【テレビ作品】


昭和53年1月21日(土)


土曜ワイド劇場 「青春の荒野」


テレビ朝日放映  
21時00分〜22時24分(84分)カラー作品
監 督須川栄三原 作モーパッサン脚 本福田善之


【出演】

草刈正雄(姿浩一)岸田森(森健夫)太地喜和子(森弓子)観世栄夫(阿久津)南田洋子(阿久津信乃)
片桐夕子(田沼染子)平田昭彦(鶴島克郎)   


【物語】

五年間のヒッピー生活から足を洗った浩一(草刈正雄)が、アメリカから帰国した。
ふとしたことから、現代日本を代表する二大週刊誌の野球大会に出場することになる。
これがきっかけとなって「週刊現代人」の記者として働くことになった。
浩一は、社長、阿久津(観世栄夫)の政界での黒幕ぶりや、
特集班部長、森(岸田森)の活躍ぶりを見て、めきめき才能を延ばす。
その姿を見て、森の妻、弓子(太地喜和子)が浩一に言い寄って来る。
だが、森は偶然病死してしまう。未亡人となった弓子と、浩一は同棲を始める。
そして、バーのママ、染子の政財界の情報と、弓子のペンの力で、頭角をあらしてゆくのだった。
浩一は社長夫人(南田洋子)と、令嬢、桜子(森下愛子)も、ものにして出世を続けてゆく。


【解説】

昭和521977 年7月2日から始まった『土曜ワイド劇場』の中の一本。90分で一話完結のスタイルを採用している。
毎週映画並の長時間ドラマが見られると、話題になった。ちなみに、土曜ワイド劇場の第29作目。
モーパッサンの「ベラミ」を下敷きに、劇作家福田善之が現代風に物語を置き換えた翻案ドラマ。
自分の周囲にいる人間をことごとく利用しながら、次第にのし上がってゆく主人公を草刈正雄が演じる。


【岸田森の役】



「週刊現代人」特集班部長。
喰うや喰わずやの姿の浩一(草刈正雄)を見て、記者として拾い上げる。
やり手の記者だが、浩一の出世に利用されてゆく。
物語途中で病死、妻の弓子(太地喜和子)は、浩一に言い寄られ、そのまま同棲してしまう。
森にとっては、浩一に利用されるだけ利用された、踏んだり蹴ったりの人生だった。


関連作品

土曜ワイド劇場

土曜ワイド劇場「歪んだ星座 受験戦争連続殺人」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「白い手美しい手 呪いの手」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場 「死刑台のロープウェイ」(昭和54年1979
土曜ワイド劇場「結婚しない女 死の羽田発397便」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怨霊!あざ笑う人形 危険な未亡人」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「怪奇!金色の眼の少女」 (昭和55年1980
土曜ワイド劇場「濡れた心 レズビアン殺人事件」 (昭和56年1981
土曜ワイド劇場 「殺しの連鎖反応 −努力しないで出世した男−」(昭和58年1983







昭和53年2月4日(土)〜昭和53年5月23日(土)


魂の試される時

全17回

フジテレビ毎週土曜日放映
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
原 作丹羽文雄


【出演】

十朱幸代(土屋萩)清水健太郎(庸)西村晃(丹波)宇津宮雅代(愛子)佐藤慶(川瀬林作)
久我美子(川瀬博子)宝生あやこ(茂代)柳生博(山喜田晃)馬淵晴子(郁子)岸田森(順一)
渡辺篤史(武見徹)二階堂千寿(涼子)早川保(吉郎)山内恵美子(寿美)神有介(友彦)
原田美枝子(桜井久子)藤村薫(ふみ)里木佐甫良森田元子(明子)加藤由紀


【解説】

丹羽文雄が昭和511976 年〜昭和521977 年にかけて読売新聞に連載した小説のテレビドラマ化。
閉鎖的な書道界を舞台に、若く美しい書道家の萩(十朱幸代)が、妻子ある林作(佐藤慶)と、
その息子、庸(清水健太郎)を愛してしまったために起きた悲劇を描く。
新聞小説を原作にした事で、多くの登場人物が複雑に入り組む構成の物語となっている。
主演は十朱幸代と、清水健太郎。
清水健太郎は、映画『ボクサー』(昭和521977 年)などで、
昭和52年度の新人賞を総なめにした感があったので、二人の共演は話題になった。
製作は勝プロダクション


【岸田森の役】

順一

川瀬林作(佐藤慶)の愛人になっている愛子(宇津宮雅代)の夫で中学校の教師。
心臓の病気で伊豆の病院に2年近くも入院。喘息気味で、帰宅した時も発作を起こしている。
猜疑心が強く、妻の行動を興信所に探らせたりする。妻・愛子からは「陰険で焼きもちの塊」とまで影で言われている。
岸田森は、独特な間合いや喘息気味の息遣いなど、神経質さを強調する得意の演技を見せてくれる。
策略を巡らし離婚、元教え子の万理(服部妙子)を巻き込み娘を連れて家を出る。
第4回第5回第6回第9回第10回第11回第12回の7エピソードに出演。
出演はしていないが、最終回で、離婚したその後の事が語られている。



【各エピソード解説】

第1回 第2回第3回 第4回第5回第6回
第7回第8回第9回 第10回 第11回第12回
第13回第14回第15回 第16回第17回 




関連作品



勝プロダクション

座頭市と用心棒 (昭和45年1970
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
新・座頭市(第二部) 第13話「忠治を売った女」(昭和53年1978
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982

あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984









昭和53年4月10日(月)


新・座頭市(第2部)

第13話「忠治を売った女」

フジテレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督黒田義之原 作子母沢寛脚 本佐藤繁子


【出演】

勝新太郎(座頭市)二宮さよ子(おまき)岸田森(庄八)名和宏(勘蔵)川浪公次郎
志茂山高也白川浩二郎広田和彦  


【物語】

有名な国定忠治が、妾のおまき(二宮さよ子)の密告で召し捕られ処刑された。
おまきは、もともと忠治の子分、庄八(岸田森)の女房だったが、強引に忠治が奪ったのだ。
そして、密告することで庄八は、忠治に復讐したのだった。
そんなとき、ひょんなことから市(勝新太郎)とおまきは道連れになる。
市は昔、忠治に世話になったことがあった。


【解説】

勝新太郎扮する座頭市が活躍するテレビシリーズの第三弾。
盲目の按摩だが、居合の達人の市(勝新太郎)が、悪を斬るという基本的なストーリーは同じ。
今回のシリーズでは、市に、駕篭かきや阿波踊りなど色々な事をやらせるという味付けをしていた。
昭和531978 年1月から半年の予定で放映されたが、
昭和531978 年5月に、アヘン所持で勝新太郎が書類送検を受けたことから、19本で打ち切られてしまう。
そして、シリーズ再開までには1年もかかってしまうことになる。


【岸田森の役】

庄八

国定忠治の子分で、おまき(二宮さよ子)の夫だったが、忠治に妻をとられてしまう。
そのために、おまきに対して負い目を感じてしまい、
憎さ余って地元の親分に、彼女を売り飛ばしてしまうのだった。
しかし、やはり女房の事が忘れられず、命懸けで助けてしまう。
おまきが、忠治に対して自分と同じ気持ちを抱いたと知ったとき、再び、自ら死地に赴いて行く。
いままでの座頭市シリーズの中では、悪役ばかり演じていたが、今回はなさけない哀れな男を演じている。
登場シーンが多く、ほとんど出ずっぱりだった。
特に、勝新太郎とのシーンは長回しを多用しており、岸田森の芝居を十分堪能できる作品だ。




関連作品



勝プロダクション

座頭市と用心棒 (昭和45年1970
子連れ狼 三途の川の乳母車 (昭和47年1972
子連れ狼 親の心子の心 (昭和47年1972
唖侍 鬼一法眼 第2話「くちなしの子守唄」(昭和48年1973
御用牙 かみそり半蔵地獄責め (昭和48年1973
座頭市物語 第14話「赤ン坊喧嘩旅」(昭和50年1975
痛快!河内山宗俊 第22話「桃の節句に雪を見た」(昭和51年1976
痛快!河内山宗俊 第26話「無頼六道銭」(最終話)(昭和51年1976
新・座頭市 第2話「父恋い子守り唄」(昭和51年1976
新・座頭市 第19話「越後から来た娘」(昭和52年1978
座頭市物語(3幕9場) (昭和53年1978
鶴八鶴次郎(4幕7場) (昭和53年1978
因果小僧六之助(3幕6場) (昭和53年1978
魂の試される時 全17回 (昭和53年1978
新・座頭市(第3部) 第3話「市の耳に子守唄」 (昭和54年1979
舞台演出 勝アカデミー公演「かもめ」より (昭和55年1980
あいつと俺 全4話 (昭和55年1980
警視-K 第10話「いのち賭けのゲーム」 (昭和55年1980
時代劇スペシャル「快傑黒頭巾」 (昭和56年1981
時代劇スペシャル「傘次郎・新子捕物日記 夫婦十手(めおとじって)」(昭和57年1982

あいつと俺(未放映分)第5話〜第12話 (昭和59年1984








昭和53年4月21日(金)〜5月5日(金)


夢のあとに

第1回〜第3回

TBSテレビ放映  
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
原 作海渡英祐




【解説】

太平洋戦争開戦前夜、理想を持ち和平交渉に奔走する海軍士官、真介(石坂浩二)。
そして、その妻輝子(竹下景子)の愛と逃亡を描く海渡英祐原作「燃えつきる日々」を、
『三男三女婿一匹』(昭和511981年、TBS)、
『野々村病院物語』(昭和561981年、TBS)などを手掛けた高橋玄洋の脚色でドラマ化。
演出は、岸田森とは何回もコンビを組んでいる高橋一郎ほかが担当。
二ューヨークロケを敢行した事でも話題となった。全11回放映


【岸田森の役】

岩岡

和平工作に奔走する高山真介(石坂浩二)の仲間。
元は歴史学者だが、ある論文がもとで、官憲に睨まれてしまう。
一億国民を戦火から守ろうと、和平派の外交官、園部(仲谷)の下で熱心に活動をするが、
殺人容疑者にされてしまい逃亡者となる。
急進派の拷問を受け、舌を噛み切って自殺した。




関連作品


高橋一郎

近鉄金曜劇場 芸術祭参加作品「正塚の婆さん」(昭和381963年)
近鉄金曜劇場 「剣」     (昭和391964年)
きんきらきん 第11回   (昭和441969年)
美作ノ国 吉井川      (昭和471972年)
白い影 第14回(最終回) (昭和481973年)





【各エピソード解説】

第1回「光と影」 第2回「幻の視線」第3回「愛の迷路」
第4回目以降  





昭和53年5月30日(火)


江戸の鷹 御用部屋犯科帖

第22話「暗黒街の子連れ狼」

テレビ朝日放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督吉川一義脚 本津田幸於


【出演】

三船敏郎(内山勘兵衛)田中健(若杉新之助)中谷一郎(一柳角太郎)田中邦衛(風見鉄平)坂上二郎(雉兵衛)
岸田森(倉知竜之介)川合伸旺(滝沢道願)沢井桂子(お千勢)富田仲次郎(木層屋辰蔵)三角八郎(仙造)
庄司永建(長野主膳)沢田亜矢子(おりき)丸山秀美(おひで)弘松三郎(越前屋伊兵衛)外野村晋(相馬屋彦兵衛)
並木静夫(定吉)北沢輝樹(長太郎)相原巨典(伊勢屋次助)戸塚孝千代田弘
吉中正一草間璋夫奈良富士子(お小夜)黒沢良(ナレーター) 


【物語】

目安箱に訴状を入れに行く途中の商人が、数人の浪人達に斬り捨てられる。
訴状には、御用地召し上げ計画があると書かれていた。勘兵衛(三船敏郎)は、捜査に乗りだす。
その結果、商人を殺したのは竜之介(岸田森)という浪人と、材木問屋・遠州屋ということが判明した。
御用地として立ち退かせた後に、岡場所を作ろうと企んでいたのだ。


【解説】

『人魚亭異聞 無法街の素浪人』(昭和511976 年)以来、1年3カ月ぶりの三船敏郎主演時代劇。
お鷹組と呼ばれる、将軍直々の命令によって関八州にまで捜査権を持ち、
鷹を重要な武器として使用するグループが悪を葬る。
レギュラーは、三船敏郎、田中健、中谷一郎、田中邦衛、坂上二郎。三船プロダクション製作全38話放映。
鷹が毎回登場するのが売り物で、番組のために4匹用意されたが、一匹は途中で死亡している。
出演者達は、鷹と共に撮影をするということで、総額2億5千万円の保険が掛けられた事も話題となった。


【岸田森の役】

倉知竜之介

凄腕の用心棒兼殺し屋。
お鷹組を相手に睨みを効かすが、家庭では子煩悩の父親。
以前、竜之介を捨てた妻は、今はお千勢の方(沢井桂子)となり、公儀火除地の利権を得ようとしている。
竜之介は、それとは知らずに計画に加担してしまう。
一人息子を取り上げようとして、討手と共に出向いて来たお千勢と、最後には相討ちになる。
覆面から見えた目から正体が割れてしまうあたり、目の芝居が印象的な岸田森らしい役だった。




関連作品

三船プロダクション

荒野の素浪人 第24話「襲撃地の果て白骨ヶ原」(昭和47年1972
荒野の用心棒 第28話「虐殺の丘に女の復讐が燃えて…」(昭和48年1973
荒野の素浪人(第2部)  全39話 (昭和49年1974
剣と風と子守唄 第14話「地獄に恋した野郎ども」 (昭和50年1975
剣と風と子守唄(最終回) 第27話「栄光への父娘旅」 (昭和50年1975
人魚亭異聞 無法街の素浪人 第3話「一発勝負殺しの切札」 (昭和51年1976
犬笛(昭和53年1978
江戸の牙 第1話「炎上!赤馬を斬れ」 (昭和54年1979







昭和53年6月18日(日)


南海放送創立25周年記念番組

わが兄はホトトギス

南海放送放映  
15時00分〜16時00分(60分)カラー作品
監 督森 巌脚 本早坂暁


【出演】

岸田森(正岡子規)佐藤オリエ(妹 律)村松克己(河東碧梧桐)広瀬昌助(高浜虚子)草野大悟(伊藤左千夫)
観世栄夫(陸羯南)夏川静枝(母 八重)


【物語】

伊予の国松山の、下級士族の家に生まれた子規(岸田森)は、十一歳の頃から漢詩を作り始める。
一八九五年、日本新聞の新聞記者として日清戦争に従軍。しかし、その頃から胸の病気が悪化していた。
病床に伏した子規は、主として句誌「ホトトギス」を舞台に、
同士らと共に作品を発表し続け、文学への情熱を燃やし続けていた。
こうした子規を、献身的に看病し続けてくれたのが、妹の律(佐藤オリエ)だった。
子規は、律に頼りきり、安心を得ていた。
子規は、律への感謝を忘れた事はなかったけれども、体調は日に日に悪化していった…。


【解説】

南海放送創立25周年記念番組として放映された作品。
短い生涯で、闘病生活の中から俳句、短歌に輝かしい金字塔を立て、
膨大な門下生を育てた俳聖、正岡子規(岸田森)の一生を、妹、律(佐藤オリエ)の目を通して描く。
子規の「仰臥漫録」という私記を題材に、子規の闘病生活を描ききった作品。
テレビエッセーと名づけられていた。
出演者は、ほとんど岸田森と佐藤オリエのみ、しかも舞台の大半が六畳の病室と庭。
冒頭、俳優岸田森が、東京、根岸の子規庵を訪ね、そこで子規に触れて感動、
自ら髪を切って子規になりきるシーンから始まるという、実験的な作品である。
脚本は早坂暁が担当した。
岸田森の熱演はすさまじく、闘病時のセリフはほとんど絶叫だった。
実際の子規も、闘病時は庵からかなり離れた場所まで叫びが聞こえたということから、
この演技もオーバーではなかったようだ。
短い人生を駆け抜けて行った岸田森本人とも通ずるものがある役柄である。
昭和53年芸術祭最優秀賞と、放送文化基金賞、日本民間放送連盟優秀賞などを受賞している。
全国ネットでは放映していないようだ。


【岸田森の役】

正岡子規



関連作品



早坂暁

愛しの太陽 (昭和41年1966
真田幸村(昭和41年1966
契りきな(昭和44年1969
浮世絵女ねずみ小僧 第2話「霧の夜の襲撃」(昭和46年1971
天下堂々  全47話 (昭和48年1973
斬り抜ける 俊平ひとり旅 第13話「あなたが欲しい」(昭和49年1974
必殺からくり人 第12話「鳩に豆鉄砲をどうぞ」(昭和51年1976
新必殺からくり人 第2話「東海道五十三次殺し旅 戸塚」(昭和52年1977
ドラマ人間模様 新事件 わが歌は花いちもんめ 全5回(昭和56年1981







昭和53年7月22日(土)〜8月5日(土)


横溝正史シリーズU

「夜歩く」全3回

TBSテレビ(MBS)放映毎週土曜日放映
22時00分〜22時55分(55分)カラー作品
監 督水野直樹原 作横溝正史脚 本稲葉明子


【出演】

范文雀(古神八千代)谷隼人(屋代寅太)南風洋子(お柳さま)岸田森(蜂谷小市)村井国夫(仙石直記)
原泉(乳母・お喜多)清水紘治(古神守衛)菅貫太郎(古神四方太)古川義範小林伊津子
松沢千恵山本聰音羽久米子鮎川浩中島公子
山田禅二伊藤雄之助(仙石鉄之進)長門勇(日和警部)古谷一行(金田一耕助) 


【解説】

毎日放送で制作した作家シリーズの一本。
一つの作品を3回から4回に分けて放送するスタイルを採っていた。
この時は、角川映画『犬神家の一族』(昭和511976 年)がヒットしていた横溝正史が選ばれている。
企画も角川春樹事務所が担当。旧家の複雑な人間関係を背景にした連続殺人事件を描く。
横溝正史が選ばれたのは、この時間枠では2回目で、そのためにタイトルに「U」がついている。
今回の放映分には、ほかに同じ原作者の『不死蝶』『女王蜂』があった。
ちなみに、ほかの作家は森村誠一、高木彬光、黒岩重吾が選ばれている。


【岸田森の役】

蜂谷小市

無頼の前衛画家。画家としては結構名前が売れている。
八千代(范文雀)の婚約者で、古神家の首なし殺人事件後に失踪、容疑者にされる。
ロシア民族衣装のルバシカという芸術家らしい独特なファッションが特徴。
岸田森は、第1回、第2回にクレジットされている。
出演していない第3回では、冒頭の前回までのあらすじシーンに以前の映像が使われている。




関連作品

森村誠一シリーズ「腐蝕の構造」全7回 (昭和52年1977
高木彬光シリーズ 検事霧島三郎「密告者」全5回  (昭和54年1979





【各エピソード解説】

第1回 第2回第3回(最終回)






昭和53年7月25日(火)


大追跡

第17話「殺し屋」

日本テレビ放映  
21時00分〜21時54分(54分)カラー作品
監 督西村潔脚 本金子成人


【出演】

加山雄三(新田)沖雅也(矢吹)長谷直美(結城)柴田恭兵(滝本)岸田森(神山)
山本麟一(粟田)蟹江敬三(石田)山岡徹也トビー門口新海百合子
柿沼大介小沢章治富士乃幸夫渡辺恵美子加藤茂雄
森山周一郎(ナレーター)風吹ジュン桂小金治藤竜也(水原) 


【物語】

遊撃捜査班の水原(藤竜也)は、横浜松栄会神山組の組長、神山(岸田森)から、
射撃の腕を買われ、殺し屋として誘われた。
拳銃密輸の証拠をつかむいい機会だと、水原は内部に送り込まされる。
神山は粟田(山本麟一)を消そうとしていた。
しかし、粟田の部下には港西署の刑事がいて、水原の正体を疑う。


【解説】

神奈川県警のはみだし刑事集団「遊撃捜査班」の活躍を描くアクションシリーズ。
新田刑事(加山雄三)ほか、
水原慎介(藤竜也)、矢吹史朗(沖雅也)、結城佳代子(長谷直美)、滝本修(柴田恭兵)の5人がレギュラー。
確実に検挙率が上がらなければ廃止される特殊セクションで、
正義も感傷も栄光もないという孤立無援の戦いが建前ではある。
しかし、一見ハードに見えるこの作品は、レギュラーたちの悪ふざけがすさまじく、
ハードアクション風のストーリー展開をするコメディーというのが番組の実態だった。
大野雄二の音楽による軽快なオープニングも見所。


【岸田森の役】

神山組長

横浜松栄会乗っ取りを狙い、拳銃密輸取引を一手にせしめようと、
兄弟分の粟田(山本麟一)を殺害しようとする。
そのために水原(藤竜也)を刑事と知らずに殺しを依頼してしまう。
最初から最後までタバコを吸い続け、秘書の石田(蟹江敬三)がライターの火を苦労して点け続ける。
ダンディーに決めていても、中身は古いヤクザというのが面白い。
この二人のコンビは、徹底的にコメディータッチで描かれていた。
全身白づくめで、サングラスを手放せなさない。
最後には警察との撃ち合いで、タバコをわざわざくわえながら、石田とともに死亡する。







inserted by FC2 system