加奈枝(お杉)小野朝美(おつね)
石沢健(男)馬場勝義(大工)岡田英次(蓬莱屋加兵衛)芦屋雁之助(ブラ平)山田五十鈴(泣き節 お艶)


【物語】

お艶(山田五十鈴)一座は、戸塚の宿にやって来た。
そこに、江戸の材木商木曽屋の若女房あき(川口晶)が通り掛かる。
あきは、番頭佐市(倉石功)の手を借りて鎌倉の駆け込み寺に逃げ込む途中だった。
あきが江戸からの追っ手に囲まれた時、お助け紋三郎(岸田森)というヤクザ者がさっそうと現れた。
追っ手を追い払い、鎌倉まで案内し、親切にも入寺の準備のためにと蓬莱屋を紹介してくれる。
あきは、印旛沼干拓事業に食い込みたい木曽屋(西山嘉孝)によって、鳥居耀蔵(山口幸生)へ貢物にされていた。
それを知った蓬莱屋は、木曽屋を強請ろうとする。
しかし、すでに印旛沼の材木を受注した木曽屋にとって、あきは用済みだった。
あきが、女郎屋に売り飛ばされそうになっている事を知ったお艶らは、蓬莱屋に乗り込んだ。


【解説】

必殺シリーズ第11弾。
安藤広重(緒形拳)の描いた名画「東海道五十三次」に描き込まれた悪事を解明し、
江戸から京都までの殺し旅に出る天保太夫一座の座長、お艶(山田五十鈴)らの活躍を描く。
中村主水が主役のシリーズ『新必殺仕置人』(昭和521977年)と『必殺商売人』(昭和531978年)の合間に作られた作品。
13話放映。
『必殺からくり人』(昭和511976年)と同じ早坂暁をメインライターに迎え、
安藤広重の版画を元にした展開や、天保太夫一座に転がり込んできた蘭兵衛(近藤正臣)が、実は蛮社の獄を逃れてきた高野長英だったりと、
独特な虚実織り交ぜたシリーズ展開を見せた。
また『必殺からくり人』からメインキャストをスライドさせ、
ファンを喜ばせたが、ストーリー的には繋がりはない。
毎回、各宿場を舞台にするという構成をとっているので、変化に富んだ物語を展開、
印象的な最終回も忘れられないシリーズである。


【岸田森の役】

お助け紋三郎

お助け紋三郎と慕われているヤクザ者。
裏では蓬莱屋(岡田英次)と手を組み、悪事を働く。
まるで芝居のように現れて、駆け込み寺に行こうとする女の前に現れ、
助けるふりをして売り飛ばしてしまうという極悪非道な男。
悪事を知ったお艶(山田五十鈴)によって、売り飛ばした女たちの真っ只中に置き去りにされ、
無惨にも惨殺されてしまう。


関連作品

山内久司

魔像・十七の首(昭和44年1969
快刀乱麻 第2話「死と死と人は来ぬか雨」  (昭和48年1973
おしどり右京捕物車 第16話「闇(やみ)」  (昭和49年1974
斬り抜ける(斬り抜ける 俊平ひとり旅)全20話 (昭和49年1974

必殺仕置屋稼業 第12話「一筆啓上魔性が見えた」  (昭和50年1975
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」 (昭和51年1976
新必殺仕置人  第1話 「問答無用」       (昭和52年1977
必殺仕事人 第1話「主水の浮気は成功するか」   (昭和54年1979


早坂暁

愛しの太陽 (昭和41年1966
真田幸村(昭和41年1966
契りきな(昭和44年1969
浮世絵女ねずみ小僧 第2話「霧の夜の襲撃」(昭和46年1971
天下堂々  全47話 (昭和48年1973
斬り抜ける 俊平ひとり旅 第13話「あなたが欲しい」(昭和49年1974
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」(昭和51年1976
南海放送創立25周年記念番組 わが兄はホトトギス(昭和53年1978
ドラマ人間模様 新事件 わが歌は花いちもんめ 全5回(昭和56年1981








昭和52年12月18日(日)


NTV日曜スペシャル

「ドキュメンタリードラマ 太平洋の生還者」

日本テレビ放映  
14時15分〜15時45分(90分)カラー作品
演 出倉内均原 作上前淳一脚 本山元清多


【出演】

小池雄介(落下傘)小松方正(幡さん)岸田森(北川)串田和美(田崎)清水?治(右門)
高橋長英(ハカセ)村松克己(ドクター)冷泉公裕(ウォッチェ)服部良次(キラ)笹野高史(ゴンちゃん)
丸森昭夫(東)斉藤晴彦(斉藤)青木隆治・アツ子夫妻(本人出演)オーティス・ケリー(本人出演)


【物語】

昭和49年8月30日、三菱重工ビルで時限爆弾が爆発した。
警備員だった“落下傘”(小池雄介)は、現場に駆け付ける短い一瞬のうちに、若い日の戦争の記憶がよみがえる。
昭和19年11月、サイパン島で、“落下傘”は米兵に捕まり捕虜となった。
“落下傘”が収容されたハワイ・オアフ島にあるイロコア・ポイント捕虜収容所は、
捕虜たちから日本の情報を収集することが目的の収容所だった。
その中でも“落下傘”、幡さん(小松方正)、北川(岸田森)ら一風変わった人々が一個所に集められた。
そして、日本向けの壁新聞や新聞、ビラを作ることになる。それは日本へ早期の降伏を呼び掛けるものだった。
捕虜生活で、米軍の強さを認識した彼らは、一日も早く戦争を終わらせようと作業に没頭する…


【解説】

大宅壮一ノンフィクション賞を受けた上前淳一郎著「太平洋の生還者」のセミ・ドラマ化。
第二次世界大戦末期に、日本軍降伏勧告作戦に協力した捕虜がいたという秘話を扱ったもので、
当時の生存者の証言なども採り入れながらドラマ化されている。
終戦直前に日本にばら撒かれた彼らの作ったビラは天皇にまで報告され、終戦の決定にも一役かった。
登場人物が主役の“落下傘”のようにあだ名で呼ばれている人物が多く登場、
ノンフィクションでありながらフィクション性を強調しているのもユニークなドラマだ。
生存者の証言だけに、微妙な問題も多く、慎重に製作され、ハワイ現地ロケも行われている。


【岸田森の役】

北川

“落下傘”“幡さん”らと共に、日本向けのビラ作成を行う日本人捕虜。
東京の新聞社で働いており、グァム島アガト湾で米軍に包囲され投降。陸軍兵長だった。
知的で冷静で、収容所生活の間、ハワイ大学の図書館から本を借りて読みふけっている。
自らを第三者の目線で見られるバランス感覚を持ち、日本向けのビラ作成に参加する。



関連作品

山元清多

海賊(二幕) (昭和44年1969
帰ってきたウルトラマン 第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」(昭和46年1971
ウルトラマンA(エース)第47話「山椒魚の呪い!」  (昭和48年1973 (「昭和47年声の仕事」ページに収録)
夜のミステリー(江戸川乱歩短編ドラマ)(昭和51年1976
夜のミステリー(深夜版)第11話「連動」(昭和52年1977
ドラマ「下駄の上の卵」  (昭和56年1981
特別番組「普陀洛の岸辺」  (昭和56年1981
































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