【テレビ作品】




昭和46年4月2日(金)〜12月17日(金)放映


帰ってきたウルトラマン

第1話〜第37話(第38話)


TBSテレビ毎週金曜日放映
19時00分〜19時30分(30分)カラー作品



【出演】

団次郎(郷秀樹)塚本信夫(加藤隊長)根上淳(伊吹隊長)池田駿介(南隊員)西田健(岸田隊員)
三井恒(上野隊員)桂木美加(丘隊員)榊原るみ(坂田アキ)川口英樹(坂田次郎)岸田森(坂田健)
菊池英一(ウルトラマン)名古屋章(ナレーター)   


【解説】


昭和46年1971 に放映された円谷プロ製作のウルトラシリーズ第3弾。
昭和46年1971 1月に放映が開始された『宇宙猿人ゴリ』が火付け役となった
第2期怪獣ブームの真打ち的シリーズ。
ウルトラマンに変身するのは、当時コマーシャルなどで人気があったモデルの団次郎。
青春ドラマなどで人気のヒロイン榊原るみを恋人役に迎え、
怪獣攻撃隊MATの物語と共に、郷の私生活も描こうとしたところが新しい試みだった。

ドラマは初期のうち、ウルトラマンの力を偶然持つことになってしまった郷の苦悩と、
隊員達の人間ドラマに絞られ、地味な印象が強い。
しかし、後半はビジュアルな面を強化し、
隊長を交替させたりウルトラ兄弟という設定を作りだしたりと、派手な展開を見せた。



【岸田森の役】

坂田健

郷(団次郎)が兄と慕う自動車修理工場の経営者。
アキ(榊原るみ)の兄で、以前は優秀なレーサーだったが、
5年前に事故を起こして片足を痛めて以来いつも杖をついている。
レーサーの夢を捨てきれず、その夢を郷にたくす。

最初の頃は、郷の成長がテーマになっていたので師として大活躍したが、
その後は家族団欒のシーンで存在感を示すことになる。
登場話数は1〜8、14〜17、19、23、26、28、29、30、34〜37話の37話中22話。
岸田森は、第35話
「残酷!光怪獣プリズ魔」で脚本を書いている。

2008年に公開された映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では、パラレルワールドが舞台となっていて、
なんと郷がアキと結婚、坂田モータースのオーナーとなり、
まだ流星一号の完成を目指している姿が描かれた。
工場の事務所には、ちゃんと坂田(岸田森)の写真が飾られているのがうれしかった。


関連作品

円谷プロ作品

怪奇大作戦 全26話 (昭和43年1968
帰ってきたウルトラマン(映画) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖 (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」(脚本) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 次郎くん怪獣にのる (昭和47年1972
ウルトラマンA 全52話 (昭和47年1972
ファイヤーマン 全30話 (昭和48年1973
ファイヤーマン 第12話「地球はロボットの墓場」(脚本) (昭和48年1973
「怪獣供養祭」司会 (昭和48年1973
恐竜戦隊コセイドン 第29話「コセイドン緊急出動 果しなき戦い」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」(昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
火曜サスペンス劇場「乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件」 (昭和57年1982
火曜サスペンス劇場 「可愛い悪魔」(昭和57年1982
ウルトラマンA「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」(平成元年1989

「リメンバー!!怪奇大作戦 岸田森・昼下がりのインタビュー!!」(昭和54年1979
空想特撮の名バイプレイヤー 岸田森インタビュー(昭和54年1979





【各エピソード解説】

第1話「怪獣総進撃」第2話「タッコング大逆襲」第3話「恐怖の怪獣魔境」
第4話 「必殺!流星キック」第5話 「二大怪獣東京を襲撃」第6話「決戦!怪獣対マット」
第7話「怪獣レインボー作戦」第8話「怪獣時限爆弾」第9話「怪獣島SOS」
第10話 「恐竜爆破指令」第11話 「毒ガス怪獣出現」第12話「怪獣シュガロンの復讐」
第13話「津波怪獣の恐怖 東京大ピンチ!」第14話「二大怪獣の恐怖 東京大龍巻」第15話「怪獣少年の復讐」
第16話「大怪鳥テロチルスの謎」第17話「怪鳥テロチルス東京大空爆」第18話「ウルトラセブン参上!」
第19話「宇宙から来た透明大怪獣」第20話「怪獣は宇宙の流れ星」第21話「怪獣チャンネル」
第22話「この怪獣は俺が殺(や)る」第23話「暗黒怪獣星を吐け!」第24話「戦慄!マンション怪獣誕生」
第25話「ふるさと地球を去る」第26話「怪奇!殺人甲虫事件」第27話「この一発で地獄へ行け!」
第28話「ウルトラ特攻大作戦」第29話「次郎くん怪獣に乗る」第30話「呪いの骨神オクスター」
第31話「悪魔と天使の間に…」第32話「落日の決闘」第33話「怪獣使いと少年」
第34話「許されざるいのち」第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」第36話「夜を蹴ちらせ」
第37話「ウルトラマン夕陽に死す」第38話「ウルトラの星光る時」 






昭和46年7月16日(金)放映


ザ・カードマン

第327話「セックス解放の海!真夏の殺人」



TBSテレビ 
21時30分〜22時26分(56分)カラー作品
監 督小西通雄脚 本山浦弘靖清水啓司


【出演】

春川ますみ(春美)岸田森(信也)平泉征(栄次)大橋一元(勉)当銀長太郎(忠夫)
河村祐三子丸山修戸沢裕介喜多大八梶原譲二
平野健津田駿木島進介甲斐弘子和光ミキ
宇津井健(高倉キャップ)神山繁(榊隊員)倉石功(杉井隊員)稲葉義男(吉田隊員)川津祐介(荒木隊員)
藤巻潤(清水隊員)中条静夫(小森隊員)芥川隆行(ナレーター)  


【物語】


ガードマンの荒木(川津祐介)、杉井(倉石功)は
月に一度、カーフェリーで缶詰工場に社員の給料を運んでいた。
ある日、運送の途中でアクアラングを着けた三人組に、現金九千万円の給料を奪われてしまう。
荒木は、三人組の漁師が怪しいとにらんで近づいた。
だが、漁師たち忠夫(当銀長太郎)と勉(大橋一元)が何者かに次々と殺され、
しかも九千万円も消えてしまう。
村には、何者かに強姦されて半殺しの目にあい、気が狂った麻子がいた。
一人残った漁師、栄次(平泉征)は、麻子が怪しいと後をつけると、
そこには現金と共に、春美(春川ますみ)と信也(岸田森)がいた。


【解説】


『ザ・ガードマン』2度目の出演。
「セックス解放の海…」という扇情的なタイトルがついているが、
仮題は「雨の日にみんな死ぬ」というおとなしいタイトル。
雨が降り止まない梅雨に、陰鬱な殺人が連続して起きる。
前回登場した昭和43年の
エピソードとは、世相を反映してかなり雰囲気が違う。
こういう変化は、ロングランシリーズならではだ。
『ザ・ガードマン』は、この年、昭和46年いっぱいで6年8ヶ月の歴史を閉じる。


【岸田森の役】

信也

現金を強奪した三人組のリーダー忠夫(当銀長太郎)の幼なじみ。
休暇に故郷の漁村へ戻り、村でスナックを開いている春美(春川ますみ)に結婚を申し込む。
そして、春美の妹麻子を犯した忠夫たちへの復讐に、手を貸す事になる。
大学出のインテリで、東京の一流会社のサラリーマンとして勤めている。
実は会社の金を使い込んで首になり、村に舞い戻ってきた。
麻子を強姦して、水上スキーのボードで殴り続け半殺しの目に合わせた張本人。
その姉に結婚を申し込んでしまうという、かなりの極悪人。
最初はインテリの好青年風だが、過去のシーンでは短髪姿で登場、時間経過を表していた。
無表情で狂ったように麻子を殴り続ける、豹変振りを見せる凄まじい演技はさすが岸田森ならでは。



関連作品


ザ・ガードマン 第146話「俺の鎖をといてくれ」(昭和43年1968

秘密指令883(ハヤミ) 第17話「栄光の甘い香り」(昭和43年1968
24時間の男  第2話「ボクサーと五円玉」 (昭和47年1972








昭和46年10月9日(土)放映


浮世絵女ねずみ小僧

第2話「霧の夜の襲撃」



フジテレビ放映 
22時30分〜23時26分(56分)カラー作品
監 督石川義寛原 案早坂暁脚 本大津晧


【出演】

小川真由美(お京)田中邦衛(留吉)岸田森(後藤三右ヱ門光享)草野大悟桜井浩子(お千代)
新井純沢宏美(おひさ)下川辰平石川博遠藤剛
田畑孝中吉卓郎山崎直衛園田裕久山田貴光
幡川泰一野村隆加原武門寺島康宏田沼宏文
原恵子    


【物語】


大江戸八百八町に辻斬りが続出。
犠牲者は28人にも及んだ。
これほど多くの人間が殺されているにもかかわらず、町奉行は一向に動こうとしない。
不審に思ったお京(小川真由美)が動きだそうとした矢先、
留吉(田中邦衛)の弟分、鳥之助も、腕やすねにやけどを負って殺された。
お京がつきとめた辻斬りの犯人達は、日本橋本町の金座に消える。
金座といえば、勘定奉行小栗の管轄だ。
裏に何かあるとにらんだお京は、ねずみ小僧に変身。金座に潜入する。
そこでお京は、座敷牢に閉じ込められている後藤三右ヱ門光享(岸田森)と出会う。


【解説】


幕府の圧制に苦しめられていた町人達の救いの神、義賊ねずみ小僧が女だったらという奇想天外な発想のシリーズ。
昼は常磐津の師匠お京、夜は義賊ねずみ小僧を演じるのは小川真由美。
自分こそ本家ねずみ小僧だと主張する男を、田中邦衛が演じている。
小川真由美のアクションが受け視聴率を稼ぎ、13回で終了した半年後、
再び同じキャストで新シリーズが制作され、このエピソードの
続編が放映されている。
ちなみに、この「霧の夜の襲撃」が放映された直後、本当に東京で一万円札をばらまく事件が起き、
「昭和のねずみ小僧」と番組共々話題になった。

ねずみ小僧が女だったという物語のヒントは、
岸田森たちが所属していた「演劇センター68/69」での公演『鼠小僧次郎吉』で小川真由美が演じた女鼠小僧からだと、
後年書かれた「おかしな時代『ワンダー・ランド』と黒テントへの日々」(津野海太郎著 本の雑誌社刊)に書かれている。


【岸田森の役】

後藤三右ヱ門光享


金座改め方。
先祖代々この役目についていたが、勘定奉行小栗相模守のために座敷牢に閉じ込められてしまう。
小栗は質の悪い金貨を造ろうとしたが、
ねずみ(小川真由美)たちの活躍で失敗する。
だが、後藤は結局罪を着せられ、江戸よりひっそりと旅立ってゆく。


関連作品


浮世絵女ねずみ小僧(第2部) 第8話「続 霧の夜の襲撃」(昭和47年1972


早坂暁

愛しの太陽 (昭和41年1966
真田幸村(昭和41年1966
契りきな(昭和44年1969
天下堂々  全47話 (昭和48年1973
斬り抜ける 俊平ひとり旅 第13話「あなたが欲しい」(昭和49年1974
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」(昭和51年1976
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚」(昭和52年1977
南海放送創立25周年記念番組 わが兄はホトトギス(昭和53年1978
ドラマ人間模様 新事件 わが歌は花いちもんめ 全5回(昭和56年1981









昭和46年10月28日(木)、11月4日(木)放映


池波正太郎捕物シリーズ 鬼平犯科帳(第2次制作分)

第4,5話「狐火(前後篇)」



NETテレビ放映 
22時00分〜22時56分(56分)カラー作品
監 督田中徳三原 作池波正太郎脚 本野上龍雄


【出演】

松本幸四郎(長谷川平蔵)竜崎勝(酒井祐助)古今亭志ん朝(木村忠吾)富士真奈美(おまさ)風見章子(久栄)
堺左千夫(伊三次)武田昌之(竹内孫四郎)北川陽一郎(山崎国之進)河村憲一郎(彦十)小高まさる
大坪日出代佐代雅美田村元治渡真司藤岡重慶(庄七)
浮田左武郎(勇五郎)白石奈緒美(お千)浜村純(源七)江見俊太郎(河内伝内)岸田森(又太郎)
草野大悟(文吉)    


【物語】


薬種問屋が襲われ、一家十数人が惨殺される。
現場には狐火の絵札が貼られていたことから、
東海道から上方にかけて出没した狐火一家の仕業と考えられた。
しかし、狐火一家には昔から「盗みはしても殺しはするな、女は犯すな」という鉄の規律があったはずだ。
長谷川平蔵(松本幸四郎)の密偵おまさ(富士真奈美)は、元狐火一家だった。
だが、狐火一家の二代目、又太郎(岸田森)と恋仲になってしまったために追放された過去があった。
おまさは、この凶行が又太郎のものでないことを祈り、平蔵に隠れて探索をはじめる。
そして、ついに又太郎と出会う。
おまさは、十年ぶりに出会った又太郎に溺れてゆく。
鬼平の恩に生きるか、又太郎との愛に生きるか、おまさは女の業の深さに悩んだ。


【解説】


盗賊達から鬼の平蔵と恐れられる火付盗賊改、長谷川平蔵(松本幸四郎)の活躍を描く
池波正太郎原作の大ヒットシリーズ。
昭和44年(1969)の初放映以来、
松本幸四郎、丹波哲郎、萬屋錦之介、中村吉右衛門が主役でシリーズが製作されている人気番組だ。

このエピソードは、第2次制作分の第4・5話で、初放映からの通算では69・70話に当たる。
放送時間が数ある鬼平シリーズの中でも、このシリーズのみ夜の10時台という深夜に放映されていた。
そのため濡れ場などの描写が多く、岸田森と富士真奈美の体当たりのラブシーンが、当時話題になっている。


【岸田森の役】

又太郎


盗賊、狐火一家の二代目。
先代が守り通した盗賊の三ケ条を守り通すが、腹違いの弟、文吉(草野大悟)が二代目を勝手に名乗り、
残忍な押し込みをするようになったために、説得をしようとする。
文吉を斬り捨てた後、長谷川平蔵(松本幸四郎)に自首
腕を斬り飛ばされただけで見逃される。
その後、京へ行き、おまさ(富士真奈美)と幸せに所帯を持つが、病死してしまう。
六月劇場の盟友、草野大悟との本格的な共演作品。
粗野な弟役の草野大悟と、知的な兄の岸田森というのは、実に絶妙な配役だ。


関連作品

鬼平犯科帳

池波正太郎捕物シリーズ 鬼平犯科帳 第46話「しかえし」 (昭和45年1970
鬼平犯科帳(第6次制作分)第9話「梅雨の湯豆腐」(昭和57年1982







昭和46年11月1日(月)〜12月31日(金)放映


真実一路

全45回



TBSテレビ毎週月曜日〜金曜日放映
13時00分〜13時30分(30分)カラー作品
監 督鈴木英夫原 作山本有三脚 本中井津夫



【出演】

林美智子(大沢むつ子)松本克平(大沢礼之介)川上夏枝(大沢つや子)織本順吉(守川義平)沢久美子(しず子)
斉藤信也(義夫)岸田森(隅田恭輔)川久保潔(ナレーター)  


【解説】


山本有三の同名小説を、現代に置き換えて「花王愛の劇場」枠で帯ドラマ化。
周りから見ればふしだらに見えるが、自分は真実の愛に生きているという
ヒロインむつ子(林美智子)の半生にスポットを当てる。

「真実一路」は、戦後数回、映画やテレビ化された人気作品である。



【岸田森の役】


隅田恭輔

むつ子(林美智子)の愛人。
明せきな頭脳を持ち、教員として大学に迎えられるほどだが、現実の生活への適応力がない。
むつ子が面倒を見るので頼り切ってしまう。
最後には原稿盗用事件を起こし、むつ子に示談金を用立ててもらうことになる。





【各エピソード解説】

第1週第2週第3週
第4週 第5週第6週
第7週第8週第9週





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