【声の仕事】


昭和49年1月1日(火)〜9月24日(火)


荒野の素浪人(第2部)

全39話


NETテレビ毎週火曜日放映
21時00分〜21時55分(55分)カラー作品



【出演】

三船敏郎(峠九十郎)大出俊(鮎香之介)坂上二郎(すっぽんの次郎吉)岸田森(語り)


【解説】

三船敏郎主演の大ヒット時代劇『荒野の素浪人』の第2部。
第1部終了後、同作品の番外編的なシリーズ『荒野の用心棒』(昭和481973 年)が放映されていたが、
視聴率は『荒野の素浪人』程は稼げず、9カ月後再び本家のシリーズが登場した。
いずこからともなく現われた素浪人、峠九十郎(三船敏郎)、
道中師すっぽんの次郎吉(坂上二郎)と、
没落大名の嫡子で、五連発の短銃の使い手、鮎香之介(大出俊)が、
さまざまな事件に巻き込まれるという基本的なストーリーは、前作と同じだ。
第1部との違いは、前作でムシリだった九十郎の髪を総髪に、着物も黒い着流しに変更、
雰囲気は黒澤明監督作品『用心棒』(昭和36年1961 )『椿三十郎』(昭和371962 年)を、より意識した作風になり、
同映画で斬新な音楽を創作した佐藤勝が、番組に起用されている。
ほかにも、香之介(大出俊)の着物が明るい青の着流しに変更、若さを強調している。
そして、五連発銃の弾倉は回転式に変更、ディテール描写を細かくし「ウエスタン調」をより強調している。
また、すっぽんの次郎吉(坂上二郎)のスタイルも大幅に変更された。
第1部の1年3カ月には及ばなかったが、9カ月間放映される人気番組となる

【岸田森の役】


語り

ナレーション。
時代劇の雰囲気に合った、ゆったりとして朗々とした喋りで、冒頭とラストシーンに語るのが基本的なパターン。
殆どの場合が、九十郎の心情描写や、物語を締めくくるセリフで、
普通の説明調のナレーションはあまりない。
ちなみに、第1部の語りは、同じ文学座時代の同期である、寺田農が担当していた。



【各エピソード解説】

第1話「風塵の剣」 第2話「魔剣の宿」第3話「狼の挽歌」
第4話「無頼の掟」第5話「手鎖の女」第6話「影を斬る」
第7話「怒号の刃」第8話「野良犬無残」第9話「流浪の女」
第10話「群狼の宿」第11話「地獄の沙汰」 第12話「鬼火の谷」
第13話「帰らざる宿」第14話「白狼の牙」第15話「孤影燃えゆ」
第16話「博徒狩り」 第17話「遊女狂乱」第18話「仇討ち無残」
第19話「地獄の使者」第20話「無情の砦」第21話「闇の鬼神」
第22話「くノ一情話」第23話「叛逆の仁」第24話「悪銭の宿」
第25話「士魂果つ」第26話「隠し山地獄」 第27話「土砂降り」
第28話「異人武士道」第29話「第三の女」第30話「島破り」
第31話「賞金稼ぎ」 第32話「五連発の女」第33話「けもの罠」
第34話「傷だらけの勇者」第35話「血風つむぎ唄」第36話「廃墟の絶唱」
第37話「奇習の村」第38話「落ちた偶像」第39話「さらば九十郎」(最終話)



関連作品

三船プロダクション

荒野の素浪人 第24話「襲撃地の果て白骨ヶ原」(昭和47年1972
荒野の用心棒 第28話「虐殺の丘に女の復讐が燃えて…」(昭和48年1973
剣と風と子守唄 第14話「地獄に恋した野郎ども」 (昭和50年1975
剣と風と子守唄(最終回) 第27話「栄光への父娘旅」 (昭和50年1975
人魚亭異聞 無法街の素浪人 第3話「一発勝負殺しの切札」 (昭和51年1976
江戸の鷹 御用部屋犯科帖 第22話「暗黒街の子連れ狼」 (昭和53年1978
犬笛(昭和53年1978
江戸の牙 第1話「炎上!赤馬を斬れ」 (昭和54年1979








昭和49年2月11日(月)〜3月6日(水)


NHK少年ドラマシリーズ

「荒野の王子」

The Pritenders

全12回

NHK総合放映毎週月曜日〜水曜日放映
18時05分〜16時30分(25分)カラー作品


【出演】

カーティス・アーデンエリザベス・ロビラードジョナサン・ニュース


【解説】

十七世紀のイギリス「庶子モンマス公の反乱」を舞台に、
幼い二人の子供が戦火の中を、まだ見ぬ父を求めてさまようイギリスATV製作の少年少女向けドラマ。
イギリス国王チャールズ2世が亡くなり、その弟ジェームズ2世が即位したとき、
チャールズの庶子であったモンマス公が、王位継承権を訴えて反乱を起こしたという史実に基づく物語。
イギリスでは1970年(昭和45年)に放映されている。
日本では、少年少女向けジュブナイルを発表し続けていた『NHK少年ドラマシリーズ』の中の一本として放映された。
物語は、ある旅の一座にいた、エラム(カーティス・アーデン)とパーフェクト(エリザベス・ロビラード)という幼い兄弟が、
病身の母のいまわの際に、実の父親がモンマス公と聞き、父親を求めて荒野をさすらうというもの。
声の出演は、赤津進ほか


【岸田森の役】

ナレーション

【放映日】

第1回〜第3回         2月11日(月)〜2月13日(水)
第4回〜第6回         2月18日(月)〜2月20日(水)
第7回〜第9回         2月25日(月)〜2月27日(水)
第10回〜第12回(最終回)  3月4日(月)〜3月6日(水)








昭和49年10月6日(日)〜昭和50年3月30日(日)


日本沈没

全26話



TBSテレビ毎週日曜日放映
20時00分〜20時55分(55分)カラー作品



【出演】

村野武範(小野寺俊夫)由美かおる(阿部玲子)小林桂樹(田所雄介博士)細川俊之(幸長信彦助教授)仲谷昇(吉村秀夫)
望月真理子(森下悦子)マリ・クリスティーヌ(マリア・ベイリー)岡本信人(小野寺周二)沢田亜矢子(小野寺春子)小栗一也(小野寺千造)
下條正巳(森下信介)鳳啓助(坂本平助)京唄子(坂本シゲ子)関根世津子(ジュン)村井国夫(絹川俊介)
丹阿弥谷津子(小野寺加代)柳谷寛(源さん)佐々木孝丸(山根明和大教授)大和田獏(徳光春夫)玉川伊佐男(徳光太左衛門)
三津田健(大西良夫会長)田中邦衛(辰野長治)佐々木勝彦(土屋外科部長)頭師孝夫(佐々木一彦)内田朝雄(阿部信太郎)
大門正明(沖田健司)新井春美(北川レイ子)亀谷雅彦(青木則彦)大村崑(仁太郎)東野孝彦(日高観測所員)
麻里とも恵(京子)夏純子(吉川友子)根上淳(木村弘三)橋本功(結城達也)穂積隆信(太田黒清吉)
柳生博(現場監督補佐)柳沢真一(山内弥作)新克利(浜倉清司)フランツ・グルーバー(ロバート・カスター)田坂都(結城ユカリ)
神田隆(牛山)林家木久蔵(坂本和夫)下條アトム(永井三郎)水沢アキ(二本松直子)藤木悠(二本松安五郎)
佐原健二(野末気象庁技官)千石規子(北条はな)穂積ぺぺ(井上元太)竹井みどり(北条百合)加茂さくら(服部いく)
草薙幸二郎(和田熊吉)小倉一郎(石黒順一)北沢典子(石黒房代)鈴木和夫(岸本所員)土屋嘉男(石黒泰造)
浜美枝(山内和美)黒沢年男(中田一成)中村鴈治郎(渡老人)山村聰(松川首相) 


【解説】

昭和481973 年に発表された、小松左京原作の大ベストセラー小説「日本沈没」のテレビシリーズ化作品。
当時の物価狂乱や石油ショックなどがたくみに織り込まれた展開が受け、前年に制作された劇場版『日本沈没』と共に、映像化作品もヒット。
テレビシリーズとしては破格の5億円という製作費をかけ、
豪華な出演者や、大規模な特撮で描かれたスペクタクルシーンなどが話題となり、初回は20パーセントを越える視聴率を稼ぐヒットシリーズとなる。
原作とは違い、東京沈没がシリーズのクライマックスに来るように改変されているなど、テレビ版オリジナルの展開も多い。
東宝映像制作。
全26話放映。


【岸田森の役】

予告編のナレーション

『スーパーロボット マッハバロン』と同じスタジオで収録だったために、一緒に収録したのではないだろうかと言われている。
全話担当しているわけではない。


【各エピソード解説】

第1話「飛び散る海」 第2話「海底の狂流」第3話「白い亀裂」
第4話「海の崩れる時」第5話「いま、島が沈む」第6話「悲しみに哭く大地」
第7話「空の牙、黒い竜巻」第8話「怒りの濁流」第9話「海底洞窟の謎」
第10話「阿蘇の火の滝」第11話「京都にオーロラが!!」 第12話「危うし京の都」
第13話「崩れゆく京都」第14話「明日の愛」第15話「大爆発・海底油田」
第16話「鹿児島湾 SOS!」 第17話「天草は消えた!」第18話「危機せまる小河内ダム」
第19話「さらば・函館の町よ」第20話「沈みゆく北海道」第21話「火柱に散る、伊豆大島」
第22話「折れ曲がる、日本列島」第23話「海に消えた鎌倉」第24話「東京都民・脱出せよ」
第25話「噫々 東京が沈む」第26話「東京最後の日」(最終話)  








昭和49年10月7日(月)〜昭和50年3月31日(月)


スーパーロボット
マッハバロン


全26話



日本テレビ毎週月曜日放映
19時00分〜19時30分(30分)カラー作品



【出演】

下塚誠(嵐田陽)木下ユリ(小杉愛)力石考(岩井明)加藤寿(白坂譲司)内海敏彦(小杉健一)
団次郎(村野博士)深江章喜(花倉刑事)伊海田弘(ララーシュタイン)麿のぼる(タンツ陸軍参謀)所雅樹(スカーン海軍参謀)
桜木栄一(ゲラー空軍参謀)木下章平(ゲラー空軍参謀)岸田森(ナレーター)  


【解説】

昭和481973 年に放映された『スーパーロボット レッドバロン』に続く、スーパーロボットを主役にしたシリーズの第2弾。
製作は日本現代企画が担当。
世界征服を目論む、ドイツの天才科学者ゲオルグ・ララーシュタインは、
息子達を陸・海・空軍の参謀として、ロボット帝国を組織。陸・海・空のロボットを使って地上攻撃を開始した。
だが、ロボット工学の天才科学者嵐田陽一郎の遺児で、今は国際科学救助隊KSS(キス)の隊員である嵐田陽(下塚誠)は、
父の遺産であるスーパーロボット・マッハバロンを操ってロボット帝国の繰り出すロボットと戦うのだった。
当時流行していたロボットが活躍するアニメ番組に非常に影響されたデザインで、
ロック調の主題歌や、明るい色彩の画作りと共に、ある意味でポップな感覚の作品に仕上がっている。
主役のロボット・マッハバロンが、技を繰り出すときに、必ず奇妙なアクションを伴うのが、非常に印象的だった。


【岸田森の役】

ナレーション

この作品でのナレーションは、あまり凝った喋り方をしないで、ごく普通にこなしているという印象である。
番組を担当している日本現代企画は
『シルバー仮面ジャイアント』(昭和471972 年)で岸田森を起用している。


【各エピソード解説】

第1話「マッハバロン暁に出撃す」 第2話「空の牙 海の罠」第3話「マッハバロン強奪計画」
第4話「キス海底基地爆破指令」第5話「その一瞬に賭けろ!」第6話「東京爆破5時間前」
第7話「決断の10秒間!!」第8話「恐るべき自爆の軍団」第9話「ガラスのスーパーロボット」
第10話「まぼろしのジャイアントバロン」第11話「裏切りの戦場ヶ原」 第12話「無敵の超合金ロボット」
第13話「恐るべきUFOの正体」第14話「友にささげるマッハコレダー」第15話「戦慄!スナイパーQ」
第16話「密告者の海」 第17話「絶体絶命!マッチ箱作戦」第18話「発明刑事の偉大なる発明」
第19話「地獄から来た天使」第20話「トロイ作戦1対1」第21話「南南西へ進路をとれ」
第22話「追跡!フェニックスの謎」第23話「ララー怒りの地獄作戦」第24話「水爆特急900キロ」
第25話「切り札はパイルX」第26話「マッハバロンの超秘密」(最終話)  








昭和49年10月30日(水)放映


水曜ロードショー

「終着駅」



日本テレビ放映 
21時00分〜22時55分(115分)白黒作品

監 督Vittorio De Sica脚 本Cesare ZavattiniTruman Capote


【出演】

Jennifer Jones(Mary Forbes)Montgomery Clift(Giovanni Doria)Gino Cervi (Police commissioner)Richard Beymer(Paul)


【吹替】

メアリー・フォーブス(公卿敬子)ジョバンニ(岸田森)ポール(塩屋翼)


【物語】

アメリカ人の若い人妻、メアリーは、旅行中に知り合ったジョバンニという英語教師と知り合い、激しく愛し合うようになってしまう。
だが、アメリカには夫と子供がいるメアリーには帰国するしかなかった。
メアリーは、ローマ中央駅からミラノ行きの列車に乗り込もうとする。
そこに別れを惜しむジョバンニが現れた。
一途な引き止めに、メアリーはついに列車をやり過ごして、ジョバンニのアパートへと向かうことになる…。

【解説】

『風と共に去りぬ』(1939)で有名なプロデューサー、デビッド・O・セルズニックが製作した傑作メロドラマ映画。
戦後、イタリア映画から起こった芸術的潮流ネオ・リアリズモの創始者の一人、ヴィットリオ・デ・シーカが監督、
駅全体をセットと見立てた構成は見事の一言。
また、上映時間と劇中時間を一致させるという試みも成功していた。
情熱的なジェニファー・ジョーンズや一途なモンゴメリー・クリフトの演技も素晴らしく、
二人の分かれを描く哀しいラストは、一度見たら忘れられない仕上がりだ。


【岸田森の役】

ジョバンニの吹替

情熱的な、イタリア人とアメリカ人の混血で、英語教師。
人妻メアリーと熱烈な恋に落ちる。
モンゴメリー・クリフトの声は、それまで山内雅人が担当する事が多かった。
しかし、後発の水曜ロードショーでは、それまでの吹替キャスティングを変えて放送する事が多く、岸田森の起用となったようだ。







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