【映画】


昭和45年1月15日(木)公開


座頭市と用心棒

勝プロダクション製作大映配給
上映時間116分カラー作品 ワイド
監 督岡本喜八原 作子母沢寛脚 本岡本喜八吉田哲郎


【出演】

勝新太郎(座頭市)若尾文子(梅乃)滝沢修(烏帽子屋弥助)米倉斉加年(小仏の政五郎)岸田森(九頭竜、跡部九内)
嵐寛寿郎(兵六爺さん)神山繁(脇屋陣三郎)細川俊之(後藤三右衛門)寺田農(ちんぴら余吾)砂塚秀夫(偽按摩桑原湧之助)
草野大悟(馬瀬の藤三)常田富士男(鍛冶屋留吉)木村元(烏帽子屋番頭惣七)田中浩(小仏一家の権)木村博人(小仏一家の松)
五味龍太郎(小仏一家の常)浜田雄史(烏帽子屋の若い衆)越川一黒木現(小仏一家のA )新関順司郎(小仏一家のB)
熱田洋子(梅乃家小女)三船敏郎(用心棒・佐々大作)   


【物語】

市(勝新太郎)が三年ぶりに訪れた蓮華沢の里は、
以前の平和な里ではなく、実の親子二組のヤクザが敵対する荒れすさんだ里へと変貌していた。
さっそく市は、政五郎一家の用心棒、佐々大作(三船敏郎)と対決することになる。
按摩だと侮っていた佐々も、市がただ者ではないと知ると、
再度の勝負を約して、梅乃(若尾文子)が女将をする居酒屋で酒を酌み交わす。
梅乃は、三年前にこの里で市が世話になった忘れられない女だったが、彼女は妙によそよそしく接した。
この里には、金が隠されているという噂が流れ、政五郎一家は躍起になって捜索する。
そこへ、短銃を使う悪名の高い流れ者、九頭竜(岸田森)までもがやって来て、里は騒然となった。



【解説】

勝新太郎の代名詞とも言うべき、盲目の按摩、市の活躍を描く、映画『座頭市』シリーズの第20作目。
勝プロダクションが製作した座頭市としては、2作品目に当たる。
市が心の故郷としていた平和な里は、三年の間にヤクザがのし歩く荒れすさんだ里へと変貌していた。
その村に隠されている金塊をめぐり、
二つのヤクザ組織や、公儀隠密達が入り乱れて、醜い争いが繰り広げられる。
今までの座頭市とは趣の違う群衆劇として製作されており、
主役の市の物語というよりは、周りの人物たちの行動にスポットが当たっていた。

毎回相手役に大物ゲストを迎え、市と対決するのがこのシリーズの見どころだが、
今回はなんと、東宝映画の大ヒットキャラクター三船敏郎の用心棒をそのまま連れてくるという夢の対決が実現する。
しかし、タイトルにそのまま「用心棒」と謳ってしまったために、東宝映画の宣伝部と揉めてしまい、
勝プロダクション倒産の後、東宝はこの作品の権利を直ぐに買い取ってしまう。
現在は東宝のマークで始まるが、
監督岡本喜八をわざわざ(東宝)と断っているところに、その名残がある。


【岸田森の役】

九頭竜(跡部九内)

悪名の高い流れ者で、銃身に九頭竜の彫り物の入った短銃を使うところから、こう呼ばれる。
蓮華沢の里へは、烏帽子屋弥助(滝沢修)の息子後藤三右衛門(細川俊之)に用心棒を頼まれ、江戸からやって来た。
しかし、実際は公儀隠密、跡部九内が本名で、金の一件を探る事が目的。
最期には金に目がくらみ、公儀の身分を捨てようとする。
佐々(三船敏郎)が思いを寄せる梅乃(若尾文子)を短銃で撃ってしまったために、
怒った佐々に斬り捨てられてしまう。
勝新太郎と三船敏郎という恰幅のよい役者に囲まれ、
岸田森の細身の殺し屋は、非常に不気味で印象的。
後にテレビ
『着流し奉行』(昭和56年1981))でも、これに似た不気味な殺し屋を演じていた。
この作品が岸田森と勝新太郎との出会いになり、勝プロダクション制作作品の常連となる。



関連作品


岡本喜八


斬る  (昭和43年1968
赤毛  (昭和44年1969
激動の昭和史 沖縄決戦 (昭和46年1971
にっぽん三銃士 おさらば東京の巻 (昭和47年1972
青葉繁れる (昭和49年1974
吶喊(とっかん) (昭和50年1975
金曜スペシャル「時効まで後26日!実録・三億円事件」 (昭和50年1975
姿三四郎  (昭和52年1977
ダイナマイトどんどん  (昭和53年1978
ブルークリスマス  (昭和53年1978
英霊たちの応援歌  (昭和54年1979
時代劇スペシャル 「着ながし奉行」  (昭和56年1981
近頃 なぜか チャールストン  (昭和56年1981


勝プロダクション

子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982

あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984








昭和45年2月8日(日)公開


白昼の襲撃

東京映画製作東宝配給
上映時間89分カラー作品 シネマスコープ
監 督西村潔原 案菊村到脚 本白坂依志夫西村潔


【出演】

黒沢年男(修)高橋紀子(ユリ子)緑魔子(令子)石井くに子(ルース)レックス・ヒューストン(ジョニー)
出情児(佐知夫)岸田森(鳴海)桑山正一(宮崎)伊藤久哉(辰巳)若宮大祐(社長)
殿山泰司(佐伯)梅津栄富川K夫植田峻北浦昭義
守田比呂也ドン・ウィッテン(ビル)マンモス・鈴木(前田)青木君雄(林)中岡慎太郎
三田村賢二市地洋子荘司洋子武田美瑳子岩崎トヨコ
細井利雄田中一伊海田弘伊東巨介芹昌郎
谷川修三島圭一郎南武臣麻生三恵子歌川千恵


【物語】

トラックの運転手、修(黒沢年男)は、ある日車を盗もうとして失敗。
弟分の佐知夫(出情児)から貰っていた拳銃で、車の持ち主を撃ち殺してしまった。
だが、その時足に重傷を負ってしまう。
身動きが出来ない修を助けたのは、鳴海(岸田森)という男だった。
鳴海は、服役中のヤクザ、佐伯(殿山泰司)の片腕だが、実はテロリストの集団の一員。
佐伯の元に居るのはカモフラージュだった。
修は鳴海の部下になる。
しかし、出所した佐伯は、鳴海が自分を裏切り続けていたことを知り、始末してしまう。
そして、鳴海の後釜に、修を据えた。



【解説】

菊村到の小説「真昼の襲撃」を原案に、社会に受け入れられない若者たちがあがきながらも生きてゆく姿を描いた作品。
主人公、修(黒沢年男)と、その弟分でホモの佐知夫(出情児)、
そして修の恋人ユリ子(高橋紀子)の三角関係を横糸に、
修が世間からはみ出てヤクザの世界に出入りし、破滅してゆくまでを描く。

ヨーロッパ映画の影響が色濃く出ていて、
即興の演出を試みたり、若者たちの風俗を積極的に折り込む作風の作品である。


【岸田森の役】

鳴海

ヤクザの一員で、以前は学生運動のリーダーだった。
しかし、ヤクザの組長、佐伯(殿山泰司)に危ないところを助けられたところから、組に出入りする。
インテリで、理詰めの行動をし、感情をほとんど表に出さない。
修(黒沢年男)に、自分に似た境遇を見て、目をかける。
だが、裏では大学の後輩たちを組織し、
政治的な暗殺を目的としたアナーキスト集団を作り上げ、組の金を横流しする。
これが佐伯に知れてしまい、始末されてしまった。
『狙撃』(昭和431968年)『弾痕』(昭和441969年)と、続けてハードボイルド映画に登場している。
岸田森の、知的でインテリなキャラクターが重宝されたのではないだろうか。







昭和45年2月21日(土)公開


玄海遊侠伝 破れかぶれ

大映京都製作大映配給
上映時間101分カラー作品 ワイド
監 督マキノ雅弘原 作吉田敬太郎脚 本笠原和夫脚 本マキノ雅弘永田俊夫


【出演】

勝新太郎(吉田磯吉)京マチ子(吉田スエ)松方弘樹(小野田修次)安田道代(おりん)南美川洋子(おふじ)
津川雅彦(岡部亭蔵)天津敏岸田森(桜井義三郎)山本麟一(太田黒)和崎俊也(花山精吉)
美川陽一郎(正一)水島道太郎(源之助)北村英三(大西喜一郎)水上保広(弥助)小瀬朗(茂十)
長谷川弘(堺平助)木村元(憲兵)橋本力(河童の五郎)丘夏子(お清)志野まゆき(千鶴)
新條多久美(お里)杉山昌三九(松田)浜田雄史(ダルマの兼)九段五郎(熊七)和田哲児(一平)
北野拓也(音松)玉置一恵(奥田嘉兵衛)南條新太郎(木下)尾上栄五郎(秋川)西川ヒノデ(おやじ)
勝村淳(耳切り長吉)新関順司郎(街の人)薮内武司(仲仕A)花村秀樹(仲仕B)福井隆次(署長)
菊野昌代士(酒井)中島徹也(太田黒の乾分)美樹博(仲仕C)長岡三郎(老人)戸村昌子(大吉楼の仲居)
小松方正(語り手)    


【物語】

明治の中期、吉田磯吉(勝新太郎)は、朝鮮から故郷の北九州に戻ってきた。
それを知った沖仲仕達は大喜びをする。
磯吉は沖仲仕の仲間達と石炭積みの仕事で、人生の再出発をすることになった。
ところが、北九州の利権拡張を狙っていた太田黒(山本麟一)の代貸、義三郎(岸田森)は、
自分達と敵対する大西組と磯吉たちを仲たがいさせようと画策。
計画は成功したように見えたが、
危険を省みず単身乗り込んできた磯吉の男意気に惚れた大西が、
喧嘩を磯吉に預けることで片が付く。
あきらめられない義三郎は、次々と磯吉を陥れようと策を弄してくる。



【解説】

吉田敬太郎原作「吉田磯吉翁伝」を原作にした任侠映画。
北九州の沖仲仕(ゴンゾ)の元締め、吉田磯吉の若いころの実話を元に、巨匠マキノ雅弘監督自身が脚色した。
同年公開の
『座頭市と用心棒』の次に勝新太郎が主演した作品。
岸田森は、勝新太郎の主演作品に連続出演。
いかに勝新太郎が岸田森の芝居を気に入っていたかがわかる。



【岸田森の役】

桜井義三郎

北九州の博徒・太田黒一家の代貸。
利権拡大を狙い、ちょうど北九州に帰ってきた磯吉(勝新太郎)の存在を利用しようとする。
一本気でお人よしの磯吉とは対照的なキャラクターだが、
役の描き込みが深くないステレオタイプの悪役なので、意外と印象に残らないのが残念だ。
最期は、磯吉と共に斬り込んで来た小野田(松方弘樹)に、乱闘中に斬られる。


関連作品


勝新太郎

狐のくれた赤ん坊(昭和46年1971
いのち・ぼうにふろう(昭和46年1971


勝プロダクション

座頭市と用心棒 (昭和45年1970
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981
あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和58年1983








昭和45年4月4日(土)公開


おんな極悪帖

大映京都製作大映配給
上映時間84分カラー作品 シネマスコープ
監 督池広一夫原 作谷崎潤一郎脚 本星川清司


【出演】

安田道代(お銀の方)田村正和(磯貝伊織)佐藤慶(春藤靱負)小山明子(梅野)岸田森(太守)
小松方正(細井玄沢)遠藤辰雄丘夏子(お由以)芦屋小雁(珍斉)宇田あつみ(芸者)
川崎あかね新條多久美橘公子(乳母)伊達岳志(氏家左門)木村元(侍)
早川雄三西川ヒノデ西川柊三寺島雄作(六助)勝村淳
上原寛二新※大二郎和田かつら宮本真未 


【物語】

城主の側室、お銀(安田道代)は、奥方暗殺を企て、毒薬を手に入れる。
憶病者の奥坊主、珍斉(芦屋小雁)は、この事を妹に打ち明ける。
しかし、妹は陰謀の証拠をつかみ訴え出て恩賞にありつこうと企む。
その頃、殿様、太守(岸田森)の乱行を伝え聞いた国表からの使いが出府してきた。
そして、殿様の処置とともに、お銀の方を追放するか、斬り捨てるかするように強く諫言する。
お銀は、下級武士、伊織(田村正和)をそそのかして、その使いを斬り捨ててしまう。



【解説】

谷崎潤一郎の小説「恐怖時代」を映像化した異色時代劇。
お家乗っ取りを企む、娼婦上りの側室、お銀の悪女ぶりを存分に描くピカレスク・ロマン。
邪魔者をためらいもなく殺してゆくお銀も怖いが、
その周りの登場人物たちもほとんど全てが悪人というのが面白い。
映画のキャストも、今までの大映映画ではあまり出演しなかった役者たちが大挙出演、異色な雰囲気を出している。
この年に公開された大映配給作品に、岸田森は3本も出演している。



【岸田森の役】

太守

錯乱している殿。
冒頭、突然高笑いをしながら家来を斬首する登場シーンは、かなりショッキング。
いつも高笑いする狂いっぷりは凄い。
家系に狂気の血筋があり、きまぐれで、女色に狂い昼夜を問わずに歓楽を続け、罪なき者を毎日のように成敗。
公儀のお咎めを恐れた城代は、早く世継ぎを作らせて隠居として押し込もうとしている。
しかし、そういう点は計算高く、そう易々とは従わない。
いきなり五月人形の首を、高笑いしながらちぎってしまったり、
家臣を弓の的に使って追い回したりと、乱行の限りをつくす。
お銀(安田道代)にそそのかされた伊織(田村正和)によって斬殺。
何回刺されても中々絶命せず、じたばたと暴れまわる無様な死に様が印象的だ。







昭和45年8月11日(火)公開


激動の昭和史 軍閥

東宝製作東宝配給
上映時間134分カラー作品 シネマスコープ
監 督堀川弘通脚 本笠原良三


【出演】

小林桂樹(東条英機)加山雄三(新井五郎記者)黒沢年男(島垣<フィリピン特攻隊>)三橋達也(大西滝次郎<第一航空艦隊>)神山繁(近衛文麿首相)
藤田進(永野修身軍令部総長)宮口精二(東郷茂徳外相)中村又五郎(昭和天皇)清水将夫(来栖三郎全権特使)原保美(栗原報道部長)
佐々木孝丸(若槻礼次郎)安倍徹(南雲忠一)細川俊夫(鴨田繁太郎海軍大臣)田島義文(伊藤軍令部次長)北竜二(及川古志郎海軍大臣)
清水元(吉沢編集局長)北村和夫(山中政治部長)石山健二郎(杉山元軍務本部総長)中村伸郎(木戸幸一内大臣)志村喬(竹田編集総長)
中谷一郎(佐野軍務課長−局長)平田昭彦(富田作戦部長)土屋嘉男(岡辺事務局長)睦五郎(石田軍務課員)垂水悟郎(武井事務局長)
森幹太(小山秘書官)佐原健二(岡本参謀)船戸順(黒島先任参謀)伊藤孝雄(中村<ラバウル航空隊>)新田昌玄(丘中尉<フィリピン特攻隊>)
高津住男(横山記者)波多野憲(中川軍務課員)青木義朗(辻井参謀)富田浩太郎(富本次官)藤岡重慶(中田作戦部長)
玉川伊佐男(塚本軍務本部次長)天本英世(冬木先生)堺左千夫(北村上等兵<丸亀連隊>)久保明(高見参謀)江原達怡(三国参謀)
寺田農(藤井記者)岸田森(高倉記者)南風洋子(東条夫人)田村奈己(新井きみ江)中原成男(添田整理部長)
椎原邦彦(田部参謀)宮川洋一(杉村報道部長)佐田豊(後藤<毎日新聞職員>)福田秀実(小島中佐)小沢弘治(片桐少佐)
山本武(賀屋興宣蔵相)藤山竜一(広田弘毅)長浜藤夫松下達夫落合義雄(岡田啓介)
笹川恵三(豊田貞次郎外相)松本染升野村清一郎(平沼騏一郎)高島敏郎明石潮
宮本曠二郎(原嘉道枢密院議長)岡泰正(阿部信行)長谷川弘向井淳一郎(海軍司令官)小山源喜(鈴木貞次郎企画院総裁)
戸上城太郎広瀬正一(兵)岩本弘司(伝令兵<サイパン>)加藤春哉(黒潮会記者)鈴木和夫(陸軍下士官<サイパン>)
大前亘(長門通信将校)当銀長太郎(庄司参謀)田中浩(結城<ラバウル航空隊>)荒木保夫木村博人(田宮<ラバウル航空隊>)
川崎柱小金井宣夫鈴木治夫緒方燐作(福山作戦部長)勝部義夫(赤城通信参謀)
岡部正越后憲青森伸鈴木勇作倉田保昭
野島昭生津田光男宇野晃司伊藤実※(木へんに又)藤幸彦
須田準之助生方壮児上西孝次鹿島邦義音羽久米子
入江杏子記平佳枝由起艶子矢野陽子(若い母<サイパン>)桐生かほる
小林清志(ナレーター)山村總(米内光政首相)三船敏郎(山本五十六連合艦隊司令長官)  


【物語】

軍部は、昭和11年に起きた二・二六事件をきっかけに、政治進出を始める。
そして、着々と国内統制を強めながら、大陸進出を目指す。
長引く日華事変に焦った軍部が、南方進出計画を企てたために、アメリカとの関係は険悪になってしまう。
そして、無謀とも言える大国アメリカとの開戦へとなだれ込んでしまった。
初戦は連戦連勝で、大いに意気が上がる。
しかし、ミッドウェイ海戦の大敗を機に戦局は逆転、日本は敗戦へと一直線に進み始める。
従軍記者の新井五郎(加山雄三)は、
ガダルカナル島の撤退作戦に参加し、初めて前線の真相を知った。
だが、大本営は、厳重な言論統制を敷き、真実を伝えることは出来なかった。
新井は弾圧を覚悟で真実を報道することを決意するが、
それが元で軍部に睨まれ、危険な前線に兵士として送りだされてしまう…。


【解説】

二・二六事件から、東条内閣の成立、第二次世界大戦への突入、原爆投下までを描く、
東宝映画「八・一五シリーズ」第4弾。

このシリーズは、終戦記念日に合わせて、8月に戦争を題材にしたオールスター超大作を公開するというもので、
第1作目『日本のいちばん長い日(昭和421967年)』、
第2作目『連合艦隊司令長官 山本五十六(昭和431968年)』、
第3作目『日本海大海戦(昭和441969年)』と、
いずれも大ヒットを記録した。

東条英機を中心に、記録フィルムを多用して、編年史的な描き方をされている。
かなりの長い期間を描いているので、見せ場も登場人物も、全編に分散しているのが特徴だ。
東条英機(小林桂樹)が、戦局が悪化してくると、突然まるで狂人のように振る舞うのが印象に残る。



【岸田森の役】

高倉記者

毎日新聞社の記者。
時代を見る確かな目を持っていたために、意見が批判的になり、
それまでの陸軍担当を外される。
社内では孤立し、憲兵に睨まれ社を辞めてしまう。
大本営発表のラジオ放送を聞いて、浮かれている記者達の中で、
ただ一人だけ冷静にメモを採っている姿が印象に残る。
出演は3シーンのみ。


関連作品

激動の昭和史 沖縄決戦 (昭和46年1971








昭和45年10月31日(土)公開


銭ゲバ

近代放映製作東宝配給
上映時間91分カラー作品 ワイド
監 督和田嘉訓原 作ジョージ秋山脚 本小滝光郎高畠久和田嘉訓


【出演】

唐十郎(蒲郡風太郎)緑魔子(兄丸三枝子)横山リエ(兄丸正美)加藤武(蒲郡兼三)稲野和子(蒲郡久仁子)
応蘭芳(みどり)信欽三(秋葉刑事)藤木悠(石井総務課長)岸田森(新星)鈴木いずみ(綾子)
雷門ケン坊(少年風太郎)辻伊万里塩沢とき国景子(ヒデ子)鈴木和夫
長尾敏之助(隅田医師)毛利充広大屋満大久保鷹野村武史
五藤雅博三木太麻太刀川敬一西田昭一松尾文人
高松政雄永谷悟一広瀬正一亀山靖博曽我廼家明蝶(兄丸秀吉)
左とん平(俊次郎)桜井浩子(秋葉宏子)   


【物語】

貧しく粗暴で醜い青年、風太郎(唐十郎)は、
小さい頃に金がなかったために医者にかかる事が出来ず、
母親が死んでしまったという過去があった。
そのために、金のためなら何でもするという信条を持っている。
何とか最下層の生活から這い上がろうとした風太郎は
兄丸社長(曽我廼家明蝶)の車にわざとぶつかり、社長の家に転がり込む事に成功した。
薄汚いと罵られながらも、風太郎はみにくい妹娘の正美(横山リエ)を自分のものにする。
そして、殺しも辞さないあらゆる権謀術数を用いて、
兄丸家乗っ取りを推し進めてゆくのだった。


【解説】

少年サンデーに連載されて反響を呼んだ、ジョージ秋山の同名マンガの映画化。
金銭欲のためには、あらゆる非道を辞さない主人公のニヒルな生き方を描く。
マンガ連載時には余りにも反倫理的、反社会的として話題を集めた。
題材が異色のために、出演者も、主役の唐十郎を始め、
緑魔子、横山リエ、信欣三、加藤武、曽我廼家明蝶と、異色の組み合わせになった。


【岸田森の役】

新星

兄丸社長(曽我廼家明蝶)の運転手。
飛び込んできた風太郎(唐十郎)を轢いてしまうが、まったく罪悪感を抱かない態度で処理をする冷血漢。
醜い風太郎を徹底的に卑下するが、
あっさり灰皿で殴り殺され、庭に埋められてしまう。
映画が始まって、すぐに退場。


































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