【テレビ作品】
昭和50年10月26日(日)、12月21日(日)放映
元禄太平記 第43話、第51話
NHK総合 | |
20時00分〜20時45分(45分) | カラー作品 |
【出演】
石坂浩二(柳沢吉保) | 江守徹(大石内蔵助) | 竹脇無我(柳沢兵庫) | 芦田伸介(徳川綱吉) | 岡田茉莉子(陸) |
若尾文子(染子) | 森繁久彌(水戸光圀) | 小沢栄太郎(吉良上野介) | 木村功
(甲府綱豊、後の徳川家宣) | 片岡孝夫(浅野内匠頭) |
藤岡琢也
(紀伊国屋文左衛門) | 関口宏
(中山安兵衛、後の堀部安兵衛) | | | |
【シリーズ物語】
柳沢吉保(石坂浩二)は、徳川五代将軍綱吉(芦田伸介)から御側用人に取り立てられた。
吉保は、立身出世のために自らの妻に綱吉の側室、染子(若尾文子)を迎えたり、
屋敷に綱吉を招いたりと、あらゆる手を尽くす。
そして、幕閣の第一人者としての地位を築いてゆく。
その頃、将軍が朝廷を迎える儀式典礼の準備で、
浅野内匠頭(片岡孝夫)が吉良上野介(小沢栄太郎)に、殿中で斬りかかる事件が発生する。
事件は、素早く処理され、内匠頭は切腹、上野介は無罪ということになった。
この件は、将軍直々の裁きとはいえあまりにも不公平であり、世間でも片手落ちだと騒ぎ始める。
危機感を抱いた吉保は、上野介を強引に隠居させ、
赤穂の元家老、大石内蔵助(江守徹)の動向を密かに探らせた。
討ち入りが決行され、幕府に対する批判が高まるのを恐れたのだ。
それでも内蔵助は、厳しい監視の中、秘密裏に準備を整え、
たった47人だけで上野介の屋敷に討ち入り、内匠頭のかたきを取ることに成功する。
幕府では、この事件が世間をあまりにも注目させたために、処分に苦しんだ。
しかし、吉保は幕政を守るために、47人の赤穂浪士に切腹を申し付ける。
処刑に対しての反発の声はあまりにも強く、判決を言い渡した吉保へ対する反感は高まった。
幕閣第一人者の地位をなんとしても守り通したい吉保は、
次期将軍に綱豊(木村功)を立て、世継ぎにする事に成功、失点を取り戻せたかに見えた。
しかし、綱豊が行った旧勢力の排除政策により、吉保はあえなく失脚してしまう。
栄華に彩られた元禄時代は、こうして終わった。
【解説】
五代将軍綱吉が在職していた元禄時代を舞台に、
天下泰平の世を揺るがした赤穂浪士の討ち入りを描く、NHK大河ドラマ第13作目。
経済学部教授を続けながら、数々の小説を発表していた南條範夫が原作を担当。
綱吉の寵愛を一身に浴びて、立身出世してゆく側用人、柳沢吉保(石坂浩二)の、権謀術策の施政を軸に、
たまたま同時代に起きた赤穂浪士の討ち入り事件を絡ませて、
元禄の爛熟しきった時代を背景にした人間模様を描いてゆく。
経済学を教えている原作者の作品らしく、
浅野の刃傷事件の原因は、塩の問題が絡む経済戦争だったという新解釈を打ち出している。
【岸田森の役】
荻生徂徠
歴史上の実在の人物。
儒学者、思想家、文献学者として知られている。
柳沢吉保(石坂浩二)に仕え、政治経済を重んじ幕閣政治の基礎を作った。
赤穂浪士の処分を、感情ではなく幕府の威厳を守るために切腹させるべきだと吉保に進言する。
この進言で、大石内蔵助(江守徹)ら赤穂浪士の切腹は決まった。
43話、51話に登場。
関連作品
源義経 第1話〜第4話 (昭和411966 年)
草燃える 全51話 (昭和541979 年)
【各エピソード解説】
昭和50年1月16日(木)
座頭市物語
第14話「赤ン坊喧嘩旅」
フジテレビ放映 | |
20時00分〜20時55分(55分) | カラー作品 |
【出演】
勝新太郎(座頭市) | 大谷直子(お香) | 中山仁(宇之助) | 岸田森(和平次) | 成瀬昌彦 |
原田清人 | 横山あきお | 長沢大 | 志賀勝 | 遠山欽 |
香川明子 | 浅若芳太郎 | 前川哲男 | 中寛三 | 山岡鋭二郎 |
近江輝子 | 宮下有三 | 鈴木朗 | 伊東辰夫 | |
【物語】
和平次(岸田森)は、市(勝新太郎)が乗ったはずの駕篭を襲ったが、そこにいたのは見知らぬ女だった。
女は、亭主の借金の肩代わりに働かされ、年季が切れてやっと里へ帰る途中だったのだ。
女が自分の代わりに斬られたと悟った市は、抱いていた赤ん坊を、里の父親の元へ送り届けることにする。
赤ん坊の父親・宇之助(中山仁)は、今では土地の大親分。
赤ん坊の事など知らないとしらばっくれた。
【解説】
盲目だが、居合い抜きの達人という、勝新太郎の代名詞ともいえる名キャラクター、
座頭市の活躍を描く大ヒット映画シリーズのテレビシリーズ版。
アクション描写よりも、どちらかと言うと人間模様を重点にした作品が多く、
かなり丁寧な製作体制で撮影されており、ゲストの豪華さも含めてかなり見ごたえがある。
中断をはさみながら、全4シリーズ、100話に渡って製作された。
【岸田森の役】
和平次
座頭市に以前、喉を斬られ、その復讐のために市をつけ狙う。
凄腕の使い手だが、喉を斬られているために、全編かすれ声で通している。
青白いメイクアップをしていて、ハードな雰囲気が漂う役作りだ。
最後には市に斬られてしまう。
しかし、手下を盾に使って市に斬りかかったりと、手段を選ばない悪どい手を平気で使う。
岸田森は、テレビの座頭市シリーズに5作品出演している。
関連作品
勝プロダクション
座頭市と用心棒 (昭和45年1970)
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972)
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972)
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973)
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973)
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976)
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976)
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976)
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978)
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978)
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978)
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978)
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978)
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978)
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979)
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980)
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980)
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980)
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981)
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982)
あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984)
昭和50年4月26日(土)
影同心
第4話「欲にからんで殺し節」
TBSテレビ放映(MBS) | |
22時00分〜22時55分(55分) | カラー作品 |
【出演】
山口崇(更科右近) | 渡瀬恒彦(高木勘平) | 范文雀(お佐知) | 金子信雄(柳田茂左衛門) | 岸田森(勝山市之進) |
織本順吉(中屋喜右衛門) | 森崎由紀(くみ) | 島米八(伊之助) | 中村錦司(分銅屋重兵衛) | 内村レナ(娘) |
坂下光一郎 | 大橋一輝 | 那須伸太朗 | 有島淳平 | 大矢敬典 |
美松艶子 | 勝部演之(小田頼母) | 北見治一(佐倉屋善助) | 丹阿弥谷津子(柳田園江) | 芥川隆行(ナレーター) |
【物語】
豪商の息子達三人が、生娘を襲い、乱暴を働いた。
奉行所で取り調べを受けるが、与力勝山(岸田森)の裁きで無罪同様の扱いとなる。
かえって、訴え出た娘の父親、善助が無実なのに死罪になってしまう。
勝山の毒牙は、お佐知(范文雀)にも延びてきた。
お佐知と茂左衛門(金子信雄)の関係を調べ上げ、強請をかけてきたのだ。
お佐知は以前、勝山に手篭めにされた事があった…
【解説】
南町奉行所に勤める昼行灯が、実は裏で法の裁けない悪を始末してゆく闇の「影同心」だったという、
大ヒットした「必殺」シリーズの亜流作品。
この当時、ネット局の大幅な移動によって、
必殺シリーズはTBSテレビ系土曜夜10時からテレビ朝日系金曜日夜に移動してしまう。
そのために、TBSが、今までの視聴者をそのまま取り込もうと、
「必殺シリーズ」の抜けた土曜日の夜10時代に、同趣向の番組を製作したもの。
昭和501975 年5月5日から全28本放映される。
亜流とはいえ、オリジナリティは高く評判も良く、続編『影同心U』が、キャストを一新して、後番組として製作されている。
レギュラーは、山口崇(更科右近)/渡瀬恒彦(高木勘平)/范文雀(お佐知)/金子信雄(柳田茂左衛門)。
【岸田森の役】
勝山市之進
北町奉行の吟味役。金のために、平気で他人を有罪にするかなりの悪人。
過酷な拷問も、当たり前のように行う冷酷な性格。
世の中を斜に構えて見ており、賄賂を贈られてもあまり嬉しがるような事はない。
以前手篭めにしたお佐知(范文雀)と偶然出会い、よりを戻そうとしつこく付きまとう。
ラストは、影同心たちに始末される。
刺された後、酒席に戻り血の入った杯を飲み干して倒れるラストなど、
脂の乗ったきめ細かい芝居を見せている。
関連作品
影同心U 第24話「そして影は去った!!」(最終話)(昭和51年1976)
昭和50年6月23日(月)〜8月11日(月)
ポーラ名作劇場
「黄昏にさようなら」
全8回
NETテレビ | 毎週月曜日放映 |
22時00分〜22時55分(55分) | カラー作品 |