【テレビ作品】


昭和54年1月4日(日)〜12月23日(日)放映


草燃える 全51話


NHK総合毎週日曜日放映
20時00分〜20時45分(45分)
(第1話のみ、20時00分〜20時50分(50分))
カラー作品
原 作永井路子


【解説】


鎌倉幕府の創始者、源頼朝(石坂浩二)と、その周辺の人々を描くNHK大河ドラマ第17作目。
今まで大河ドラマで好んで題材に採り上げられてきた戦国時代の、その直前の時代を描く意欲作である。
当時、大河ドラマは視聴者から飽きられ来て、新たな方向性を模索している時期だった。
前作の昭和531978 年度大河ドラマ『黄金の日々』は、
戦国時代の海外における日本という、少し捻った視点で物語を描き出して、好視聴率を上げていた。
それを受けた『草燃える』は、セリフを全て現代語で描くという冒険を行い、飽きの来た視聴者を繋ぎ留めようと試みている。
これは、永井路子の原作でもそうだが、脚本の中島丈博が、時代劇初執筆だったという事もある。
この試みは、始めのうちは下品だと非難を浴びたが、
話が進むうちに好評を博すようになり、後の大河ドラマにも影響を与えてゆく。
また、主役は、大河ドラマ史上初めての女性であった。
政子の周辺人物を一種のホームドラマのように描いており、主婦に人気がでて、
この流れは、翌年の大河ドラマ第19作『おんな太閤記』へと受け継がれた。


【岸田森の役】

大江広元(おおえのひろもと)

元は公家だったが、都に見切りをつけて鎌倉へやって来た。
京にいた時には、太政官の書記を務めており、政務にも明るく朝廷でのことは知り抜いている。
そのために、京にとっては非常にやっかいな人物でもある。
頼朝(石坂浩二)を初め、歴代将軍の相談役としても重宝されるが、
物静かな割にはたまに言う意見が非常に過激で、将軍すら驚いてしまうの事がある。
承久の乱で、鎌倉方が京に攻られようとする時には、
高齢であるのを物とせず逆に京へ攻め上ることを提言、「お行きなさい」と決断を促すのも広元だった。
岸田森は、このラストのセリフを言うのが楽しみで、最終回を待ち焦がれていたということだ。
18〜26話、30〜33話、35話、38話、39話、43〜45話、47話、49〜51話の、計23話に出演。

関連作品

源義経 第1話〜第4話 (昭和411966 年)
元禄太平記 第43話、第51話 (昭和501975 年)




【各エピソード解説】

第1話「蛭が小島の流人」 第2話「恋文」第3話「二人義経」
第4話「政子略奪」第5話「婿殿、舅殿」第6話「密使は走る」
第7話「頼朝起つ」第8話「石橋山の合戦」第9話「頼朝再起」
第10話「鎌倉へ」 第11話「兄の涙 弟の涙」第12話「飢餓亡者」
第13話「若君誕生」第14話「政子狂乱」 第15話「愛のかたみ」
第16話「人質」第17話「義経出陣」第18話「亀裂」
第19話「京の白拍子」第20話「壇の浦」第21話「義経凱旋」
第22話「鎌倉の刺客」第23話「都の盗賊たち」 第24話「静の舞」
第25話「頼朝上洛」第26話「法皇崩御」第27話「義時の妻」
第28話「富士の巻狩」第29話「曽我兄弟」第30話「大姫錯乱」
第31話「黒いつむじ風」第32話「頼朝の死」第33話「姫君毒殺」
第34話「頼家乱行」第35話「梶原景時の滅亡」第36話「悪禅師全成」
第37話「北条の陰謀」第38話「比企滅亡」第39話「頼家追放」
第40話「修禅寺」第41話「華燭」第42話「畠山討伐」
第43話「父と子」第44話「後鳥羽院頌歌(しょうか)」第45話「小夜菊」
第46話「和田合戦」第47話「幻の船」第48話「船霊(ふなだま)」
第49話「実朝暗殺」第50話「三浦義村の策謀」第51話「承久の乱」(最終回)






昭和54年1月19日(金)


恐竜戦隊コセイドン

第29話「コセイドン緊急出動 果しなき戦い」


東京12チャンネル放映  
19時30分〜20時00分(30分)カラー作品
監 督外山徹脚 本辻真先


【出演】

大西徹也(トキ・ゴウ)村野菜々美(アルタシア)内藤進(ビックラジィー)萩原紀(ギギ)和気ますみ(女性所員)
岸田森(荻村博士)三景啓司(ヒムガシ・テツ)佐藤蛾次郎(モリ・モリイ)草野大悟(バンノ・チカラ)矢田稔(ビッグラジィーの声)
古川登志夫(ナレーター)    


【物語】

時間工学の権威、荻村博士(岸田森)が、白亜紀に違法タイムトラベルを行った。
白亜紀にある「ギギ」という鉱石を使い、白亜紀にロボットだけの国を作ろうとしていたのだ。
しかも、タイムフリーザーという危険な武器まで持っている。
コセイドン隊は、直ちに白亜紀に向かった。


【解説】

円谷プロダクションが東京12チャンネルで製作した「恐竜シリーズ」第3弾。
昭和531978 年7月7日〜昭和541979 年6月29日まで、52話放映された。
21世紀、テレサ星の王女アルタシア姫(村野奈々美)を追って、地球の白亜紀にやって来たゴドメス星人が恐竜を虐殺。
歴史が変わることを阻止するために、バンノ・チカラ(草野大悟)隊長以下5人のタイムGメン・コセイドン隊が、
白亜紀でゴドメス星人と戦う。
隊員の一人、ゴウ(大西徹也)は、ファイタス1号の人間大砲から撃ちだされることにより、コセイダーとなって敵と戦う。
今までのシリーズ『恐竜探検隊ボーンフリー』(昭和511976 年〜昭和521977 年)
『恐竜大戦争アイゼンボーグ』(昭和521977 年〜531978 年)は、
モデルアニメを使用したり、セルアニメーションを駆使して、恐竜をメインとしてて登場させる、意欲的な作品を発表した。
しかし、第3弾の本作は、映画『スター・ウォーズ』(1977)の影響をまともに受け特撮がメインとなった。
「…果てしなき戦い」という、内容と関係のないサブタイトルなのは、
1話前の第28話で、初回からの敵ゴドメス星人が全滅し、新たなシリーズに突入したため。


【岸田森の役】

荻村博士

時間工学の権威で、人間よりロボットの方が優れているという危険思想の持ち主。
自らの考えを実践するために白亜紀へと時間密航する。
その明晰な頭脳のために、コセイドン隊は裏をかかれてしまい、全く歯が立たない。
しかし、自らが作ったロボットに与えた「人間を抹殺せよ」という命令のために、自らも犠牲になってしまう。
岸田森の盟友、草野大悟の唯一の特撮番組レギュラー出演番組。
岸田森は、いわば友情出演である。
久しぶりの特撮番組で、子供向け番組とは思えないくらい本格的に、延び延びとマットサイエンティストを演じた。
冒頭から、いきなり岸田森の切れた高笑いで始まるのには、正直びっくりする。 。
また、総集編として構成された第39話「タイムGメン 時を超えた戦い」(昭和541979 年3月30日放映)には、
この回が10分弱にまとめられ放映された。
また、同じ六月劇場に所属している村松克己出演の第30話「タイムトンネル出現 謎の密航者」も収録されている。
ただし、岸田森も村松克己も、第39話ではクレジットはされていない。


関連作品

円谷プロ作品

怪奇大作戦 全26話 (昭和43年1968
帰ってきたウルトラマン 1話〜37話(昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン(映画) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖 (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」(脚本) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 次郎くん怪獣にのる (昭和47年1972
ウルトラマンA 全52話 (昭和47年1972
ファイヤーマン 全30話 (昭和48年1973
ファイヤーマン 第12話「地球はロボットの墓場」(脚本) (昭和48年1973
「怪獣供養祭」司会 (昭和48年1973
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」(昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
火曜サスペンス劇場「乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件」 (昭和57年1982
火曜サスペンス劇場 「可愛い悪魔」(昭和57年1982
ウルトラマンA「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」(平成元年1989

「リメンバー!!怪奇大作戦 岸田森・昼下がりのインタビュー!!」(昭和54年1979
空想特撮の名バイプレイヤー 岸田森インタビュー(昭和54年1979






昭和54年2月24日(土)

土曜ドラマ
「血痕追跡」


NHK総合放映  
20時00分〜21時10分(70分)カラー作品
監 督富沢正幸原 作渡辺淳一脚 本日向正健


【出演】

江守徹(敬造)山本陽子(恵子)草薙幸二郎(柳原)鈴木瑞穂(今村)高松英郎
岸田森大森暁美   


【物語】

出版社に勤める敬造(江守徹)の息子が、交通事故で死亡する。
手術に立ちあった敬造は、
輸血された血液型が、自分の知っている息子の血液型と違っていたのを見て、医療ミスを主張する。
しかし、医者の処置は正しかった。>br> 息子は自分の子ではなかったと悩んだ敬造は、妻、恵子(山本陽子)を問い詰め、
会社の上司、柳原(草薙幸二郎)と関係していたことを知る。
だが、このとき恵子は精神錯乱をきたしていた。


【解説】

NHKが、毎週土曜日に放映していた『土曜ドラマ』シリーズの一本。
この回は、サスペンスロマンシリーズの第2弾として放映された。
原作は渡辺淳一。科学では割り切れない人間の心を鋭く描く。
夫の暴力と嫉妬で、だんだん錯乱してゆく妻を演じた山本陽子の熱演が、この話の最大の見どころだった。
原作は短編で、息子の死後のドラマを、オリジナルで大幅に追加している。


【岸田森の役】

幻覚の中で、ヒロイン(山本陽子)の首を絞める、白髪の老人として登場しているらしい。
当時の読売新聞の読者欄に、この役を見てさすが「日本の誇る吸血鬼役者」という投稿がある。
幻覚の中だけの登場かどうか詳細は不明。







昭和54年3月24日(土)〜4月7日(土)


魔女伝説

全3回


フジテレビ毎週土曜日放映
22時00分〜22時54分(54分)カラー作品
演 出河村雄太郎原 作半村良脚 本ジェームス三木


【出演】

真野響子(野川瑶子)河原崎健三(野川邦彦)山形勲(北園)武内亨(津田)文野朋子(房子)
北林谷栄(柴崎ふじ)小林かおり(三穂)梅野泰靖(西本)山村聰(江尻)下元勉(瀬戸)
滝田裕介(谷村雄策)水沢アキ(伸子)岸田森(男X)平泉征(日下) 


【解説】

半村良の代表作「伝説シリーズ」の中の一本を全3回でテレビドラマ化。
原作は、昭和511976 年に雑誌「婦人公論」に連載された多分に女性を意識したもので、「伝説シリーズ」では一番ソフトな作品だ。
内容は、夫の出世の助けに使った、ちょっとした超能力のために、国際秘密組織から狙われるヒロイン瑶子(真野響子)の逃避行が描かれる。
超能力のシーンに特殊効果を多用したり、全体に紗を掛けたような映像にしたりと、意欲的な画像作りがなされた。


【岸田森の役】

男X

組織の一員。谷村(滝田裕介)をライフルで狙撃しようとするが、瑶子(真野響子)のために失敗してしまう。






【各エピソード解説】

第1回 第2回第3回(最終回)






昭和54年3月24日(土)

土曜ワイド劇場
「死刑台のロープウェイ」


テレビ朝日放映  
21時00分〜21時24分(84分)カラー作品
監 督渡邊祐介原 作夏樹静子脚 本鴨井達比古


【出演】


大空真弓(不二木律子)夏純子(室伏ナオミ)岸田森(室伏修一)遠藤太津朗(室伏社長)北条真記子(中島)
梅津栄(東田)松下達夫(菅野)森下哲夫(吉富)ひろみどり加島潤
加瀬俊孝(昭生)小寺大介森篤夫政宗一成村上幹也
岡本隆ジョージ・マッテス林寛一小田島隆後藤緑
一杉永介(網野)岩瀬裕美那須のり子小池ちふみ谷村洋子
秋山紀子夏樹静子(特別出演)津川雅彦(不二木達生)  


【物語】

ある日、律子(大空真弓)は出張中の夫、達生(津川雅彦)が、
室伏社長の若い妻ナオミ(夏純子)とホテルから出てくる所を目撃する。
ショックを受けた律子に、室伏社長(遠藤太津朗)から呼びだしがあり、夫の浮気の代償に関係を迫ってきた。
律子は必死に抵抗、灰皿で室伏を殴って逃走する。
その夜、室伏社長殺害事件が報じられたが、律子が犯人である事はまだわかっていなかった。
夫は、この事件がきっかけで社長になった息子、修一(岸田森)の計らいで部長に出世する。
数日後、ナオミがロープウェイの中で何者かに殺害された。
ライターが犯行現場に落ちていたために、達生は容疑者となり、室伏社長殺しの嫌疑までかけられる。
殺されたナオミは妊娠しており、生まれれば相続財産が減ってしまう修一には殺害の動機があった。
しかし、アリバイがある事から、律子は協力者がいるとにらみ、
修一の腹違いの弟、網野成治(一杉永介)が犯人と目星をつけた。
律子は網野を殺害現場のロープウェイに呼び出した。しかし、そこに現れたのは修一だった…



【解説】

土曜ワイド劇場の第85本目に放映されたもの。C.A.L製作。
マイホーム作りに専心するニューファミリーが、
夫の浮気をきっかけに殺人事件に巻き込まれて行く、夏樹静子原作サスペンスのテレビ化。
原作者自らも弁護士役で登場、長いセリフを貰っている。
実は、夏樹静子は、学生時代演劇部にいたということだ。
ちなみに、新聞発表のサブタイトルは「死刑台のロープウェイ・危険な家族」


【岸田森の役】

室伏修一

主人公が勤める東行金属の社長息子専務取締役。社長の死によって会社の経営者となる。
不二木達生(津川雅彦)とは大学以来の親友。
父が死んで社長になってすぐに、達生を右腕になってもらいたいと部長に出世させた。
父親である室伏社長(遠藤太津朗)殺しの真犯人でもあり、
遺産のために、異母兄弟を使って父親の若妻ナオミ(夏純子)も殺す。
その兄弟も交通事故を装って殺害、律子(大空真弓)もロープウェイで自殺に見せかけて殺そうとする。
律子ともみ合っているうちに、ナイフで自らを刺してしまう。
その後、死んだのかどうかは、ドラマでは描かれていないので不明。
いかにもエリートの重役然とした、落ち着いた喋り方で演じている。
一緒のシーンは少ないが、小学生時代の同級生でもある大空眞弓との共演を、当時多いに楽しんだという。



関連作品

大空眞弓

激動の昭和史 沖縄決戦 (昭和46年1971
しづの生涯  (昭和56年1981
雑誌記事「再燃が心配!?大空真弓と岸田森の仲」 (昭和56年1981
新聞記事「ハイ!本番 「『しづの生涯』の岸田森 初恋の大空と共演 30年ぶり…テレる」(昭和56年1981
エッセイ「同級生交歓 俳優大空真弓 俳優岸田森」 (昭和56年1981


土曜ワイド劇場

土曜ワイド劇場「青春の荒野」 (昭和53年1978
土曜ワイド劇場「歪んだ星座 受験戦争連続殺人」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「結婚しない女 死の羽田発397便」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「濡れた心 レズビアン殺人事件」 (昭和56年1981
土曜ワイド劇場 「殺しの連鎖反応 −努力しないで出世した男−」(昭和58年1983










昭和54年5月7日(月)


新・座頭市(第3部)

第3話「市の耳に子守唄」


フジテレビ放映  
20時00分〜20時54分(54分)カラー作品
監 督森一生原 作子母沢寛脚 本和久田正明、奥村利夫


【出演】

勝新太郎(座頭市)大信田礼子(お玉)岸田森(卯吉)菅井きん(お杉)大林丈史(直八)
小瀬朗(吾平)森章二(金隠し)山本一郎滝譲二 


【物語】

市(勝新太郎)は、臨月の女性・お玉(大信田礼子)と行きずりになる。
お玉は、故郷を駆け落ち同然に飛び出し、直八(大林丈史)の子供を宿すが、
路銀を使い果たしたために盗賊に落ちぶれていた。
どうしても子供が産みたかったお玉は、堕胎を強要する直八の有金を全部奪って逃げていたのだ。


【解説】

勝新太郎の代名詞とも言える、盲目の按摩・市の活躍を描くシリーズ。
一年前(昭和531978 年5月)に、勝新太郎がアヘン取締法違反で東京地検に書類送検されたことから、
放映中止になっていた「座頭市」シリーズだったが、
起訴猶予の判決が出たために昭和541979 年4月からシリーズ再開となった。
前年でのシリーズで放映予定だった6本も、この時一緒に放映されている。
このシリーズは『新・座頭市』の第3シリーズに当り、
昭和491974 年に放映された『座頭市物語』と合わせると、シリーズ第4弾に当たる。
放映時間をいままでの夜9時から夜8時に変更、より幅広い視聴層の獲得を目指したが、
勅使河原宏監督を呼んでの前衛的な実験作品を放送したりと、相変わらず意欲作も発表し続けるのが勝プロらしい。
このシリーズが、座頭市のテレビシリーズ最後の作品となる。


【岸田森の役】

卯吉

市(勝新太郎)が入れられた牢屋の牢名主。
以前、市に命を助けられたことがあり、偶然の再会を心から喜ぶ。
牢番たちにもかなりの力を持っており、賄賂をつかませ、市を牢脱けさせた。
全編、抑えた声の芝居で通し、勝新太郎と二人で息の合った芝居を見せる。
テレビ座頭市シリーズ四度目の出演。


関連作品

勝プロダクション

座頭市と用心棒 (昭和45年1970
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982

あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984










昭和54年5月13日(日)


俺たちは天使だ!

第5話「運が悪けりゃ女にモテる」


日本テレビ放映  
20時00分〜20時54分(54分)カラー作品
監 督木下亮原 案小川英脚 本和久田正明


【出演】

沖雅也(CAP・麻生)多岐川裕美(悠子)渡辺篤史(NAVI)柴田恭兵(DARTS)神田正輝(JUN)
長谷直美三景啓司横谷雄二下川辰平片岡五郎
遠藤浩山下望門脇三郎岸田森(立吉留三)ホーン・ユキ(ユリ)
緑魔子(礼子)小幡利二車邦秀新みのる岡田正典
竹田寿郎小野寺昭江守徹  


【物語】

麻生探偵事務所に、間男を依頼する変な仕事が舞い込んできた。
だが、間男と聞いて、疑うことなく探偵事務所全員が飛びついてしまう。
事務所の全員が失敗する中、所長の麻生(沖雅也)だけは、ユリ(ホーン・ユキ)といい線をゆく。
しかし、彼女の家の周りには、何故か新妻署の刑事達が張り込んでいた。
この依頼の裏には何かがあると、麻生は睨む。


【解説】

元警官の探偵・麻生雅人(沖雅也)が経営する麻生探偵事務所の活躍を描くコメディシリーズ。
所員には、ディスコに入り浸っている通称ダーツ(柴田恭兵)、カーキチのナビ(渡辺篤史)、
計算の達人ジュン(神田正輝)、紅一点の悠子(多岐川裕美)がいるが、
経営は赤字続きのために、みんなアルバイトに余念が無い。
ほかにも、長谷直美、下川辰平、小野寺昭など『太陽にほえろ!』のキャストとダブっている役者が数多く出演、
今まで見られなかったコメディータッチの芝居を楽しませてくれる。製作は東宝が担当。
沖雅也が毎回着ているサンローランの衣装や、武器のブーメランなどが当時話題になった。


【岸田森の役】

立吉留三

表向きは潮商事の社長だが、実は立吉組の組長。
ヤクザの親分には似合わない一途なところがあり、ユリ(ホーン・ユキ)に熱を上げ、結婚を迫る。
しかし、ユリはヘロイン取引を調べるために送り込まれた警察のスパイだったので、最後には逮捕されてしまう。
『傷だらけの天使』(昭和491974 年)で鍛えた
コメディータッチの芝居を存分に披露し、やりたい放題の演技をみせる。
ヘロインの袋にかぶりついたり、投げられた袋を受け取れなかったりする、
麻生(沖雅也)との変な取引成立シーンは、何度見ても楽しい。


関連作品

太陽にほえろ! 第188話「切り札」 (昭和51年1976








昭和54年5月18日(金)


必殺仕事人

第1話「主水の浮気は成功するか?」


テレビ朝日放映(ABC)  
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
監 督松野宏軌脚 本野上龍雄


【出演】

藤田まこと(中村主水)伊吹吾郎(畷左内)三田村邦彦(秀)山田隆夫(半吉)小林かおり(涼)
水本恵子(美鈴)かわいのどか(おふく)谷口香(お栄)内田昌宏(重次郎)千葉敏郎(長次)
鈴木慎(同心田口)国一太郎(惣兵ヱ)日高久(栗田)加茂雅幹(弥助)加藤清武(稲葉)
伊波一夫(胴元)東悦次加藤正記(職人)平井靖(職人)志岐内竜子(内儀)
岸田森(重内)菅井きん(せん)白木万理(りつ)中村雁治郎(鹿蔵)芥川隆行(ナレーター)


【物語】

八王子の甲府勤番所に左遷させられていた主水(藤田まこと)が、江戸に呼び戻された。
それは江戸の裏稼業の元締・鹿蔵(中村雁次郎)が、主水を闇の世界に連れ戻そうと仕組んだことだった。
鹿蔵の頼みに、主水ははっきり拒絶した。
鹿蔵は、主水が裏切ったとして、浪人、畷左内(伊吹吾郎)を刺し向ける。
だが、主水は裏をかき、逆に鹿蔵の居場所を突き止めるた。
鹿蔵は改めて裏の仕事を主水に依頼する。
主水は躊躇したが、鹿蔵からの熱心な説得と、大量の小判を前に心が動かされ、
ついに裏稼業への復帰を決意した。


【解説】

「必殺」シリーズ第15弾。
前作第14弾「翔べ!必殺うらごろし」が、あまりにも異色作だったために、視聴率的に苦戦、
再び人気キャラクター中村主水(藤田まこと)を主役に迎え、原点回帰を図った。
ここで視聴率を回復できなければ、シリーズ打ち切りの危機にあったために、番組は必死で立て直しをはかる。
シリーズ前半は重厚な作風、中盤は三田村邦彦をアイドル化して女性視聴者にアピール、
後半は一般時代劇化を目指すなど、試行錯誤の連続だった。
これらの策が功をなし、全84話放映される大ヒットシリーズとなる。
レギュラーの入れ替わりが激しかったが、
藤田まこと(中村主水)、伊吹吾郎(畷左門)、三田村邦彦(秀)、山田隆夫(半吉)、小林かおり(畷凉)、
水本恵子(畷美鈴)、かわいのどか(おふく)、菅井きん(せん)、白木万理(りつ)、中村鴈治郎(鹿蔵)が最初のメンバー。
後に、山田五十鈴(おとわ)、鮎川いずみ(加代)、三島ゆり子(おしま)、早崎文司(筆頭同心早川)、
芝本正(筆頭同心荒巻)、木村功(六蔵)らが加わる。



【岸田森の役】

戸ケ崎重内

勘定奉行書方。
仕事柄知ることが出来た商家の弱みを、弟の重次郎(内田昌宏)に教え、強請らせている。
上司である勘定奉行、稲葉(加藤清武)が、
邪魔者を鹿蔵(中村雁次郎)に頼んで始末したことをかぎ付け、上司まで強請ろうとした。
最後は、主水(藤田まこと)に刀の目釘を密かに抜かれて、抜刀できず狼狽したところを斬り捨てられる。


関連作品

山内久司

魔像・十七の首(昭和44年1969
快刀乱麻 第2話「死と死と人は来ぬか雨」  (昭和48年1973
おしどり右京捕物車 第16話「闇(やみ)」  (昭和49年1974
斬り抜ける(斬り抜ける 俊平ひとり旅)全20話 (昭和49年1974

必殺仕置屋稼業 第12話「一筆啓上魔性が見えた」  (昭和51年1975
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」 (昭和50年1976
新必殺仕置人  第1話 「問答無用」       (昭和52年1977
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚の宿」  (昭和52年1977








昭和54年6月18日(月)


江戸を斬るW

第19話「狙われた死神」


TBSテレビ放映  
20時00分〜20時55分(55分)カラー作品
監 督山内鉄也原 作/脚 本葉村彰子


【出演】

西郷輝彦(遠山金四郎)松坂慶子(おゆき)ジュディ・オング(お京)松山英太郎(次郎吉)関口宏(石橋堅吾)
谷幹一(出目の金太)大山のぶ代(咲)田口計(閻魔の伊蔵)岡部正純(銀次)榊千代恵(お志乃)
史織ゆき(お美津)鳥巣哲生(弥太)竹村洋輔(清吉)記久輝光(留吉)東田真一(仙太)
春川ますみ(お政)今井健二(鳥羽玉の又蔵)二本柳俊衣(お絹)岸田森(林田弥十郎)江幡高志(甚八)
北町嘉朗大木正司森下明加藤茂雄成田三樹夫(脇坂重蔵)


【物語】

死神とあだ名された元火付盗賊改方、脇坂重蔵(成田三樹夫)が、暴漢に襲われる。
危ないところを金四郎(西郷輝彦)に救われるが、重蔵には何の心当たりもないという。
金四郎は、重蔵が扱った過去の事件を洗い直し、「野分の庄五郎事件」に目をつけた。
どうも、庄五郎の兄、鳥羽玉の又蔵(今井健二)の仕業らしい。


【解説】

前作「江戸を斬るV」(昭和521977 年)以来、2年ぶりに復活したシリーズ第4作。
名奉行、遠山金四郎(西郷輝彦)が、遊び人の金さんとして町で事件を解決、お白州で裁く痛快時代劇。
このシリーズから、許嫁だった遠山金四郎とおゆき(松坂慶子)は、晴れて夫婦となる。
そして、関口宏、伊藤洋一の親子同心も新レギュラーとして登場。
アットホームな部分を強化して、女性視聴者にアピールした。
また、プロデューサー業に専念するため、俳優を休業していた松山英太郎が、久しぶりに復帰したのも話題になった。



【岸田森の役】

林田弥十郎

鳥羽玉の又蔵(今井健二)の用心棒。
いつも、又蔵の隣に不気味に構えているが、何故かセリフが無い。
最後は捕縛され、金四郎(西郷輝彦)のお白州で裁かれる。


関連作品

江戸を斬るV 第23話「男の約束」  (昭和52年1977








昭和54年6月1日(金)、6月8日(金)


沿線地図

第8回・第9回


TBSテレビ放映  
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
原 作山田太一


【解説】

『岸辺のアルバム』(昭和521977 年)で、家庭崩壊を鋭く描いた山田太一が、
再び家族の崩壊をテーマに描いたホームドラマ。
子供たちの家出をきっかけに、モラルも確信も無く生きていた二組の家族の再生を描く。
原作は、850枚もある長いもので、全15回でドラマ化された。
主役の麻子役を、岸恵子が演じたのが話題になった。
岸恵子は、パリ在住が長く、おかみさん役とはまるで正反対のイメージだったが、
これは山田太一が、おかみさんに一番似合いそうもない人に演じてもらいたかったということでの起用だ。
この選択は図に当り、岸恵子の好演を引き出すことに成功した。




【岸田森の役】

田中量一

布団屋の臨時雇い。
酔って荒れ狂った誠治(児玉清)にからみ、酒場で殴られる。
そして、誠治が銀行の支店次長と知り、翌日わざわざ呼び出して目の前で土下座させる。
世の中をひがみ続け、あまり学歴の無い自分が、この事件でエリートを陥れるという歪んだ欲求を満たしたのだ。
その性格から職場でも評判が悪く、臨時雇いで食いつないでいる。また、このような喧嘩を良く起こすらしい。
出演は2シーンだが、相手役の児玉清を食ってしまうくらい、細かい作り込んだ演技が素晴らしい。
本来は、もっと小さな役だったが、岸田森の出演が決まってから大幅に内容が書き足されたものである。






【各エピソード解説】


第7回まで第8回第9回第10回以降






昭和54年6月16日(土)


土曜ワイド劇場


「歪んだ星座 受験戦争連続殺人」


テレビ朝日放映  
21時02分〜22時54分(112分)カラー作品
監 督村山三男原 作小林久三脚 本茶田才


【出演】

緒形拳(宮坂部長刑事)原田美枝子(江森明子)日色ともゑ(宮坂悦子)草薙幸二郎吉田次昭(遠藤)
佐藤宏之冷泉公裕西塚肇(原克也)星野晶子志賀真津子
橘田良江入江正徳井上三千男伊藤正博岸田森(家相正一郎)
中村英生中西真由美小林雪子中野宣之伊藤晶子
江尻光子岡本忠幸城戸卓沖秀一高木信夫
羽生昭彦今井健太郎野上裕滝坂裕二佐藤淳一
松村正弘多摩美平田京子森田信江朝霧友香
山口みやび佐野浅夫(前島警部)森田健作(堀井刑事)  


【物語】

ごみ捨て場で、原克也(西塚肇)の他殺体が発見される。
原は、恵愛学園から東大に進んだ秀才だった。殺されたのが東大生という事で、マスコミは大騒ぎだった。
宮坂刑事(緒形拳)と堀井刑事(森田健作)は、現場近くで原と高校時代に友人だった遠藤(吉田次昭)に出会う。
しかし、遠藤もまた、宅地造成地から死体で発見された。
次の犠牲者は二人共通の友人だと推測した宮坂は、大学進学をあきらめてOLとなった明子(原田美枝子)をマークする。
明子は、この頃何者かに付け回されているのではないかと不安に感じていた所だった。
宮坂は、不審な男、家相(岸田森)を発見する。家相の息子は、受験に失敗したために自殺している事がわかった。
家相は、毎日、明子を付け回す。しかし、殺人犯だという証拠はつかめなかった。
宮坂は明子を使っておとり捜査を決行する。


【解説】

学歴社会からくる受験戦争によって起きる、歪んだ殺人事件を描く作品。
主人公宮坂刑事(緒形拳)が、高校卒のたたき上げで、エリート意識むき出しの県警刑事に対抗しながら一人で捜査を続けて行き、
学歴による格差を印象づける構成になっている。松竹製作。
昭和541979 年6月の土曜ワイド劇場は、「特選推理シリーズ」と銘打たれていて、この作品は3本目に当たる。
ちなみに、ほかの特選推理シリーズは、
赤川次郎「迷探偵コンビ危機一髪!」、江戸川乱歩「幼虫」、山村美紗「マラッカの海に消えた」など。
映画並の90分長時間ドラマを売り物にした「土曜ワイド劇場」は、昭541979 年4月から全番組が120分編成になる。
「受験戦争連続殺人」は、通算96本目の放映に当り、120分となってから10本目の放映。



【岸田森の役】

家相(かしょう)正一郎

東大卒で、一流商社の管理職。
しかし、息子が受験に失敗して自殺。幸せな家庭が崩壊、出世コースからも外れてしまう。
そして、自殺の原因を、息子の塾の仲間達だと勝手に思い込んで、次々に殺人を犯す。
原田美枝子をじっと眺め続ける、登場シーンからしてかなりの怪しさ。
家ではいつも息子の好きだったバッハを大音量で聞き、息子の死んだ時間で時計を止め、カレンダーもそのまま、
それを見ながら一人追い詰められ屈折してゆく。
明子(原田美枝子)に自分の犯罪をまくし立てる時には、目に涙を浮かべながらのかなりの熱演。
「火曜日の女 木の葉の家」(昭和471972 年)に匹敵するような凝った役作りを見せている。
ラストは、運転手に化けて明子の乗ってるバスを乗っ取り、息子が自殺した踏み切りへ、そのまま突っ込もうとする。
しかし、結局は一人で息子と同じ踏み切りで自殺。
ラストに流れた「息子を返せ!」という叫びがとても印象的だ。


関連作品

土曜ワイド劇場「青春の荒野」 (昭和53年1978
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「死刑台のロープウェイ」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「結婚しない女 死の羽田発397便」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「濡れた心 レズビアン殺人事件」 (昭和56年1981
土曜ワイド劇場 「殺しの連鎖反応 −努力しないで出世した男−」(昭和58年1983







昭和54年6月30日(土)〜7月28日(土)


高木彬光シリーズ

検事霧島三郎「密告者」

全5回


TBSテレビ(MBS)毎週土曜日放映
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
監 督蔵原惟繕原 作高木彬光脚 本安倍徹郎


【出演】

竹脇無我(霧島三郎)小野寺昭(瀬川繁夫)松原智恵子(萩野栄子)風吹ジュン(俊子)多岐川裕美(恭子)
片桐夕子(和美)岸田森(酒井)観世栄夫(多田警部)東千晃(貞子)富川K夫(萩野省一)
山本紀彦(倉橋弁護士)佐藤仁哉(藤田)伊藤雄之助(室崎)  


【解説】

昔の恋人、栄子(松原智恵子)の夫殺しで追われる青年、瀬川(小野寺昭)が、
一度はあきらめた恋に激しい炎を燃やす様を、産業スパイや企業戦争を背景に描くサスペンス・メロドラマ。
『太陽にほえろ!』(昭和471977 年〜昭和611986年)の島刑事役で一世を風靡した小野寺昭が、
始めて汚れ役を演じる事が話題となった。
当時「キタキツネ物語」(昭和531978 年)でヒットを飛ばしたばかりの蔵原惟繕が全話監督を担当している。
毎日放送で放映していた推理作家シリーズは、角川映画で映画化してヒットを記録した原作
『犬神家の一族』『白昼の死角』などを目玉に、横溝正史、森村誠一の作品を数回に分けてドラマ化していた。
高木彬光は、3人目に取り上げられた作家。



【岸田森の役】

酒井

表向きは新和商会という小さな会社の社長だが、実は産業スパイとして暗躍。
瀬川を使い、七洋化学の新製品をスパイしようとする。







【各エピソード解説】

第1回 第2回第3回
第4回第5回
(最終回)






昭和54年8月4日(土)


土曜ワイド劇場


「白い手美しい手 呪いの手」


テレビ朝日放映  
21時02分〜22時54分(112分)カラー作品
監 督富本壮吉原 案若槻文三脚 本武末勝、若槻文三


【出演】

萩原真一(南条信)堀越陽子(白川雪子)木村理恵(白川いずみ)岸田森(宮崎宗春)山田吾一(花山登喜男)
原良子(千枝)長谷直美(香里)早川雄三町田祥子五十嵐美恵子
樋浦勉山西道広鈴木みどり丸林昭雄村上幹夫
町田幸夫大阪憲米津高明鹿島信哉江尻光子
和気ますみ真辺了子宇乃巫麻倉富勝士島村卓志
渥美国泰(野田剛造)長門裕之(大塚吾郎)   


【物語】

総合商社の経理課員・雪子(堀越陽子)は、
恋人の南条(萩原真一)に頼まれて、不正融資の帳簿を作成していた。
しかし、会計監査で不正がばれることを恐れた野田部長(渥美国泰)は、
南条をはじめ融資に関っていた人物と共謀、雪子に罪を着せて殺害する。
死体はバラバラにされて方々に遺棄されるが、何故か右手だけがどこにいったのかがわからない。
そして、その右腕は、自分を殺した者達に次々と復讐を始めた…。



【解説】

バラバラ死体の、残された右腕が殺人者たちに復讐をしてゆくという怪奇ミステリー。
製作は円谷プロダクションが担当。
この作品は、昭和481973 年に放映された同プロダクション製作
『恐怖劇場アンバランス』第12話「墓場からの呪いの手」のリメイク作品。
土曜ワイド劇場・恐怖ミステリーシリーズの第1弾として放映された。
事件を担当する大塚刑事(長門裕之)は、後に円谷プロで製作される土曜ワイド劇場作品
『怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人』『怪奇!金色の目の少女』(ともに昭和551980 年放映)
『呪いのマネキン人形』(昭和591984 年)にも登場する。




【岸田森の役】

宮崎宗春

産業庁の課長。
共謀殺人に加担するが、罪の意識に精神錯乱気味になる。
残された右手が、一番最初に復讐を遂げた。始まって30分位で電車に轢かれて死亡。
岸田森は、大塚刑事(長門裕之)のシリーズ三本に、全く違うタイプの悪役でレギュラーともいえる出演をする。


関連作品
土曜ワイド劇場

土曜ワイド劇場「青春の荒野」 (昭和53年1978
土曜ワイド劇場「歪んだ星座 受験戦争連続殺人」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「死刑台のロープウェイ」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「結婚しない女 死の羽田発397便」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「濡れた心 レズビアン殺人事件」 (昭和56年1981
土曜ワイド劇場 「殺しの連鎖反応 −努力しないで出世した男−」(昭和58年1983


円谷プロ作品

怪奇大作戦 全26話 (昭和43年1968
帰ってきたウルトラマン 1話〜37話(昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン(映画) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 竜巻怪獣の恐怖 (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 第35話「残酷!光怪獣プリズ魔」(脚本) (昭和46年1971
帰ってきたウルトラマン 次郎くん怪獣にのる (昭和47年1972
ウルトラマンA 全52話 (昭和47年1972
ファイヤーマン 全30話 (昭和48年1973
ファイヤーマン 第12話「地球はロボットの墓場」(脚本) (昭和48年1973
「怪獣供養祭」司会 (昭和48年1973
恐竜戦隊コセイドン 第29話「コセイドン緊急出動 果しなき戦い」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」(昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
火曜サスペンス劇場「乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件」 (昭和57年1982
火曜サスペンス劇場 「可愛い悪魔」(昭和57年1982
ウルトラマンA「大蟻超獣対ウルトラ兄弟」(平成元年1989

「リメンバー!!怪奇大作戦 岸田森・昼下がりのインタビュー!!」(昭和54年1979
空想特撮の名バイプレイヤー 岸田森インタビュー(昭和54年1979








昭和54年10月2日(火)


江戸の牙

第1話「炎上!赤馬を斬れ」


テレビ朝日放映(ANB)  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督池広一夫脚 本中村勝行


【出演】

天知茂(精四郎)若林豪(伝十郎)坂上二郎(半兵衛)藤村俊二(兵助)白都真理(柴乃)
京本政樹古田正志鹿野進太郎三船敏郎(軍兵衛)竹下景子(朝比奈雪)
吉田日出子(おひで)内田朝雄(木曽屋勘左ヱ門)岸田森(堀田監物)森次晃嗣(榊真八郎)池波志乃(お涼)
市毛良枝(榊綾)勝部演之(神崎)梅津栄(粂蔵)南城竜也(宇之吉)森章二
岸本功小寺大介村上幹夫大山豊大峰順二
大木史朗山田博行左とん平(八百屋)黒沢良(ナレーター) 


【物語】

江戸市中に不審な火災が続発する。人々は、それを「赤馬」と呼んで恐れた。
その頃、与力・精四郎(天知茂)は、幕府大番頭の軍兵衛(三船敏郎)に秘密組織の編成を命じられた。
精四郎は5人の仲間を集め、「赤馬」の探索に乗りだす。


【解説】

天保年間を背景にしたアクション時代劇。幕閣中枢が密かに組織した、
将軍直属の特殊御目付け集団「江戸の牙」の活躍を描く。
集団のリーダーの精三郎には、天知茂が扮する。
ほかに、若林豪、坂上二郎、藤村俊二、京本政樹、吉田正志、鹿野新太郎らがレギュラー出演。
アルカポネとの対決を描いた外国テレビドラマ『アンタッチャブル』の時代劇版を目指して
ハードボイルドタッチで製作されている。
しかし、藤村俊二が演じる兵助が、時代劇にもかかわらずバズーカ砲を撃つという、奇想天外な設定があった。



【岸田森の役】

堀田監物

材木問屋達と結託して、火付けを行い材木の値をつり上げて私腹をこやす。
火事を見ながら酒を飲むという、絵に描いたような悪党。
精四郎(天知茂)にかなわないと見ると、いきなり刀を投げ出し、金で解決をつけようとする。
だが、そんな買収には乗らなかった精四郎の正義の刃に、一刀のもとに斬り捨てられる。


関連作品

三船プロダクション

荒野の素浪人 第24話「襲撃地の果て白骨ヶ原」(昭和47年1972
荒野の用心棒 第28話「虐殺の丘に女の復讐が燃えて…」(昭和48年1973
荒野の素浪人(第2部)  全39話 (昭和49年1974
剣と風と子守唄 第14話「地獄に恋した野郎ども」 (昭和50年1975
剣と風と子守唄(最終回) 第27話「栄光への父娘旅」 (昭和50年1975
人魚亭異聞 無法街の素浪人 第3話「一発勝負殺しの切札」 (昭和51年1976
江戸の鷹 御用部屋犯科帖 第22話「暗黒街の子連れ狼」 (昭和53年1978
犬笛(昭和53年1978









昭和54年12月8日(土)


俺はあばれはっちゃく

第43話「ここ掘れどん平※作戦」
(※は、「○」にの中に、カタカナの「ヒ」)



テレビ朝日放映(ANB)  
19時30分〜20時00分(30分)カラー作品
監 督山際永三原 作山中恒脚 本市川靖


【出演】

吉田友紀(長太郎)東野英心(長治)久里千春(和子)島田歌穂(てるほ)早瀬優香子
妹尾潤草間光行岡田ゆり大平佳奈子小宮山京子
北川陽一郎数間正徳丸林明夫岸田森(川口)山内賢(佐々木先生)


【物語】

山芋掘りに裏山へ行った長太郎(吉田友紀)は、
飼い犬のどん平が掘り出した埴輪を、何だか判らずに捨ててくる。
偶然、それを見つけた佐々木先生(山内賢)の調べで、非常に貴重なものとわかり、
考古学者の川口(岸田森)がやって来た。
最初は大した発見ではないと、タカをくくっていた川口も、
発掘品の中の鉄剣が国宝級の物と知り、大慌てする。


【解説】

学校の成績はあまり良くないが、いたずらの天才で、素朴な正義感と強烈なバイタリティーの持ち主、
小学校5年生の桜間長太郎(吉田友紀)を主役にしたテレビシリーズ。
家族や学校は無論、近所でも悪名高い暴れぶりが痛快で、吉田友紀の好演もあり、主役を変えながらシリーズ化される。
父親役の東野英心と長太郎との、壮絶な親子喧嘩のシーンも見せ場の一つだった。
ちなみに「あばれはっちゃく」とは、北関東の方言で、手のつけられない暴れ者の意味。



【岸田森の役】

川口

イヤミで威張りちらす非常に嫌な性格の考古学者。
国宝級の発掘物の部品が無くなってしまった時も、佐々木先生(山内賢)に責任を全部なすりつけてしまう。
しかし、長太郎(吉田友紀)の機転で、結局は自分がやったことがばれてしまい悔しがるのだった。
監督の山際永三は、岸田森が脚本を書いた
「帰ってきたウルトラマン 残酷!光怪獣プリズ魔」の監督。
岸田森は、非常に楽しそうにイヤミな役を演じている。


関連作品







昭和54年12月11日(火)


探偵物語

第13話「或る夜の出来事」


日本テレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督加藤彰脚 本丸山昇一


【出演】

松田優作(工藤俊作)成田三樹夫(服部刑事)竹田かほり(かほり)山西道弘(松本刑事)ナンシー・チェニー(ナンシー)
岸田森(高村竜太郎)工藤明子(滝田広子)野平ゆき(赤木ユリ)八代康二(立花)木島一郎(警官)
団巌(コック・陳)重松収(ダンディ)大平忠行(ガードマン)倍賞美津子(相木政子) 


【物語】

「怪盗103号」高村(岸田森)は、宝石店に盗みに入り、
偶然通り掛かった弁護士の政子(倍賞美津子)の車に、言葉巧みに同乗して検問を突破する。
翌日、高村の正体を知った政子は、探偵の工藤(松田優作)に、捜査を依頼した。
高村は、政子の心を捕らえてしまったのだ…。


【解説】

松田優作が『大都会パートU』以来2年ぶりに主役を演じるテレビシリーズ。
売れない探偵、工藤(松田優作)と、その仲間達の関わり合いを、コメディータッチに、また時はハードに描く。
俳優、松田優作の代表作とも言えるテレビシリーズで、
共演者も気心が知れたメンバーを据え、自由に製作していた。
特にファッションや小道具一つ一つにも気を使ったきめの細かさは見事の一言だ。
現在でも、カルトな人気がある。
出演は、探偵、工藤(松田優作)のほか、ヤクザより怖い刑事に成田三樹夫、その部下に山西道弘、
事務所にたむろする歌手の卵に竹田かほり、モデルの卵にナンシー・チェニー。
セミレギュラーの弁護士役で倍賞美津子。



【岸田森の役】

怪盗103号/高村竜太郎

宝石泥棒、怪盗103号として指名手配されている。
ダンディーで、巧みに女性をだまし、睡眠薬で眠らせた間に盗みを行いアリバイを作る。
岸田森にしては珍しくかっこいい役だと思っていたら、ラストで突然禿げが露見、
しかも何故か頭には「103」の文字が刻印されていたりと、演技も話も壊れてしまう。
松田優作とフェンシングの一騎打ちで、カツラを飛ばされて敗れ、
泣きながら故郷バハマへと退散という、正直、良くわからないラストだった。
脚本では、工藤と格好良く別れてゆくというラストだったが、松田優作と二人で徹底的に作り変えてしまった。
松田優作と岸田森、お互いが深く信頼していなければ、このような改変は出来なかっただろう。



関連作品

松田優作

海賊(二幕)(昭和44年1969
ひとごろし(昭和51年1976
森村誠一シリーズ「腐蝕の構造」(蝕の「食」は、旧字体) 全7回  (昭和52年1977
乱れからくり (昭和54年1979
蘇える金狼 (昭和54年1979
インタビュー 「SHORT INTERVIEW 岸田森」  (昭和54年1979










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