【テレビ作品】
昭和40年2月27日(土)放映
徳川家康
第35話「葦かびの巻」K
NETテレビ | |
22時00分〜23時00分(60分) | 白黒作品 |
【出演】
北大路欣也(松平家康) | 津川雅彦(織田信長) | 扇千景(瀬名) | 山本学(木下藤吉郎) | 河野秋竹(本多作佐衛門) |
小林千登勢(お濃) | 武藤英司(酒井忠次) | 岸田森(竹中半兵衛) | 滝田修(ナレーター) | |
【解説】
山岡荘八原作のベストセラー「徳川家康」のドラマ化。
原作の一巻を、1時間ドラマ6回分で描くという形式を採っていたので、
「出生乱離の巻(全6回)」
「獅子座の巻(全4回)」
「朝露の巻(全12回)」
「葦かびの巻(全15回)」という風に放映されていた。
だが、途中から放映形態が変更になり、かならずしもこの様には描かれなくなる。
昭和39年1964 7月4日(土)から昭和40年1965 10月30日(土)まで、全70話放映されているが、
第40話からは、第2部と銘打たれ、キャストが一新された。
大河ドラマという事で、製作にも力が入っており、
桶狭間の戦いを描いた第21話「朝露の巻J」は、
連続ドラマの中の一話にも関らず昭和39年1964 度の芸術祭参加作品として製作されている。
豪華なキャスティングも話題を呼び、
第1部では家康を北大路欣也が演じ、
第2部では、北大路の父親市川右太衛門かテレビドラマ初出演で家康役を引き継いだ。
ちなみに、第2部までに描かれたのは、
秀吉によって家康が江戸へと移された辺りまでで、
原作を全部は映像化していない。
【岸田森の役】
竹中半兵衛
秀吉に仕え中国攻略に軍師として功績を立てた実在の武将。
この回のみの出演。
【各エピソード解説】
昭和40年3月18日(木)放映
おかあさん
第324話「味はおふくろ」
TBSテレビ放映 | |
21時00分〜21時30分(30分) | 白黒作品 |
【出演】
万代峯子(はる) | 篠原美恵(君子) | 細川俊之(坂田) | 藤巻大三(長谷川) | 柴田美樹(城戸) |
岸田森(林) | 一の木真弓(みどり) | | | |
【物語】
はる(万代峯子)は、大学の裏で、家庭的な味を売り物にした食堂を開いていた。
夫と子供をすでに亡くしていたはるは、
客としてやって来る大学生たちを、本当の子供のように可愛がり、
相談相手まで買って出ていた。
だが、大学生達はこの店の味に限るとは言っても、
ドライで調子のよい連中が多くなっている。
はるは、期待や希望を裏切られる事が多かった。
そんなある日、近くで火事が起きた。
はるは一人でオロオロする事しか出来なかった。
だが、いつもは調子の良いだけの大学生達が、駆けつけて来てくれた。
口ではなんと言っても、大学生たちははるに母親のイメージを抱いていたのだ。
【解説】
「おかあさん」をモチーフにした、単発形式のスタジオドラマ。
生放送主体の放送だったので、残念ながら、現在ではほとんど映像が残っていない。
岸田森と後年コンビを組む実相寺昭雄監督は、
このシリーズの中の一本で、演出デビューを飾っている。
【岸田森の役】
林
大学生。
はる(万代峯子)の経営する食堂「おふくろ」の常連客。
関連作品
おかあさん
おかあさん 第367話「夜の静寂(しじま)を…」(昭和41年1966)
おかあさん 第386話「鬼の夕焼け」 (昭和41年1966)
昭和40年5月11日(火)〜7月13日(火)放映
テレビ劇場
「この世の花」
全10回
TBSテレビ | 毎週火曜日放映 |
22時00分〜22時30分(30分) | 白黒作品 |
演 出 | 織本信也(第1回) | 宇治正敏(第2回〜第10回) | 原 作/脚 本 | 北条誠 |
【出演】
島倉千代子(久美子) | 岸田森(有川貢) | 河村弘二 | 清水紘治 | 小文字まり |
春江ふかみ | 石川徹郎 | 堤健一 | | |
【解説】
人気絶頂だった歌手、島倉千代子を主演に据えた30分全10回の連続ドラマ。
北条誠作詞、島倉千代子歌でヒットした同名の歌をドラマ化。北条誠自身が脚色。
本放送に先駆けて、
原作者北条誠との座談会や、島倉千代子の歌で構成された「この世の花」の紹介番組が放映されている。
【岸田森の役】
有川貢
岸田森の初めての本格的テレビレギュラー出演作品。
ヒロインの恋人役という主役級の扱いだった。
【各エピソード解説】
昭和40年5月26日(水)放映
判決
第137話「求めあい」
NETテレビ放映 | |
21時00分〜22時00分(60分) | 白黒作品 |
演 出 | 荻野隆史(八橋卓の記述もあり) | 脚 本 | 深沢一夫 |
【出演】
仲谷昇(岸本) | 土屋嘉男(都留) | 真屋順子(ふえ) | 岸田森(野島) | 三島謙 |
旗和子 | 植村謙二郎 | 河内桃子 | 南風洋子 | 沢本忠雄 |
小川真司 | 金井克美 | | | |
【物語】
弁護士会は、住み込み店員をしている野島徹(岸田森)から投書を受け取る。
同じ繁華街で働く、同郷の志村ふえ(真屋順子)が虐待されているらしいというのだ。
岸本(仲谷昇)、都留(土屋嘉男)両弁護士に調査が依頼されたが、
ふえは口を閉ざすばかり。
帰郷するという徹を見送った帰り、
ふえは、陸橋から飛び降り自殺してしまう…
【岸田森の役】
野島徹
住み込み店員
関連作品
判決 第168話「ある内縁」 (昭和40年1965)
昭和40年8月12日(木)放映
風雪
第68話「浅草オペラ誕生」
NHK総合放映 | |
21時40分〜22時30分(50分) | 白黒作品 |
【出演】
江守徹(新聞記者杉本) | 岸田森(伊庭) | 設楽香乃(葉子) | 柳沢真一 | 桑山正一(編集長) |
田谷力三 | 楠トシエ | 友武正則 | フリードリッヒ・グライル(ローシー) | |
【物語】
大正初年、
帝国劇場で幕を開けた日本のオペラは、
当時一流の演出家ローシー(フリードリッヒ・グライル)を招いたにもかかわらず、
大衆には全く受け入れられなかった。
五年後、帝劇歌劇部が解散した後も、
ローシーは私財を投げ打ってオペラ常設館を作り、
人材の育成と発展に尽くす。
こうした動きに興味を持った新聞記者杉本(江守徹)は、
誰も興味を持たない中ただ一人、協力を買って出る。
その頃、芸術座の演出家、伊庭(岸田森)は、
オペラを大衆に近づけようと、
自作のオペレッタ「女軍出征」を浅草で上演、次第に人気を博していった。
【解説】
波乱に満ちた近代日本百年の歩みに生きた、
無名の日本人達を描き出す、一話完結テレビドラマシリーズ。
書き下ろしを原則として、
時代考証を正確に行うというのが基本コンセプトのシリーズである。
切手の誕生や、陸蒸気など多彩なテーマを扱い、
昭和39年1964 4月〜昭和40年1965 9月まで、全76回放映される。
このエピソードは、
独自の発展を遂げた浅草オペラの誕生物語を、
新聞記者、踊り子、歌手などがおりなす多彩な人間模様を通して描いた作品。
浅草オペラの看板歌手、田谷力三が本人役で出演したり、
当時の指揮者である篠原正雄、振付師の内海一郎も本人役で特別出演、
雰囲気を盛り立てた。
ローシーを演じたフリードリッヒ・グライルは、
NHK国際放送局開局から三十年間勤めていたアナウンサー。
【岸田森の役】
伊庭孝
実在の、浅草オペラ創始者。
自作オペレッタで浅草に進出、
ローシー(フリードリッヒ・グライル)とは別の方法で、オペラの大衆化をはかる。
昭和40年12月29日(水)放映
判決
第168話「ある内縁」
NETテレビ放映 | |
21時00分〜22時00分(60分) | 白黒作品 |
【出演】
市川春代 | 岸田森(鈴木英夫) | 古谷千春 | 村田千栄子 | 天野新二 |
高桐真 | 河内桃子 | 仲谷昇 | 沢本忠雄 | 小川真司 |
【物語】
ハミガキと歯ブラシの押し売りに行った鈴木英夫(岸田森)が、
断られて女を殺した。
国選弁護士になった井上(河内桃子)は、
英夫がハミガキと歯ブラシをたった一本ずつしか持ってこなかったことに疑問を抱く。
井上の調査の結果、
英夫は白石という男の私生児で、
殺された女は白石の戸籍上の妻だった。
しかも、白石が事故で死んで、
遺族保障費が全て正妻であるその女のものになったという事実がわかった。
二児をもうけながら入籍せずにいたため、
みすみす貧乏に悩まされる母と子の悲劇が事件の裏にはあった。
【解説】
『判決』は、昭和37年1962 10月16日に放映をスタートして以来
200本もロングラン放映された、法律事務所を舞台にした社会派ドラマ。
佐分利信、尾上松録、仲谷昇、河内桃子の4人の弁護士の活躍を描く。
戦争がもたらした悲劇、部落問題
その他社会派問題を正面から取り上げ続け高視聴率を上げる。
その間、テレビ記者会賞奨励賞、日本弁護士連合会表彰などいくつかの栄光に輝いた。
しかし、内容の社会性から政治圧力がかかる事もあり、
教科書問題を扱った「佐紀子の庭」ほか数本が放映中止や内容変更に追い込まれている。
【岸田森の役】
鈴木英夫
私生児ゆえに、貧困に悩まされている家族をほおっておけなくなり、
自分を捨てた父親の正妻を、殺害してしまう。
関連作品
判決 第137話「求めあい」(昭和40年1965)