【テレビ作品】


昭和56年1月21日(水)


特捜最前線

第194話 「判事、ラブホテル密会事件!」


テレビ朝日放映  
22時00分〜22時54分(54分)カラー作品
監 督天野利彦脚 本長坂秀佳


【出演】

二谷英明(神代警視正)大滝秀治(船村刑事)本郷功次郎(橘刑事)横光克彦(紅林刑事)夏夕介(叶刑事)
誠直也(吉野刑事)関谷ますみ(高杉婦警)藤岡弘(桜井刑事)左時枝(伊勢綾子)宗方奈美
井上三千男永井玄哉若尾義昭石原由紀子山形政彦
生江和夫福岡康祐佐藤達郎石川洋子山元隆一郎
上平幸忠上平明久田中浩中江真司(ナレーター)福田豊土(桜井修一郎)
岸田森(桜井道夫)    


【物語】

桜井刑事(藤岡弘)の長兄で、判事の修一郎(福田豊士)が、
公判中の被告、綾子(左時枝)をラブホテルに連れ込んだとして訴追委員会に掛けられることになった。
次兄で弁護士の道夫(岸田森)は、修一郎本人の反対を押し切って強引に弁護人になる。
桜井刑事も休職して真相解明に乗り出そうとするが、
特命課の神代課長(二谷英明)はそれを許さず、正式に調査するよう命令した。
桜井刑事は、綾子を密かに監視する男を捕まえる。
それは、修一郎によって潰された暴力団の元組員だった。


【解説】

神代警視正(二谷英明)率いる特命課の活躍を描いた長寿刑事ドラマ。
今回は、桜井刑事のもう一人の兄が登場、検事、弁護士、刑事という立場の違いから来る軋轢などが描かれている。
兄弟が三人揃っての出演は今回のみ。
また、第165話
「隣にいた絞殺魔!」(昭和55年1985 6月4日(水)放映)の劇中セリフで語られていた父の正規(永井智雄)は、
第46話「判決!私を売った女!」で、すでに登場している。
ちなみに、この頃の特命課は、
神代恭介警視正(二谷英明)、橘剛警部(本郷功次郎)、桜井哲夫警部補(藤岡弘)、紅林甚一警部補(横光克彦)、
叶旬一警部補(夏夕介)、船村一平警部補(大滝秀治)、吉野竜次巡査長(誠直也)、高杉幹子巡査(関谷ますみ)で構成されていた。


【岸田森の役】

桜井道夫

桜井道夫:「特捜最前線」三度目のゲスト出演。
第165話「隣にいた絞殺魔」に引き続き、桜井(藤岡弘)の兄役として、二度目にして最後の登場。
今回は、サングラスをかけて登場。
相変わらず目的のためには被告を買収しようとしたりと、手段を選ばない。
公の場では前回同様厳しい喋り方だが、兄弟だけになると、優しい喋り方になるコントラストをつけた演技をみせる。
大変印象的なキャラクターなので、もう少し岸田森が長生きしていたら、道夫役で何回も登場出来ただろうと考えると、非常に残念だ。


関連作品

特捜最前線 第20話「刑事を愛した女」 (昭和521977年)
特捜最前線 第165話「隣にいた絞殺魔!」  (昭和551980年)








昭和56年2月7日(土)〜昭和57年1月30日(土)放映


太陽戦隊サンバルカン 全50話


NHK総合毎週土曜日放映
18時00分〜18時30分(30分)カラー作品
原 作八手三郎



【レギュラー出演】

川崎龍介(バルイーグル/大鷲龍介)五代高之(新バルイーグル/飛羽高之)杉欣也(バルシャーク/鮫島欣也)小林朝夫(バルパンサー/豹朝夫)根本由美(嵐山美佐)
岸田森(嵐山長官)北川たか子(ゼロワン)東まり子(ゼロツー)宇田川由紀(ゼロスリー)広京子(ゼロフォー)
山田隆夫(矢沢助八)曽我町子(へドリアン女王)賀川雪絵(アマゾンキラー)大平透(ナレーター) 



【解説】


『バトルフィーバーJ』(昭和54年1979 )から続く戦隊ヒーローもの第3弾。
北極の氷河内にある人類の敵、機械帝国ブラックマグマと戦う3人の太陽戦隊サンバルカン達の活躍を描く。
物語の基本的なパターンは次の通り。
機械帝国の企みを察知した太陽戦隊達が、機械と生物が合わさったモンガーと戦い、必殺技バルカンボールで打ち破る。
一旦倒されたモンガーは巨大化して大暴れ、
サンバルカンたちも基地から発進してきた巨大空母ジャガーバルカンに搭載されている、サンバルカンロボに搭乗、戦いをいどむ。
ほとんどがこの通りに展開し、アクション共々非常にパターン化された明確な絵づくりを行っている。
今までの戦隊シリーズとの違いは、生物だった敵を機械生命体に設定した点で、
これは残酷で低俗だという批判をかわすために行われたことだった。
この設定が功を成し、親子で楽しめる作品に仕上がっている。
また、前シリーズ『電子戦隊デンジマン』(昭和55年1980 )の世界観を引き継いでおり、続編とも言って良い展開を見せる。
(現在では『秘密戦隊ゴレンジャー』(昭和50年1975 〜52年1977 )から数えて、戦隊シリーズ第5弾とされている)


【岸田森の役】

嵐山長官


太陽戦隊サンバルカンの長官。
機械帝国と戦うために、地球平和守備隊の中に、太陽戦隊サンバルカンを作った。
普段はスナック・サファリのマスターとして生活しているが、
一度事件が起きるとスナックの地下から基地へと赴き、長官としてサンバルカンたちに命令を下すという二重生活をしている。
マスターの時は、カレーライスの作り方に非常にこだわり、子供達を集めてベーゴマや竹とんぼ等で遊ぶ江戸っ子の役で、
わざとコミカルな芝居を試みている。
しかし、一度長官になりサングラスを掛けると、江戸弁が消え、命令口調でサンバルカンたちを指揮する。
この落差が、番組の面白さの一つだった。
シリーズ前半では、岸田森はロケに出たり、変装を見せたりとかなり活躍をするが、
後半はセット内のみの出演となり、あまり活躍しなくなるのが残念。
ただし、最終回では北極の機会帝国まで乗り込み、全能の神を破壊する大活躍をみせる。



【各エピソード解説】

第1話「北極の機械帝国」 第2話「人類が消滅する日」第3話「日本に挑む鉄の爪」
第4話「少年探偵とスパイ」第5話「邪悪な太陽神」第6話「機械の支配する家」
第7話「野獣バッターと涙」第8話「父が歌う手まり唄」第9話「怪物になったパパ」
第10話「待ちぶせ毒ぐも館」 第11話「哀しみのメカ少女」第12話「ダイヤを食う女王」
第13話「生命を持つ黒い玉(ブラックボール)」第14話「地球が降伏する日」 第15話「女王の欲ばり踊り」
第16話「悪魔が校庭を走る」第17話「怪談!お化けの谷」第18話「びっくり大スター」
第19話「危険な100点少年」第20話「機械レスラーの罠」第21話「潮風がはこぶ愛」
第22話「東京大パニック!」第23話「銀河魔境の女隊長」 第24話「浜名湖のネッシー」
第25話「ドッキリ海蛇の穴」第26話「ハラペコ満腹料理」第27話「真夏の夜の大恐怖」
第28話「助八は敵か味方か」第29話「美剣士白バラ仮面」第30話「大暴れ夢の大怪獣」
第31話「大東京シビレ音頭」第32話「顔泥棒を逮捕せよ」第33話「憎いおしゃれ泥棒」
第34話「呪われた亡霊たち」第35話「友達!?クカラッチャ」第36話「エスパー」
第37話「日見子よ」第38話「豹朝夫のおやじ殿」第39話「尻もちおてんば娘」
第40話「なかよし暗殺天使」第41話「七化けドロンパ狸」第42話「寝坊少年の白昼夢」
第43話「君も天才になれる」第44話「大脱走・ヘリ爆破」第45話「銀河無敵の電気男」
第46話「女隊長の※作戦」(〇の中に「秘」)第47話「機械帝国の反乱」第48話「奪われた巨大空母」
第49話「女王最期の妖魔術」第50話「輝け北極オーロラ」(最終回) 









昭和56年3月10日(火)〜3月12日(木)


ピーマン白書(未放映分)

第6話〜第8話


フジテレビ放映 
24時35分〜25時28分(53分)カラー作品

【レギュラー出演】

坂井裕一(夏目三太郎)中条静夫(森武士校長)岸田森(幸田睨教頭)今井健二(山崎豊)ふとがね金太(D・J)
林ゆたか(大野)吉田日出子(Xの声)樋口可南子(美川涼子)ハナ肇(尾崎光)遠藤義徳(川上杉作)
山添三千代(神幸子)柿崎澄子(木下孝子)河端未知(星八百子)比企理恵(花村京子) 



【解説】

昭和55年1980 に放映された
『ピーマン白書』の未放映分を、深夜枠で放映したもの。
鳴り物入りで放映されたが、あまりの低視聴率にたった6話で打ちきられてしまった同番組は、
三本の未放映作品を残しており、それを、突如深夜に放映した。
今回は、杉並八中の生徒達が、神戸から北陸へ向かう部分。
この番組は、一話完結の形をとってはいるがストーリーは続いており、
今回の放送では、第1話「大脱走!みんなで逃げればこわくない」(昭和55年1980 10月4日(土)放映分)の再放送を
第6話「カモネギだ・この快感がケガのもと!」の前日の同時間帯に放映して話をつなげている。
ただ4本も抜けると、やはり話が飛んでしまうのは免れなかった。
また、放映終了の翌日には、最終回「仰げば尊し我が師の恩」(昭和55年1980 11月22日(土)放映分)を連続して再放映している。
この再放映のみ、放映開始時間が24時55分からと遅くなっていた。


【岸田森の役】

幸田睨

脱走した生徒達が通学していた杉並八中の教頭。
校長の片腕を自認し、反抗するものは断固として許さない性格。
「わかってない!」が口癖。
口を一直線に結び、般若のような顔をする癖がある。
生活主任の山崎(今井健二)と常に張り合い、あわよくば校長の椅子をと狙っている。
極端にデフォルメされたキャラクターで、生徒達を追いかけるのに、バラエティーに富んだ変装をするのが毎回の見せ場だった。
ただし、何故変装するのかは、まったく不明。
岸田森は、非常に楽しんで芝居をしていたようで、悪乗りがすさまじく、第5話ではなんと女装まで見られる。
番組が打ち切られたのが、本当に残念だ。



【各エピソード解説】

第6話「カモネギだ この快感がケガのもと!」 第7話「幽霊たちの修学旅行 京都で笑え!」 第8話「我は湖の子 さすらいの」








昭和56年3月12日(木)


木曜ゴールデンドラマ

「大誘拐 陽気なお婆ちゃんの身代金は何と百億円!」


日本テレビ放映(YTV)  
21時02分〜22時54分(112分)カラー作品
監 督山本迪夫原 作天藤真脚 本松木ひろし


【出演】

藤岡弘(健次)水の江滝子(とし子)小倉一郎(三宅平太)平泉征(秋葉正義)岸田森(井狩)
弓恵子(邦子)立枝歩(紀美)園田裕之西山辰夫高橋和枝
小鹿番    


【物語】

紀州一の富豪、柳川家の総帥とし子(水の江滝子)が誘拐される。
誘拐犯三人組は、大阪の刑務所仲間の健次(藤岡弘)、正義(平泉征)、平太(小倉一郎)だった。
事件を知った県警本部長の井狩(岸田森)は、恩義のあるとし子の誘拐に、烈火のごとく怒り狂う。
一方、誘拐犯は身代金でもめていた。
三人で五千万円にしようと相談しているところに、当のとし子が割り込んできて、
私の価値はそんなに安くない、百億円にしなさいという。
数日後、柳川家にとし子の筆跡で百億円の身代金を要求する手紙が届く。
しかも、これからの連絡は、全てテレビとラジオの全国中継にしろと書かれてあった。



【解説】

昭和54年度の推理作家協会賞を受賞した、天藤真のベストセラー小説「大誘拐」のドラマ化。
紀州の山林を舞台に、奇想天外な誘拐事件が繰り広げらる。
後に岡本喜八監督が平成3年1991 に映画化、スマッシュヒットを飛ばした。
その時は、とし子を北林谷栄、健次を風間トオルが演じている。

『木曜ゴールデンドラマ』は、日本テレビが2時間テレビドラマブームに乗って作り上げたドラマ枠。
内容はサスペンスに限らず、文芸作品なども取り上げ、題材は多彩だった。
しかし、裏番組に、当時人気絶頂だった『ザ・ベストテン』(TBS放映)があったので、視聴率は思ったより良くなく、
同じ日本テレビが放映した2時間枠『火曜サスペンス劇場』程は長く続かなかった。
新聞発表タイトルは「大誘拐 陽気なお婆ちゃんの身代金はなんと百億円!犯人の要求は奇想天外!!」。

【岸田森の役】

井狩県警本部長

和歌山県警の本部長。以前とし子(水の江滝子)に世話になっていたので、誘拐事件発生に怒り狂い陣頭指揮をとる。
しかし、井狩の性格を知り尽しているとし子に全て裏をかかれてしまい、翻弄されてしまう。
映画のドラキュラシリーズ等で組んだ、山本迪夫監督との相性も良く、楽しそうに騙される役を演じていた。
ちなみに、平成3年1991 に製作された岡本喜八監督の映画版では、この役を緒形拳が演じている。


関連作品

山本迪夫

東京コンバット 第3話「銀色の死刑台」 (昭和43年1968
呪いの館 血を吸う眼          (昭和46年1971
火曜日の女「木の葉の家」全6回     (昭和47年1972
血を吸う薔薇              (昭和49年1974
「追悼岸田森 山本迪夫」        (昭和58年訃報1983


木曜ゴールデンドラマ

木曜ゴールデンドラマ「五瓣の椿」     (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「妻の殺意」     (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ 「黄昏の愛と憎しみ」(昭和57年1982







昭和56年3月24日(火)

旅がらす事件帖
第24話「怒りに血煙る甲州路」


フジテレビ放映(KTV)  
22時00分〜22時54分(54分)カラー作品
監 督原田雄一脚 本星川清司


【出演】

小林旭(神保直次郎)夏純子(志寿太夫)三浦洋一(九鬼隼人)尾藤イサオ(与之助)十勝花子(おわか)
山本ゆか里(小春)佐久間宏則(忠吉)藤岡洋右(三次)水野恵(おみね)田沢陽子(おとよ)
日下武史(ナレーター)長門裕之(尾上兵左衛門)小沢栄太郎(阿部伊勢守)永島暎子(おたき)三浦真弓(須麿)
堀内正美(鷹千代)望月太郎(板倉伝七郎)広田正光(六造)大後守(桑山)中村裕
田中耕三郎持原洋樹平子雅章大林丈史(蜘蛛手)玉村駿太郎(叶屋平八)
岸田森(都田一閑)    


【物語】

直次郎(小林旭)は、甲州石切宿で何者かに追われる女おたき(永島暎子)を匿う。
女は、鬼館と呼ばれる屋敷に連れて行かれた恋人板倉(望月太郎)を追っていた。
鬼館とは、連れて行かれると生きて帰ってこられないという噂のある屋敷だった。
屋敷の主、甲府中納言の若殿、鷹千代(堀内正美)は、男女を問わず拷問にかけて快楽にふけるという狂人。
ちょうど石切宿にやって来た志寿太夫(夏純子)を拉致してしまう。
直次郎は鬼館へ救出に向かった。



【解説】

小林旭初のテレビ時代劇シリーズ。
天保年間、関八州の三千石の旗本、神保直次郎(小林旭)は、
時の老中、阿部伊勢守(小沢栄太郎)の密命を受け、東海道などの五街道の治安のために特命道中奉行になる。
一本どっこの旅がらす、お祭り直次郎に身をやつし、
女芸人、志寿太夫(夏純子)が座長をつとめる湯島天神太鼓一座と一緒に諸国を流れ歩く。
小林旭の代表作、映画「渡り鳥シリーズ」の時代劇版を狙った番組で、
製作中は「夕陽の渡り鳥」というそのままの仮題がつけられていた。
また、小林旭の芸能生活25周年にもあたり、9年ぶりのテレビレギュラー出演にも話題が集中した。
このエピソードは、かなりホラーテイストあふれる作品である。


【岸田森の役】

都田一閑

甲府中納言の子、鷹千代(堀内正美)の守り役。
実質的に鬼館を仕切っている。
もう一人の守り役、須麿(三浦真弓)と関係を持つ。
その須麿と、鷹千代の間に世継ぎを作らせて利権を牛耳ろうと企むが、最後には直次郎(小林旭)に斬り捨てられる。
ぞんざいな態度や、取り憑かれたような変わった歩き方など、細かい役作りは相変わらずだ。
堀内正美が演じる鷹千代が、まるで
『おんな極悪帖』(昭和451970 年)で岸田森が見せたような狂った演技を見せる。
後に、実相寺昭雄監督作品で、岸田森を彷彿させる役を数多く演じる堀内正美がこのような演技を見せるところが興味深い。








昭和56年4月2日(木)


木曜ゴールデンドラマ

「五瓣の椿」


日本テレビ放映(YTV)  
21時02分〜22時54分(112分)カラー作品
監 督鶴橋康夫原 作山本周五郎脚 本服部佳


【出演】


大原麗子(しの)名高達郎(青木千之助)中島久之(徳次郎)白川和子(おはな)岸田森(海野得石)
明石家さんま(菊太郎)小鹿番小坂一也仲谷昇(喜兵衛)六本木真
奥野匡浦川麗子大谷一夫谷津勲中村玉江
百瀬三那子土屋萠子右京孝雄番場恵介黒川明子
山田吾一(佐吉)加賀まり子(その)三國連太郎(源次郎)  


【物語】


日本橋薬種問屋の娘おしの(大原麗子)は、危篤状態の父親、喜兵衛(仲谷昇)のたってもの願いで、
駕篭を仕立てて母おその(加賀まり子)のいる別宅へと連れてゆく。
しかし、無理がたたって、父は途中で息絶えてしまう。
母、おそのは、仕事一筋の喜兵衛が我慢できず、別宅で役者崩れの菊太郎(明石家さんま)を囲って、遊んで暮らしている。
そこへ、到着した父の死体を見た母は、おしの本当の父親は、丸梅屋源次郎(三國連太郎)と話す。
それを聞いたおしのは、夜中に別宅に放火、おそのと菊太郎を焼き殺してしまう。
母おそのと関係を持ち、父親喜兵衛を苦しめた男達を、おしのは復讐のために次々と殺し始めた。



【解説】

木曜ゴールデンドラマ2度目の出演。
この頃は、長時間ドラマのブームで、最高週に5本放映されるまでなる。
岸田森始めたくさんの役者達が動員され、シリーズ物では見られない豪華なキャスティングを楽しませてくれた。
「五瓣の椿」は、山本周五郎の名作小説をドラマ化したもの。
天保年間、町娘おしの(大原麗子)が、けなげに復讐を遂げてゆく姿を描く。
父親が生前、病床で漏らした言葉に出てきた椿の花を、復讐を遂げた時に、けなげにも必ず置いてくる。
大原麗子が、18歳の町娘を演じたことに話題が集中した。
新聞発表タイトルは、「五瓣の椿 復讐に燃える女の怨念」



【岸田森の役】

海野得石

怪しげな治療で、商家のおかみさん達に金を貢がせている蘭学医で婦人科専門。
以前は蘭学医の助手をしていたが、見様見まねで始めた婦人科が大当たりして、身代を築き上げた。
おしの(大原麗子)の母親おその(加賀まり子)とも関係があり、偽名を使ったおしのに復讐され殺される。
じっくりとしたセリフ回しで、おしのに言い寄る様子が描かれていた。
変質者的な芝居が楽しい。



関連作品

木曜ゴールデンドラマ

木曜ゴールデンドラマ「妻の殺意」     (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「大誘拐 陽気なお婆ちゃんの身代金は何と百億円!」 (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ 「黄昏の愛と憎しみ」(昭和57年1982







昭和56年4月18日(土)

土曜ワイド劇場
「濡れた心 レズビアン殺人事件」


テレビ朝日放映  
21時02分〜22時51分(109分)カラー作品
監 督瀬川昌治原 作多岐川恭脚 本山浦弘靖


【出演】

大場久美子(小村トシ)谷川みゆき(南方寿利)一ノ瀬康子(御厨典子)南条弘二(盾)江見俊太郎
飛鳥裕子(河合悦子)木村元(山岡刑事)長沢大左幸子(御厨賤子)久木念
藤悦子波多江清木内マキ佐藤功峰健太
岸田森(野末兆介)賀原夏子(御厨芙子)太川陽介(小村鈞一)  


【物語】


女子学園内で、英語教師、野末(岸田森)の射殺死体が発見される。
事件が起きた学園は、担当の小村刑事(太川陽介)の妹トシ(大場久美子)が通っている学校でもあった。
調べによると、野末は女子生徒を次々と毒牙に掛け、
射殺された時にも、水泳部員の御厨典子(一ノ瀬康子)と会う約束をしていた事が判明した。
偶然にも、典子はトシの親友だった。
捜索の結果、資産家である御厨家からは、使用した形跡のある拳銃が発見された。
そして、典子の婚約者を自称する盾(南条弘二)までもが殺されるという事件が起きる。
その頃、野末を撃った弾が発見される。
それは、小村刑事の拳銃から発射されたものだった。
小村は、妹トシが、親友典子の事をけなげに庇っていた事を思い出した…。



【解説】

国際放映が製作した土曜ワイド劇場の一本。
「春の名作推理第3弾!」としての放映。
原作は江戸川乱歩賞を受賞した多岐川恭の「濡れた心」。
清純派アイドルだった大場久美子が、初の汚れ役に挑んだことが話題になった。
タイトルの通り、女子高内のレズビアンが描かれ、かなりヌードシーンが多いのも特徴である。
DVD発売タイトルは「大場久美子 濡れた心〜レズビアン殺人事件〜」。



【岸田森の役】

野末兆介


名門女子高の英語教師。39才。
女子生徒達に次々と手を出すプレイボーイ。
あまりにもキザで感じが悪く、まわりからかなり警戒されている。
水泳部のコーチ、悦子(飛鳥裕子)と関係を持ちながら、
典子(一ノ瀬康子)自宅に特別に呼んでレッスンをしたりする。やり方も相当強引。
最後には、典子を庇おうとしたトシ(大場久美子)に射殺される。
しかも、この時、典子の母賤子(左幸子)も、野末を刺し殺そうと狙っていた。相当憎まれていたらしい。
感情をあまり表に出さず、落ち着いた喋り方でじっくり迫る演技が印象的。



関連作品


土曜ワイド劇場

土曜ワイド劇場「青春の荒野」 (昭和53年1978
土曜ワイド劇場「歪んだ星座 受験戦争連続殺人」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「死刑台のロープウェイ」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「結婚しない女 死の羽田発397便」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場 「殺しの連鎖反応 −努力しないで出世した男−」(昭和58年1983









昭和56年5月1日(金)

時代劇スペシャル
「着ながし奉行」


フジテレビ放映  
20時02分〜21時48分(106分)カラー作品
監 督岡本喜八原 作山本周五郎脚 本岡本喜八松島利昭


【出演】

仲代達矢(望月小平太)中谷一郎(堀郷ノ助)近藤洋介(安川雄之助)岡本富士太(柾木剛)岸田森(佐渡)
草野大悟(五十吉)天本英世(市川六左衛門)浜田寅彦北村英之堀内一市
中村錦司永野辰弥市川男女助北原将光疋田泰盛
役所広司大橋泰之増岡徹杣山久美西園寺章雄
加茂雅幹沖ときお堀北幸夫松尾勝人辻喬次郎
八重垣百合山口朱実松谷令子和田かつら倉谷礼子
山村嵯都子殿山泰司(小助)今福将雄(中井勝之助)浅茅陽子(お玉)神崎愛(小勢)
小沢栄太郎(巴の太十)    


【物語】

享和年間、西尾藩の城下町には「壕外」と呼ばれる無法地帯があった。
手を焼いた藩主は、”着ながし小平太”と異名をとる望月小平太(仲代達矢)を江戸から呼び寄せる。
ところが、小平太は奉行所には出仕せず、壕外に出入りして、酒と喧嘩に明け暮れる毎日。
ヤクザ達と兄弟分の盃を交わし、親分衆の孫娘お玉(浅茅陽子)とも仲よくなる。
小平太は、壕外の大掃除を企んでいたのだ。
しかし、藩の重役の中には、壕外から甘い汁を吸っているものもいる。
危機感を抱いた彼らは、小平太を暗殺しようと刺客を差し向けた。



【解説】

遊び人に身をやつして、自ら悪の巣窟に乗り込んでゆく町奉行の活躍を描く、山本周五郎原作「町奉行日記」を岡本喜八監督がドラマ化。
岡本喜八監督作品の常連たちが、手堅くとぼけた芝居を見せてくれて、2時間がアッという間に過ぎてしまう楽しい作品である。
時代劇スペシャル第三作目としての放映。
『土曜ワイド劇場(テレビ朝日)』『木曜ゴールデンドラマ(日本テレビ)』に続く三本目の2時間ドラマ枠。
時代劇が放映されていない金曜日に放映枠を設定し、
今まであった『ゴールデン洋画劇場』枠を、金曜日から土曜日へと移動、
テレビ朝日の2時間ドラマ「土曜ワイド劇場」とぶつけるという念の入れようだった。

放映時間は夜8時からに設定。
主婦などの幅広い層を狙い、お馴染みの題材を多く取り上げることで視聴率を稼ごうとした。
結局2年ほどで終了してしまうが、時代劇のスターを数多く起用、豪華な作品を多く残した。

原作「町奉行日記」は、ほかの監督で何回か映像化の企画はあったが、
昭和351960 年の『東芝日曜劇場』以来、この時まで実現していなかった。
後に、テレビでは昭和621987 年に山下耕作監督、平成31991 年に工藤栄一監督が単発スペシャルを。
映画では平成122000 年に市川崑監督『どら平太』として映像化されている。


【岸田森の役】

佐渡

壕外の親分衆に草鞋を脱いでいる用心棒。
小平太(仲代達矢)の命を狙う。
親分衆たちが小平太の説得で立ち退くのを見て、浪人達を組織し、壕外の乗っ取りを図る。
最期は、小平太との一騎打ちに破れて斬り捨てられた。
長髪で、黒い羽織に女物の着物という不気味な格好で、小平太を付け狙う。
セリフは少な目で、浪人達が切り合っている時に、一人静に佇んでいたりする不気味なキャラクター。
初登場シーンの不気味さは特筆すべきものがあった。
ちなみに、女物の着物を着るというアイデアは、岸田森自身のもの。



関連作品


岡本喜八

斬る  (昭和43年1968
赤毛  (昭和44年1969
座頭市と用心棒 (昭和45年1970
激動の昭和史 沖縄決戦 (昭和46年1971
にっぽん三銃士 おさらば東京の巻 (昭和47年1972
青葉繁れる (昭和49年1974
吶喊(とっかん) (昭和50年1975
金曜スペシャル「時効まで後26日!実録・三億円事件」 (昭和50年1975
姿三四郎  (昭和52年1977
ダイナマイトどんどん  (昭和53年1978
ブルークリスマス  (昭和53年1978
英霊たちの応援歌  (昭和54年1979
近頃 なぜか チャールストン  (昭和56年1981


時代劇スペシャル

時代劇スペシャル「御金蔵破り」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」(昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」 (昭和57年1982
時代劇スペシャル「闇の傀儡師」 (昭和57年1982
時代劇スペシャル「地獄の左門 十手無頼 将軍暗殺!」 (昭和58年1983
時代劇スペシャル「お庭番秘聞 暗殺者」(昭和58年1983







昭和56年5月4日(月)〜7月3日(金)


しづの生涯

全45回


TBSテレビ毎週月曜日〜金曜日放映
13時00分〜13時30分(30分)カラー作品
原 作三浦哲郎脚 本岡本克巳


【出演】

大空真弓(しづ)岸田森(英行)浜田光夫(五郎)草野大悟(一造)二木てるみ(つゆ)
文野朋子(ため)三戸部スエ(甲山たけ)垂水悟郎(謙之助)二宮さよ子(政子)佐々木敏(新井)
斎藤史絵子(容子・幼年)山添三千代(容子)森田順平(秀夫)矢野勇生(良夫)黒田福美(いさ子)
岡本真(小田健)    


【解説】


明治の青森を舞台に、青森県八戸で初めて助産婦の資格を取ったしづの生涯を「花王愛の劇場」枠で映像化。
全9週間、45回放映された。
原作は、昭和42年に発表された三浦哲郎の「しづ女の生涯」。
原作者が、モデルとなった亀徳しづさんからの聞き書きでまとめられた作品で、
三浦哲郎自身も、実はこのしづさんにとりあげられた一人。
前立教大学総長、松下正寿の母親に当たる。
ヒロインの大空真弓は、岸田森と小学生時代の同級生で、初恋の人と共演という事が話題となった。



【岸田森の役】

英行


しづ(大空真弓)と結婚するが、しづの完全さに物足りなくなり、外に女を作り失踪してしまう。
しかも、隠し子をしづに押し付けたりと、ヒロインを悩ませ続けた。
最後は、年を取って一人寂しく、しづの元に帰ってくる。
東京の九段小学校で、3年生から5年生まで同級生だった初恋の人大空真弓との共演は、
長年芝居をやり、あらゆる役を演じた岸田森でさえテレてしまい、初日は大変だったという。
役者的な嘘はつけないし、最後にしづの元に戻ってくる時の芝居が、一番難しいと、インタビューで語っている。


関連作品


大空眞弓

激動の昭和史 沖縄決戦 (昭和46年1971
土曜ワイド劇場「死刑台のロープウェイ」(昭和54年1979
雑誌記事「再燃が心配!?大空真弓と岸田森の仲」 (昭和56年1981
新聞記事「ハイ!本番 「『しづの生涯』の岸田森 初恋の大空と共演 30年ぶり…テレる」(昭和56年1981
エッセイ「同級生交歓 俳優大空真弓 俳優岸田森」 (昭和56年1981








【各エピソード解説】


第1週 第2週第3週 第4週第5週
第6週第7週第8週第9週






昭和56年6月4日(木)


江戸の用心棒

第10話「刺客と恋人」


フジテレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督高瀬昌弘原 作藤沢周平脚 本国弘威雄


【出演】

古谷一行(青江又八郎)田中健(米坂八内)中井貴恵(由亀)渥美国泰(喜左衛門)岸田森(曾部)
梅津栄(辰市)浜田晃三宅邦子(すが)三島ゆり子中村錦司
重久剛一多賀勝倉島襄田中弘史桐原五月
暁新太郎遠山二郎東悦次町田米子宮川珠季
笑福亭仁鶴(近江屋吉蔵)夏木勲(細谷源太夫)   


【物語】

又八郎(古谷一行)は、国許からの刺客、曾部(岸田森)に襲われる。
藩内の陰謀を知る又八郎を、密かに葬り去ろうとしていたのだ。
そんな時、又八郎は、江戸へ密かに来ていた由亀(中井貴恵)と再会する。
由亀の父親は、藩内の陰謀に加担していたために、やむをえず又八郎に斬られ、
そのために彼は国許を出奔することになってしまったのだ。
由亀は、父の死の事情を知っていたので、又八郎を怨んでいなかった。
一方、刺客たちは由亀を人質にとり、又八郎一人で江戸屋敷に来るように脅迫してくる。


【解説】

藤沢周平の連作短編時代劇「用心棒日月抄」を原作としたテレビシリーズ。
  元禄の世、忠臣蔵の時代を背景に、
権力争いに巻き込まれて、許嫁の父親をやむをえず斬って国許を出奔した青年剣客、青江又八郎(古谷一行)の活躍を描く。
江戸では、国許からの刺客に命を狙われながら、
口入れ屋吉蔵(笑福亭仁鶴)の口利きによって用心棒稼業を続けるのだった。

レギュラーに、江戸で出会った仲間、細谷源太夫(夏木勲)と、
原作にはいないテレビシリーズオリジナルのキャラクター、米坂八内(田中健)がいる。
この「刺客と恋人」は、原作ではクライマックスに当たるエピソードで、赤穂浪士討ち入りの後に国許に帰ってからの話となる。
クライマックスを中盤に持ってきた事で、
後の展開が、原作を知っている視聴者にも興味が湧くようにしてシリーズ構成されていた。
昭和561981 年4月2日から、全26話放映。

この原作は、平成元年1989 年に杉良太郎、平成4年1992 には村上弘明(『腕におぼえあり』)、
平成91997 年には小林稔侍主演で映像化されている。


【岸田森の役】


曾部孫太夫

藩主を毒殺する陰謀を巡らせていた大富派の一人。
又八郎(古谷一行)を暗殺するために国許、奥州高沢藩から送られてきた刺客。
剣の使い手で、冷酷なキャラクターだが、実際に人を殺めるシーンは、このエピソードにはなかった。
国許で自らを江戸へと派遣した大富派が失脚し、又八郎を襲う理由が無くなった後でも、
又八郎に、意地とメンツのために決闘を申し込む。
源太夫らの加勢で決闘に敗れ、捨てゼリフを残して逃げ去ってゆく。
いかにも再登場予感させる去り際だったが、その後は全く登場しなかった。









昭和56年6月12日(金)


時代劇スペシャル

「御金蔵破り」


フジテレビ放映  
20時02分〜21時48分(106分)カラー作品
監 督田中徳三原 作高岩肇野上龍雄石井輝男脚 本志村正浩


【出演】

若山富三郎(大蛇の富蔵)宇津宮雅代(おこう)岸田今日子(お仙)林与一(半次)花沢徳衛(勘兵衛)
岸田森(神谷帯刀)梅沢昇(弥太五郎)金子研三(嘉助)関山耕司(牢名主)川本勝久(紋太)
水谷亜希子(おくみ)近衛れい子(お民)井沢明子(お千代)末永容子(さよ)日尾孝司(竹造)
丹治勤(将軍)秋山勝俊(伝造)中村錦司(林肥後守)村居京之輔高山成夫
工藤英夫手嶋秀人福本清三毛利清二笹木俊志(河野)
矢部義章志茂山高也森源太郎藤沢徹夫大月正太郎
岡島艶子藤長照夫壬生新太郎  


【物語】


錠前破りの名人、大蛇の富蔵(若山富三郎)が、五年の刑を終えて出所してきた。
だが、近ごろ頻発している錠前破り事件を、富蔵の仕業と睨んだ目明の勘兵衛(花沢徳衛)はしつこくつきまとっていた。
実は、富蔵は江戸城の御金蔵を破るという大仕事を計画していた。
そして、牢の中で知りあった遊び人の半次(林与一)に協力を頼んでいた。
細大の注意を払って計画を進める二人だが、ふとしたきっかけで弥太五郎一家に計画を嗅ぎ付けられてしまう。



【解説】

時代劇スペシャル岸田森2度目の登場。東映製作。
昭和391964 年に、片岡千恵蔵、大川橋蔵のコンビで、石井輝男監督が映像化した東映映画を、
同じ東映が時代劇スペシャル用にリメイクした作品。
父親が、佐渡の金山で虫けらのように殺された過去を持つ、錠前破りの名人大蛇(おろち)の富蔵(若山富三郎)が、
その怨みをはらすために、江戸城の御金蔵を狙うという前代未聞の計画を立てる。
ストーリーは、当時大ヒットしたジャン・ギャバン、アラン・ドロン共演作品『地下室のメロディ』(1962)を下敷きにしている。
ラストシーンでの、半次(林与一)とおこう(宇津宮雅代)のすれ違いなど、いかにもフランス映画らしい。
後に『新・御金蔵破り』(昭和571982 年)『御金蔵破り 家康の首』(昭和581983 年)の2本の続編が『時代劇スペシャル』で放映された。
岸田森の出演しているのは、一作目のみ。
ちなみに、実際の江戸城御金蔵は、数回破られたらしい。


【岸田森の役】

神谷帯刀

半次(林与一)の兄。江戸城の警備を担当している。
出世のために、上司の出戻り娘を妻に貰い権力にしがみつく、小役人根性むき出しのキャラクター。
富蔵(若山富三郎)の計画に乗り気ではなかった半次も、兄、帯刀の卑屈さを見て、
その反感から御金蔵破りを決意するほどである。
富蔵や半次たちと、全く正反対のキャラクター。

腕っぷしは弱く、ラストの立ち回りでは、なさけなく転んだり、火縄銃が怖くて動けなくなったりと実にだらしがない。
出番はそんなに多くはないが、物語のポイントとなる役である。


関連作品

若山富三郎

子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心(昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなんしの子守唄」(昭和48年1973
時代劇スペシャル「御金蔵破り」(昭和56年1981
ドラマ人間模様「新事件 わが歌は花いちもんめ」全5回 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」(昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「黄昏の愛と憎しみ」(昭和57年1982
制覇 (昭和57年1982


時代劇スペシャル

時代劇スペシャル「着流し奉行」(昭和56年1981
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」(昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」 (昭和57年1982
時代劇スペシャル「闇の傀儡師」 (昭和57年1982
時代劇スペシャル「地獄の左門 十手無頼 将軍暗殺!」 (昭和58年1983
時代劇スペシャル「お庭番秘聞 暗殺者」(昭和58年1983








昭和56年9月6日(日)〜10月4日(日)


ドラマ人間模様

新事件 わが歌は花いちもんめ 全5回


NHK総合毎週日曜日放映
20時50分〜21時35分(45分)カラー作品
原 案大岡昇平脚 本早坂暁



【解説】

菊地弁護士が活躍する、年一本製作されるシリーズの第4弾。
被害者、加害者とも身元が確証されない、奇妙な「幽霊裁判」を描く。
原案を大岡昇平が担当。
演出は、脚本の早坂暁と組んで『夢千代日記』(昭和561981 年)を成功させた深町幸男らが当たる。
毎回、シリーズで一つの事件の弁護に当たる形式を取っており、
第1弾「事件」(昭和531978 年)では丹波義隆、
第2弾『続事件』(昭和541979 年)では中村玉緒、
第3弾『続・続事件 月の景色』(昭和551980 年)では佐藤浩市が弁護された。
この後、第5弾『新事件 ドクター・ストップ』(昭和571982 年)
第6弾『新事件 断崖の眺め』(昭和591984 年)まで、全6シリーズ製作される。
レギュラー出演者として、菊地弁護士のしっかり者の娘志那子に高沢順子、甥で助手もつとめる武志に草野大悟。



【岸田森の役】

一色達男検事

自称原田昭一(ケーシー高峰)の事件を担当する事になった検察側の検事。
きびきびとして、やり手というイメージで登場。
人情味あふれる菊地弁護士(若山富三郎)とは対照的なキャラクターである。
相手の事を考えるより、ビジネスと割り切って公判を進めてゆく役人タイプ。
公判を予定通り進められないような事が出てくると、刑事であろうと、遺族であろうと、厳しく責める非情さを持つ。
岸田森は、この役をかなりストレートに演じ、きびきびした役作りをしている。



【各エピソード解説】

第1回 第2回第3回 第4回第5回




関連作品

若山富三郎

子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心(昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなんしの子守唄」(昭和48年1973
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」(昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「黄昏の愛と憎しみ」(昭和57年1982
制覇 (昭和57年1982


早坂暁

愛しの太陽 (昭和41年1966
真田幸村(昭和41年1966
契りきな(昭和44年1969
浮世絵女ねずみ小僧 第2話「霧の夜の襲撃」(昭和46年1971
天下堂々  全47話 (昭和48年1973
斬り抜ける 俊平ひとり旅 第13話「あなたが欲しい」(昭和49年1974
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」(昭和51年1976
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚」(昭和52年1977
南海放送創立25周年記念番組 わが兄はホトトギス(昭和53年1978








もんもんドラエティ 全30回

第1回〜第18回

昭和56年10月15日(木)〜昭和57年2月25日(木)


テレビ東京放映毎週木曜日
20時00分〜20時54分(54分)カラー作品



第19回〜第30回

昭和57年3月19日(金)〜6月18日(金)


テレビ東京放映毎週金曜日
20時00分〜20時54分(54分)カラー作品



【出演】

石川ひとみ
(ドラキュラの娘・ひとみ)
沖田浩之
(鈴木家・浩之)
岸田森(ドラキュラ)辺見マリ
(ドラキュラの妻・魔女)
魁三太郎
(フランケン 〜18回/
狼男 19回〜)
佐渡稔
(フランケン 19回〜)
笹森高史
(狼男 19回〜)
山田邦子
(ブス猫/ブリ猫)
柳原ハルヲ
(翔んでる人間一家・父、
鈴木留吉)
木之内みどり
(翔んでる人間一家・母、
鈴木ハツ子/くるみ)
坂上二郎
(先祖ドラキュラ)
坂上亜樹
(ひとみの友人)
手塚真(
お茶の子博士)
美保純(突然電話)大屋政子(語り)
チャップ(警官)水森コウ太(警官)山岡甲(警官)  



【解説】

「翔んでる人間一家」と、「ドラキュラ一家」が巻き起こすドラマを中心に、
バラエティーを折り込んだスタイルのユニークなドラマ。
タイトルの「ドラエティ」は、ドラマ+バラエティの意味。
製作は、渡辺プロダクションが担当したので、アイドルが数多く登場
レギュラーに石川ひとみ、沖田浩之を迎えたほかに、伊藤つかさも登場していた。
番組は、ドラマのほかは、いくつかのコーナーとトークで構成されていて、

その中でも、手塚真が担当する「お茶の子博士のHORROR THEATER」は、
当時流行していた8ミリフィルムで撮影された3分程の短編を毎回放送するコーナーで、製作は手塚真本人が担当。
ゴールデンタイムに8ミリ自主映画を放映するという冒険が図に当たり、異質な映像の質もあって話題となった。
そして、番組リニューアル後、第19回以降は「手塚眞のお茶の子シアター」と改題され、放映終了まで放映された。
ちなみに「お茶の子博士のHORROR THEATER 第18回 お茶の子博士の陰謀(昭和54年2月25日放映)」は、
スタジオでの収録シーンから始まるために岸田森も背景として登場している。
また、改題後「手塚眞のお茶の子シアター 第11回 月夜の血と薔薇」は、岸田森が本編と同じような役で登場している。

放映回数の表示は、正確には「第○回」と数えるのではなく「第○怪」という番組独特の数え方をしていた。
そのために、各エピソード解説では、「怪」の表示を使用した。
また、毎回サブタイトルが新聞発表されていたので、今回の掲載に当たって各回のタイトルとして採用した。
第19回より、放映時間が金曜日に移動し、2回の90分スペシャル版が放映されている。



【岸田森の役】

ドラキュラ

ドラキュラ一家の父親。
妻は魔女で辺見マリ、娘は石川ひとみが扮している。
この配役は、手塚治虫のマンガ「ドン・ドラキュラ」と全く一緒の設定。
ドラキュラの牙は特注で作られ、髪形はオールバックで決める。
ドラキュラの本家・クリストファー・リーそっくりで、バラエティー番組らしく、いかにもというスタイルになった。
この役は非常に楽しかったらしく、コメディータッチの大げさな芝居を精一杯楽しそうに演じていた。
吸血鬼役には、絶大な自信を持っていたので、この役が自分に来たのが嬉しかったと、後に語っている。



関連作品


ドラキュラ

呪いの館 血を吸う眼  (昭和46年1971
血を吸う薔薇  (昭和49年1974
新聞記事 和製ドラキュラ 今度は「血を吸う薔薇」植物性′ゥ込まれたかな 岸田森  (昭和49年1974
日曜☆特バン 第4回「戦慄!!ドラキュラは今でも生きている!!」 (昭和51年1976
金田一耕助の冒険  (昭和54年1979
SPECIAL INTERVIEW 「フルコース ミスターどらきゅら 岸田森VSドラキュラ ドラキュラのルーツをたずねて」  (昭和54年1979
インタビュー「日本一の吸血鬼役者、岸田森!」  (昭和56年1981
木曜洋画劇場「ドラキュラ都へ行く」  (昭和56年1981
インタビュー「日本一の吸血鬼役者、岸田森!」 (昭和56年1981





【各エピソード解説】


第1回「お化けからのラブレター&エマニエル」 第2回「ウソォー!風呂場に謎のストライク」第3回「本当に?スパイより愛をこめて」
第4回「見えるぞ、※のぞきマシン」(※は「○」の中に「秘」)第5回「ドラキュラおじさん死んだブリッコ」第6回「エグーイ通り魔出没ひとみが危ない!」
第7回「なめんなよ!ダサイフランケン危うし…」第8回「魔女のお尻にタッチ 謎の美人配達人は?」第9回「ヒロとひとみが大接近 ママ達はさぐりあい」
第10回「ウフフ…おとなりの奥さんと遊びましょ」第11回「かわいいン、晴れ着のヒロ君ダーイ好き」第12回「ないしょ!ひとみの部屋にヒロ君か…」
第13回「私達うまくいきそう 小犬がとりもつ二人」第14回「大きなキスマーク!家庭内恋愛はだめよ」第15回「一緒にねるの?ライバル出現ヒロ君ドキ」
第16回「私、お嫁に行けない ヒロ君どうするの?」第17回「ヒロ君家出?ひとみかくまってあげる!」第18回「ブリッ子猫は恋の神 今夜は二人ルンルン」
第19回「今夜ドッキリ!ヒロとひとみの初キッス」第20回「大成功!二人の約束気持ちーんヨカヨカ」第21回もんもんドラエティ・特番その1
「対決 ひとみとくるみ ヒロ君は私のものよ」
第22回もんもんドラエティ・特番その2
「超能力魔女・ふたりで愛の奇跡を」
第23回「私おなぐさめします・不倫の恋大特集」第24回「のぞかれちゃった!今夜突然・透明人間」
第25回第26回「ひとみもうっとり・口説き上手はだれ?」第27回「ヒロ君誰か来るわ!ひとりじゃコワーイ」
第28回「ヘンなトランプ占い ギャグ作家危機一髪」第29回「お化けもびっくり!人間達が狂っちゃう」第30回(最終回)「さようならヒロ君!わかれの日に二人は」





昭和56年12月4日(金)

時代劇スペシャル
「快傑黒頭巾」


フジテレビ放映  
20時02分〜21時48分(106分)カラー作品
監 督太田昭和原 作高垣眸脚 本田中利世東條正年


【出演】

若山富三郎
(黒頭巾、天命堂、榊原弦一郎、の三役)
二宮さよ子(おゆう)岸田森(青江下野)加藤嘉(山鹿士行)草野大悟(松吉)
石橋蓮司(中川宮)金子研三(大島八郎)小林昭二(近藤勇)石山律雄(葉室長順)水谷亜希子(おはな)
前野礼子(三葉)川崎直也(珠三郎)梅沢昇(老中酒井)守田学哉(弥太五郎)日尾幸司(山岡鉄舟)
丹治勤(別府晋介)滝洸一郎(大石桑次郎)赤羽明(益満休之助)高山成男(三太)トビ門口(薩摩浪士)
藤原益二(薩摩浪士)人視比呂志(薩摩浪士)川本勝久(薩摩浪士)末永容子(芸者)鹿島信哉(瓦版売り)
大島光幸(偽黒頭巾)古川隆(偽黒頭巾)柿木恵至(浪人)鄭※玲(お京)
(※は「王」へんに「美」)
加藤茂雄(町人)
門脇三郎(医者)高見明江(花売り娘)志村幸江(長屋の住人)那須のり子(長屋の住人)築地博(長屋の住人)
金田龍之介(西郷隆盛)西村晃(勝海舟)   


【物語】

江戸時代も終わりに近づき、西郷隆盛(金田龍之介)が率いる倒幕軍が、江戸城総攻撃を控え、駿府城に終結していた。
そのころ、江戸では青江(岸田森)が、
江戸城攻略の絵図を持つ山鹿士行(加藤嘉)を幽閉して、絵図のありかを吐かせようとする。
青江は、山鹿の子供達を捕らえて脅迫しようとしたが、黒頭巾(若山富三郎)に阻止されてしまった。
青江が江戸の町を焦土にしても倒幕軍と戦うつもりだと知った黒頭巾こと榊原は、
山鹿の持つ絵図面を西郷に渡し、幕府側に戦っても無駄だと悟らせようとする。


【解説】

勝プロダクションが製作した時代劇スペシャルの一本。
幕末を舞台に、愛馬ハクセツに乗って江戸市民を守る正義の黒頭巾の活躍を描く、西部劇タッチの時代劇。
若山富三郎が、浪人榊原弦一郎、占い師天命堂、正義の味方黒頭巾の三役を演じた。
原作は、戦前「少年倶楽部」に連載されていたもの。
昭和281953年に、東映映画から大友柳太朗主演で映画化されている。

【岸田森の役】

青江下野(あおえしもつけ)

幕府の浪人目付け役で、市中取締役を兼ねている。
市民のために権力に楯突く黒頭巾は、青江にとって目障りで、倒すことに執念を燃やす。
剣の使い手で、黒頭巾と立ちあった際、その構えから正体を一目で榊原弦一郎(若山富三郎)と見抜く。
青江と榊原は、以前一緒の道場にいた友で、それぞれの立場から対決することになる。
青江のキャラクターは、幕府側の権力の象徴として描かれており、人を信用しないという信条を持っている。
残酷なことを淡々と進めて行く様は、かなり強烈な悪役ぶりだった。



関連作品

若山富三郎

子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心(昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなんしの子守唄」(昭和48年1973
ドラマ人間模様「新事件 わが歌は花いちもんめ」全5回 (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「黄昏の愛と憎しみ」(昭和57年1982
制覇 (昭和57年1982


時代劇スペシャル

時代劇スペシャル「着流し奉行」(昭和56年1981
時代劇スペシャル「御金蔵破り」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」 (昭和57年1982
時代劇スペシャル「闇の傀儡師」 (昭和57年1982
時代劇スペシャル「地獄の左門 十手無頼 将軍暗殺!」 (昭和58年1983
時代劇スペシャル「お庭番秘聞 暗殺者」(昭和58年1983


勝プロダクション

座頭市と用心棒 (昭和45年1970
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982

あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984









昭和56年12月17日(木)


木曜ゴールデンドラマ

「妻の殺意」


日本テレビ放映(YTV)  
21時02分〜22時54分(112分)カラー作品
監 督高橋繁男脚 本高岡尚平


【出演】

市原悦子(佐野久子)広岡舜(島本浩一)木村理恵(京子)垂水悟郎(村上春夫)岸田森(竹村)
星美智子大林丈史(今井)江原真二郎(文生)青木和子岩倉高子
堀和宏富士圭一武内文平(庶務課課長)鶴田忍(鈴木)鬼丸善光
西巻映子春川ますみ(安江)長門裕之(安達)  


【物語】

幸せな生活を送る久子(市原悦子)の前に、突然、春夫(垂水悟郎)が出現する。
春夫は、久子の過去を知っていて、その事をネタに金をゆすろうとした。
久子の弟の浩一(広岡舜)は、姉の代わりに金の受け渡し場所へと出向くが、
もみ合っているうちに誤って春夫を殺してしまう。
現場に落ちていた社員バッチから、捜査線上に浩一の名前がすぐに浮かんでしまう。
過去を知られたくない久子は、浩一に自首をさせず逃亡させる事にした。
一方、事件を担当した安達刑事(長門裕之)は、久子姉弟と春夫の出身地が同じと知り、青森へと向かう。
そこで、久子の悲惨な過去が明かされる。
貧困の中、弟を食わすために、久子は嫌々春夫の囲い者になっていたのだ。
捜査が身近に迫ってきた事を悟った久子は、家庭の幸せを守るために、愛する弟を殺す決意をする。



【解説】

日本テレビで放映された初の二時間枠ドラマ『木曜ゴールデンドラマ』の一本。
平凡な家庭の主婦が、幸福な家庭を守るために、
最愛の弟まで殺さなければならなくなる悲劇を描くオリジナルのサスペンスドラマ。
良家の奥さまから、世間摺れした女へと変わる、市原悦子の演技が見所の一本。
安達刑事を演じる長門裕之も、親しみやすいキャラクターで場をさらう。
新聞発表タイトルは、「妻の殺意・白昼偽装心中にあばかれた家庭の秘密」



【岸田森の役】

竹村

村上春夫の殺人事件を担当する安達刑事(長門裕之)の上司で係長。
捜査本部に三シーンと、久子の取調べシーンに登場。
知的で温厚そうな上司を演じている。
岸田森の演じる上司の役は、今までは対立したり嫌味たっぷりな役が多かっただけに、新鮮なキャスティングだ。



関連作品

木曜ゴールデンドラマ「五瓣の椿」     (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「妻の殺意」     (昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「大誘拐 陽気なお婆ちゃんの身代金は何と百億円!」 (昭和56年1981









昭和56年12月29日(火)


火曜サスペンス劇場

「10万分の1の偶然」


テレビ朝日放映  
21時02分〜22時54分(112分)カラー作品
監 督黒木和雄原 作松本清張脚 本石田芳子田辺泰志


【出演】

関根恵子(山内明子)岸田森(古家)亜湖(令子)伊藤敏八(沼井正平)梅津栄(米津)
佐野厚子三戸部スエ金子研三湯沢勉(中村)和田周
関戸純方平野稔内藤杏子渡辺ゆかり宮崎正子
青木和代秋野陽介広田正光根本和央大原真理子
井上れい子山田陽子浪川拓也大谷一夫松本由香里
野口順一田中ゆかり河原英行森岡隆見北斗太郎
城野克己郷内栄喜松行俊二五所勝男泉谷しげる(山鹿恭介)


【物語】

アマチュアカメラマンの山鹿恭介(泉谷しげる)は、
東名高速道路で発生した追突事故をカメラに収め、報道写真の年間最高賞を受賞した。
この事故で、恋人の沼井(伊藤敏八)を失った明子(関根恵子)は、
もしかしたらこの事故が仕組まれたものではないかと考える。
明子は、山鹿が保険外交員だと知り、保険加入者を紹介するという名目で近づいた。
最初の内は、美人の出現にまんざらでもない山鹿だったが、
あまりにも衝突事故にこだわり続ける明子に不安を持ち、彼女に殺意を抱くようになる。



【解説】

2時間枠で放映された火曜サスペンスの一本。
黒木和雄監督の独特な演出が光る作品だ。
松本清張の同名小説が原作。
タイトルの「10万分の1の偶然」とは、
山鹿の撮影した追突事故の写真が、10万分の一の偶然で撮れたと賞賛されたところから採られた。
犯人役の泉谷しげるは、ミュージシャンとして有名だが、
実話をドラマ化した『土曜ワイド劇場「戦後最大の誘拐・吉展ちゃん事件」』(昭和541979 年)の犯人、
小原保役で一躍役者としての脚光を浴びる。
その後、NHKで放映された『暁は寒かった』(昭和551980 年)で、
再び実話のドラマ化(徳島ラジオ商殺し事件)の犯人役に挑んだ。
この時期の泉谷しげるは、役者として脂が乗った時期で、
新番組『鞍馬天狗』(TBSテレビ 昭和561981 年)」のレギュラーや、
映画『爆裂都市 Burst City』(昭和571982 年)」にも立て続けに登場している。
新聞発表タイトルは「松本清張の最新作 10万分の1の偶然〜激突・東名高速四重衝突を仕組んだ男を私は許さない!!」



【岸田森の役】

古家

写真の大家で、東都新聞の報道写真大賞の審査委員長も勤める。
山鹿(泉谷しげる)の撮影した写真を、十万分の一の偶然だと褒めちぎる。
いつも付け届けを忘れない山鹿を、この機会に持ち上げたのだ。
3シーンほどの出演。


関連作品

火曜サスペンス劇場「乱れからくり ねじ屋敷連続殺人事件」 (昭和57年1982
火曜サスペンス劇場「可愛い悪魔」 (昭和57年1982
































inserted by FC2 system