【映画】


昭和57年10月30日(土)公開


制覇

東映京都製作東映配給
上映時間142分カラー作品 ビスタサイズ
監 督中島貞夫原 作志茂田景樹脚 本中島貞夫西澤裕子


【出演】

三船敏郎(田所政雄)岡田茉莉子(田所ひろ子)菅原文太(河上剛二)名高達郎(小田日出男)中井貴恵(田所悠子)
秋吉久美子(田所冬子)松尾嘉代(河上百代)梅宮辰夫(村岡)清水健太郎(野口義治)にしきのあきら(近江友記)
大信田礼子(久美)高岡健二(田所孝)加山麗子(鬼頭紀子)舟倉たまき(敏子)桂小つぶ(田所範夫)
小沢象(香川)宮内洋(吉田)草薙幸二郎(野々村稔)今井健二(棚田警部)成瀬正(菱川隆)
野口貴史(北村刑事)河合絃司(熊谷)岩尾正隆(戸倉正邦)若宮隆士(及川)大島宇三郎(花森)
原吉美(菊地)沢田情児(古峯)有川正治(柳田)丘路千(寺内)高並功(金子警部補)
大木晤郎(三村刑事)三浦徳子丸平峯子(「夢想」の女)津奈美里ん(女事務員)秋山勝俊(竹村亮一)
蓑和田良太(記者A)関根大学(堀川敏美)淡九郎(北斗星マスター)奈辺悟(小林)大川かつ子(よし江)
きくち英一(橋本刑事)小田部通麿(羽田昌男)神田橋満(吉沢)中田博久(佐伯英樹)丹波哲郎(窪川方城)
菅田俊(中原宏)津村浩(米川喜久三)橋本直樹(戸田猛男)根津良行(酒田組組員B)沢田浩二(西川)
丸山俊也(若者B)吉田猛田中博(藤田学)中島薫(石川圭子)西村泰治(三島昭次)
森源太郎(記者C)笹木俊志(桜井)平河正雄(酒田組組員A)司裕介(記者B)木下通博(丸山勝弘)
富永佳代子(田所政雄の叔母)前田満寿子(寿子)斉藤可奈江(ホステスA)稲垣昌和(田所誠)川上恭尚(田所政雄の子供時代)
岩戸隼人(田所誠)小船秋夫(元村)中島俊一(監守)武井三二白井滋郎(酒田組組員C)
細川純一(小田)福本清三(栗原浩次)池田譲治(安川宏)疋田泰盛(田所政雄の叔父)鹿内孝(黒木)
待田京介(関根真佐人)寺田農(大野木安司)曽根晴美(中久保利行)品川隆二(山倉輝夫)岸田森(石川浩之)
小池朝雄(志茂田徹)鈴木瑞穂(ナレーター)小林旭(海渡仙一)若山富三郎(権野強志)鶴田浩二(大友兼継)


【物語】

日本最大のヤクザ組織、谷口組の三代目田所政雄(三船敏郎)が狙撃された。
田所の家族と、谷口組の受けたショックは大きく、
ボディガードの処遇をめぐって、若頭の河上(菅原文太)と、若頭補佐の権野(若山富三郎)との間に食い違いが生まれる。
大阪府警の発表で、犯人は酒田組下部組織浪、華殉国団の近江(にしきのあきら)と発表され、谷口組の報復が始まった。
その頃、田所は、かかりつけの医師大友(鶴田浩二)の手術で一命をとりとめ、病院から退院、久しぶりに一家団欒で過ごす。
しかし、その夜、長男の孝(高岡健二)が私文書偽造で逮捕されてしまう。
警察は、これを谷口組壊滅の糸口にしようと、強引な捜査を始めた。 孝の妻は、それを苦に自殺、谷口組という名前の重さに、耐えかねての事だった。
これを期に、河野と権野の争いが表面化、先走った権野が、田所に破門させられてしまう。
騒ぎは沈静化し、娘や息子達の行く末も決まり、田所は一時幸せな日々を送る。
だが、突然持病の心臓病が悪化、他界してしまう。
田所の妻ひろ子(岡田茉莉子)は、一人組をまとめるために、谷口組の先頭に立つのだった。



【解説】

日本最大の暴力団組織、谷口組の三代目襲撃事件。
それをきっかけに激化した抗争を背景に、組長田所(三船敏郎)の家族模様を中心に描いた、中島貞夫監督の超大作。
久しぶりに東映がオールスターで描いたヤクザ映画で、
この当時は助演したり顔見せ程度の出演の多かった三船敏郎が、是非にと言われて主役を演じた。
ほかにも、菅原文太、若山富三郎、鶴田浩二、梅宮辰夫等、東映映画のスター達が、惜しげもなく大挙出演した。
オールスター映画にありがちな顔見せ的な出演を避けて、皆が本格的な役を持つように演出されている。

原作は志茂田景樹の同名小説となっているが、
実際には中島貞夫監督、俊藤浩滋プロデューサー、志茂田景樹の三人が同時に取材をし、
同時並行でお互いに小説とシナリオを執筆した。

映画のモデルとなったのは、山口組三代目、田岡一雄組長の死だった
撮影のために、その組葬にカメラを持ち込んだ中島監督が、
千五百人の黒服の中に、唯一人の女性、組長夫人を目撃したことが、この話を作るきっかけだったという。



【岸田森の役】

石川浩之

北陸、石川組組長。
谷口組権野(若山富三郎)の盃を受けていたが、
羽振りが良くなったので河上(菅原文太)に寝返り、谷口組直系の組になろうと画策する。
だが、これに怒った権野の差し向けた刺客により、嵐の中射殺されてしまう。
この作品が、岸田森の遺作となった。
入院中の昭和571982 年9月6日に、看護婦同伴で、撮り残しのシーンを撮影したのが役者としての岸田森の最後の姿である。
東映では、岸田森の病状が既に悪化しているのは知っていて代役を立てようという事になったが、
本人のたっての希望で、撮影続行となったという。
そのために、始めは北陸ロケの予定だったシーンを、撮影所のある京都に近い琵琶湖畔に切り替えて撮影された。
頬がこけ、ガラガラ声の岸田森が、鬼気迫る迫力でスクリーンに登場している。



関連作品

中島貞夫

徳川三国志 第3話「悲運の貴公子忠長」(昭和50年1975
徳川三国志 第5話「南海のあばれ竜」(昭和50年1975
犬笛 (昭和53年1978
総長の首(昭和54年1979


若山富三郎

子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心(昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなんしの子守唄」(昭和48年1973
ドラマ人間模様「新事件 わが歌は花いちもんめ」全5回 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」(昭和56年1981
木曜ゴールデンドラマ「黄昏の愛と憎しみ」(昭和57年1982








































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