| 監 督 | 森谷司郎 | 脚 本 | 永原秀一 |
【出演】
| 加山雄三（滝村憲<米諜報局工作員>） | 太地喜和子（有村沙織<女流彫刻家>） | 立花マリ（久野薫<米諜報局員>） | 原知佐子（朱芳） | 岸田森（楊<中共側工作員>） |
| 早野寿郎（作家風の男） | 納谷悟朗（渡海<米諜報局員>） | 上田忠好（埋立地の男） | 加藤和夫（警視庁外事課課員） | 近藤準（外務省係官） |
| 小沢忠臣（野瀬<米諜報局員>） | 田中浩（阿洪） | 川端真二 | 富川澈夫 | 水谷邦久 |
| 高石友也（歌う青年） | 麻生雅子（インタビューアー） | アンディ・シームス（トニー・ローズ） | ロルフ・ジェサップ （コムルスキー<米諜報局員>） | 佐藤慶（三宅） |
| 岡田英次（ジョージ・北林 <米諜報局極東本部幹部二世>） |
【物語】
米諜報機関に所属する工作員、滝村（加山雄三）は、
ある日、中共貿易使節団員の楊（岸田森）の亡命を助けた。
その直後、中共側の工作員、三宅（佐藤慶）に狙撃されるが、危うく難を逃れる。
しかし、流れ弾が近くを歩いていた沙織（太地喜和子）に当たってしまう。
数日後、滝村は、北朝鮮からの密入国者を、得意の銃の腕で射殺する。
所持品から、密入国者は中共側のスパイと判明、亡命した楊との関連に疑惑が持たれた。
壮絶な拷問の末、楊の目的は、東京で武器商人ローズとの取引を成功させる事だと判る。
だが、楊の自白もローズの来日も、皆囮だった…。
【解説】
『狙撃』（昭和４３1968年）に続く、永原秀一脚本、加山雄三主演のオリジナルハードボイルド第２弾。
今回は、加山雄三が組織に所属する孤独な殺し屋を演じる。
前作『狙撃』と同じく、銃器や車の描き込みは相変わらずで、
細部にわたって行き届いた演出を見せる。
また、ストレートに描かれていた前作『狙撃』よりも、政治的なストーリーが複雑に描かれており
、また違った面が楽しめる作品になっている。
オープニングタイトルの、ブローニングライフルのアップの連続は、
アメリカ映画『ダーティーハリー２』（1973年）のオープニングそっくりだが、
もちろんこの作品の方が遥かに公開は早い。
【岸田森の役】
楊（やん）
中共（中華人民共和国）側工作員。
中共貿易使節団に紛れ込み来日、日本で亡命騒ぎを起こす。
しかし、アメリカの諜報機関にスパイと見抜かれ、壮絶な拷問を受ける。
亡命騒ぎの目的は、武器商人との取引をまとめることだと白状するが、
実は、この自白をする事が中共側の作戦で、本来の取引から目をそらさせる役目を担っていたのだった。
地下の密室で、不協和音を浴びせられて気が狂ってゆきそうになる、
長い拷問のシーンは、文字通り壮絶な熱演を見せる。
関連作品
永原秀一
狙撃（昭和４３年1968 ）
傷だらけの天使 第２話「悪女にトラック一杯の幸せを」（昭和４９年1974）
乱れからくり（昭和５４年1979）
蘇える金狼（昭和５４年1979）
森谷司郎
森村誠一シリーズ「腐蝕の構造」 （蝕の「食」は、旧字体） 第１回 （昭和５２年1977）
動乱（昭和５５年1980）
漂流 （昭和５６年1981）
昭和44年10月10日(金)公開
赤毛
| 三船プロダクション製作 | 東宝配給 |
| 上映時間116分 | カラー作品 シネマスコープ |
| 監 督 | 岡本喜八 | 脚 本 | 岡本喜八 | 廣澤榮 |
【出演】
| 三船敏郎（赤毛の権三） | 岩下志麻（トミ） | 高橋悦史（一ノ瀬半蔵） | 寺田農（三次） | 乙羽信子（お春） |
| 望月優子（ウメ） | 吉村実子（お葉） | 岡田可愛（お袖） | 神山繁（荒垣弥一郎） | 天本英世（玄斉） |
| 花沢徳衛（駒ケ根ノ虎三） | 岸田森（番頭左右吉） | 砂塚秀夫（雨ガエル） | 左卜全（伍平爺さん） | 睦五郎（白毛の先鋒隊長） |
| 草野大悟（居酒屋ノ亭主） | 富田仲次郎（木曽屋嘉兵衛） | 常田富士男（代官所手代） | 浜村純（馬宿ノ甚兵衛） | 堺左千夫（百姓・袈裟治） |
| 山本廉（百姓） | 長谷川弘（猟師の六） | 野村昇史（哨兵） | 北川美佐（女郎） | 野口?子 |
| 津田亜矢子（女郎） | 岩崎智江（嬶） | 三戸部スエ（おたね） | 中山豊（百姓） | 地井武男（斥候） |
| 阿知波信介（平助少年） | 沢登護（忠太少年） | 木下陽夫（サブ少年） | 木村豊幸（弥五少年） | 丸岡将一郎 |
| 宇野晃司（百姓） | 吉田昌史（源太少年） | 佐渡絹代（嬶） | 浅利和子 | 石堂洋子 |
| 益海愛子 | 豊田洋子 | 島津喜美枝 | 川村繁子 | 谷口由美子 |
| 間島純 | 松原みち | 高原とり子 | 記平佳枝 | 田中浩（白毛の伍長） |
| 山口博義 | 浅川孝二（行商ノ薬売り） | 木村博人（行商ノ小間物屋） | 田中一 | 加藤茂雄 |
| 水戸義弘 | 馬部裕之 | 伊東潤一 | 中谷一郎（ナレーター） | 伊藤雄之助（神尾金太郎） |
| 田村高廣（相楽総三） |
【物語】
慶応４年、
錦の御旗を旗印に、京から江戸へ攻め上る先駆けとなった赤報隊の相楽総三隊長（田村高廣）は、
年貢半減令の旗印の下、沿道各地の民衆を鎮撫していった。
赤報隊の一人、百姓上がりの権三（三船敏郎）は、次の目的地澤渡の宿が自分の故郷と知り、
隊長の印である赤毛を借りて単身この宿場に乗り込んだ。
宿場は博徒駒虎一家に牛耳られていたが、
権三は官軍の威力を背に民衆の側に立ち、駒虎一家の女郎たちを開放する。
すっかり人気者になる権三だが、宿場には滅びゆく幕府に殉じ官軍を阻止しようとする幕臣達
遊撃一番隊が町人に化けて入り込んでいた。
【解説】
明治維新直前、
官軍の先発隊として組織された、農民、町民、浪人の混成軍赤報隊が、
あまりに民衆に密着しすぎたために、ニセ官軍として断罪されたという実話を元に描く、オリジナルストーリー。
赤報隊の一人、百姓の権三（三船敏郎）を主役に、
赤報隊物語の外伝のような描かれ方をされており、
官軍達より、もっと民衆に近い視点が採り入れられている。
三船敏郎が、粗野だが誠実という得意の役柄で、物語を力強く引っ張り、
岡本喜八監督映画の常連達の好演もあって、
悲劇的な結末ではあるが、一級の娯楽作品に仕上がっている。
松竹映画専属の岩下志麻が、東宝映画に初出演、ヒロインを好演した。
【岸田森の役】
番頭 左右吉（そうきち）
木曽屋の番頭として、飄々として店を切り盛りするが、
実は店の主をも操る「遊撃一番隊」の隊員。
本名は、門奈兵庫で、元旗本二千石。
幕府の崩壊を悟ると、いち早く官軍の通り道になる澤渡の宿に番頭として潜入。
恩義のある幕府のために、官軍に対して一矢を報いようとした。
一番隊隊員として、宿の代官や顔役たちを裏から支配するが、
最期には官軍に少数の同士達で切り込み、討ち死にする。
番頭の時と、一番隊の仲間といるときの芝居を極端に変えるという、岸田森得意の演技を存分に見せてくれる。
関連作品
岡本喜八
斬る （昭和４３年1968）
赤毛 （昭和４４年1969）
座頭市と用心棒 （昭和４５年1970）
激動の昭和史 沖縄決戦 （昭和４６年1971）
にっぽん三銃士 おさらば東京の巻 （昭和４７年1972）
青葉繁れる （昭和４９年1974）
吶喊(とっかん) （昭和５０年1975）
金曜スペシャル「時効まで後２６日！実録・三億円事件」 （昭和５０年1975）
姿三四郎 （昭和５２年1977）
ダイナマイトどんどん （昭和５３年1978）
ブルークリスマス （昭和５３年1978）
英霊たちの応援歌 （昭和５４年1979）
時代劇スペシャル 「着ながし奉行」 （昭和５６年1981）
近頃 なぜか チャールストン （昭和５６年1981）