【脚本】


昭和46年12月3日(金)


帰ってきたウルトラマン

第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」


TBSテレビ放映 
19時00分〜19時30分(30分)カラー作品
監 督山際永三脚 本朱川審


【出演】

団次郎(郷秀樹)根上淳(伊吹隊長)池田駿介(南隊員)西田健(岸田隊員)三井恒(上野隊員)
桂木美加(丘隊員)榊原るみ(坂田アキ)川口英樹(坂田次郎)岸田森(坂田健)飯沼慧
玉井碧エフ・ボサート遠矢孝信菊池英一(ウルトラマン)名古屋章(ナレーター)


【物語】

灯台や船舶が消滅する事件が多発する。
何かの予感を感じた坂田(岸田森)と郷(団次郎)は、事件がだんだんと日本に近づいてくる事に気づき、
次の襲撃地点と予想される、とある灯台へと向かう。
夜中、そこに現れたのは、何でも光に変えて吸収してしまう怪獣プリズ魔だった。
怪獣は、灯台の光に引き寄せられていたのだ。
灯台の光を吸収しつくしたプリズ魔は、今度は坂田達の車のヘッドライトに引き寄せられる。
その危機に、ウルトラマンが登場した。
しかし、光が凝縮して構成されているプリズ魔に、さすがのウルトラマンも歯が立たない。
翌日、MATは東京中の明かりを全て消し、照明を使って野球場へとプリズ魔をおびき寄せ、凍らせようとする。
だが、MATのチームが危機に陥った時、再びウルトラマンが登場、
今度はプリズ魔の体内に飛び込み、内側から破壊する事に成功した。


【解説】

岸田森が、始めて手掛けた脚本。
朱川審(あけがわしん)のペンネームで書かれている。
審という名前は、岸田森によると、生まれたときに名付けられそうになった名前だったと後に語っている。
冒頭の、次郎(川口英樹)にプリズムを使っての実験を見せるところから、独特なテンポでストーリーが展開してゆく。
視覚的なイメージを中心に物語が構成されており、
光となって消えて行く目撃者や、光の渦の中で戦うウルトラマン、
オーロラとともに現われる光を凝縮した怪獣プリズ魔等、実に非凡な感性を見せる。
オーロラを不思議だと思ったという事が、この話を書こうと思ったきっかけだと言うが、
その視覚的な思い付きが、脚本に良く生かされている。
円谷プロダクションのスタッフ達も、岸田森のイメージを、タイトな製作条件にも関らず工夫を凝らして映像化した。
また、サスペンスの盛り上げ方も、初めて書かれた脚本とは思えないほどにうまく出来ている。
対象年齢が
『帰ってきたウルトラマン』の視聴者層よりも、
多少高めに設定されているような印象を受けたるエピソードだ。


関連作品

雑誌記事 岸田森“自作自演”に“文才”発揮 脚本も“ウルトラ”級?(昭和46年1971
雑誌記事 あのネ TBSテレビ 帰ってきたウルトラマン(昭和46年1971
雑誌記事 岸田森が脚本を執筆(昭和46年1971


円谷プロ作品

怪奇大作戦 全26話 (昭和43年1968
帰ってきたウルトラマン 1話〜37話(昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン(映画) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖 (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 次郎くん怪獣にのる (昭和47年1972
ウルトラマンA 全52話 (昭和47年1972
ファイヤーマン 全30話 (昭和48年1973
ファイヤーマン 第12話「地球はロボットの墓場」(脚本) (昭和48年1973
「怪獣供養祭」司会 (昭和48年1973
恐竜戦隊コセイドン 第29話「コセイドン緊急出動 果しなき戦い」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」(昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
火曜サスペンス劇場「乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件」 (昭和57年1982
火曜サスペンス劇場 「可愛い悪魔」(昭和57年1982
ウルトラマンA「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」(平成元年1989

「リメンバー!!怪奇大作戦 岸田森・昼下がりのインタビュー!!」(昭和54年1979
空想特撮の名バイプレイヤー 岸田森インタビュー(昭和54年1979


山元清多

海賊(二幕) (昭和44年1969
ウルトラマンA(エース)第47話「山椒魚の呪い!」  (昭和48年1973 (「昭和47年声の仕事」ページに収録)
「ドキュメンタリードラマ 太平洋の生還者」    (昭和51年1976
夜のミステリー(江戸川乱歩短編ドラマ)(昭和51年1976
夜のミステリー(深夜版)第11話「連動」(昭和52年1977
ドラマ「下駄の上の卵」  (昭和56年1981
特別番組「普陀洛の岸辺」  (昭和56年1981




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