【声の仕事】




昭和53年1月30日(月)〜2月10日(金)


ラジオ劇画傑作シリーズ

ブラック・ジャック 全10話(第二次放送分)

TBSラジオ 毎週月曜日〜金曜日放送  
21時00分〜21時15分(15分)モノラル放送
原 作手塚治虫脚 色佐藤信


【解説】

人気マンガをラジオドラマ化する「ラジオ劇画傑作シリーズ」の中でも好評だった、
手塚治虫原作の傑作コミックス「ブラック・ジャック」を、全く同じスタッフで再びラジオドラマ化。
劇中、擬音やナレーションは、
劇団コマドリの子役達4名の「ブラック・ジャック・ギャング団」が、
セリフだけで担当するという面白い構成は、前回と同じ。
オープニングやエンディングも、前回のものを流用、雰囲気を壊さないように勤めていた。
現在、放映されたエピソードが判明しているのは、エピソード解説にある4本。
放映日、話数は確認出来ていない。
 



【岸田森の役】

ブラック・ジャック:主人公

天才的な手術の腕を持つが、法外な値段の手術料を要求する無免許医。
手塚治虫が創作した、ニヒルで人情味あふれる名キャラクターを、
岸田森は格好良く演じていて聞き応えがある。





【各エピソード解説】

「シャチの詩」 「座頭医師」「ゴーストタウンの流れ者」
「火と灰の中」  





昭和53年2月6日(月)〜2月10日(金)

音の本棚

「ディーノ・ブッツァーティ短編集」

FM東京放送 
21時25分〜21時40分(25分)ステレオ作品
原 作ディーノ・ブッツァーティ脚 色かわだ りょう


【出演】

岸田森新村礼子宗形智子西本裕行吉水慶
遠藤浩    




【解説】

昭和511976 年4月〜昭和541979 年6月まで三年以上にもわたりFM東京で放送されていたラジオドラマ。
小池朝雄がナビゲートを担当、
センスの良い選曲で、主に原作のある作品を、月曜日から金曜日まで毎日放送するというスタイルの番組で
800本以上の放送本数がある。
原作者のディーノ・ブッツァーティはイタリアの作家で、幻想文学の書き手として世界的にも名高い作家。
ちょっと不条理さの漂う展開も魅力的だ。
代表作は『タタール人の砂漠』、短編集『七人の使者』など。
今回の放送ラインナップは、すべて『七人の使者』の中の短編から選ばれている。





【各エピソード解説】


第1話「七階」 第2話「山崩れ」第3話「マント」
第4話「聖者たち」第5話「なにかが起こった」 





昭和53年4月12日(水)、19日(水)


水曜ロードショー

アラビアのロレンス

Lawrence of Arabia

日本テレビ放映 
21時00分〜22時54分(114分)カラー作品
DirectorDavid LeanScreenplayRobert Bolt


【出演】

Peter O'Toole(T.E. Lawrence)Alec Guinness(Prince Feisal)Anthony Quinn(Auda abu Tayi)Jack Hawkins(General Lord Edmund Allenby)Omar Sharif(Sherif Ali)
Turkish Bey (Jose Ferrer)Anthony Quayle(Colonel Brighton)Claude Rains(Mr. Dryden)Arthur Kennedy(Jackson Bentley)Donald Wolfit(General Sir Archibald Murray)
I.S. Johar(Gasim)Gamil Ratib(Majid)Michel Ray(Farraj)John Dimech(Daud)Zia Mohyeddin(Tafas)




【吹替出演】

ローレンス少尉(岸田森)ファイサル王子(内田稔)アリ(新克利)ブライトン大佐(宮川洋一)アウダ(北村和夫)


【物語】

1953年、イギリスの片田舎で、一人の男がオートバイの運転を誤って死んだ。
この男こそ、かつて「アラビアの英雄」と謳われたトーマス・エドワード・ロレンス(ピーター・オトゥール 声・岸田森)だった。
英雄と言われていた男が、何故一人寂しく死ななくてはならなかったのか。
話は20年前にさかのぼる。
第一次大戦のさなか、ドイツ軍はトルコと結んで、イギリス領のアラビアを侵略していた。
アラビアは、イギリスにとっては重要な石油の宝庫である。
侵略に反撃するために、イギリスはトルコに対して反乱を起こしているファイサル王子(アレック・ギネス 声・内田稔)を援助することになった。
そのために派遣されたのが、ロレンスだったのだ。
ロレンスは、自分とは考え方の違うアラビア人の中で、必死にアラブのために戦い、英雄となってゆく。
しかし、バラバラな部族には、統合の兆しがみえない。
その内に、自分たちを置き去りにして、イギリスとフランスに協定が結ばれてしまい、
ロレンスの存在は必要なくなってくる。




【解説】

第一次大戦中、ドイツ・トルコ連合軍に対抗し、
アラブ軍の先頭に立って戦ったイギリス人、T.E.ロレンスの波乱の生涯を描く、1962年製作の超大作映画。
ロレンスの自伝、「知恵の七柱 The Seven Pillers of Wisdom」を元に脚色され、
実際にアラビア砂漠でロケーションした広大な風景を70ミリの大画面を存分に使って映し出した事が、封切り当時話題になった。
特に、蜃気楼の彼方からロレンスがラクダに乗って現われるシーンは、
今でも映画史上に残ると言われる程の美しいシーンに仕上がっている。
1962年度のアカデミー賞を7部門獲得し、
舞台役者だったピーター・オトゥールと、エジプトのスター、オーマ・シャリフを、一躍国際スターへと押し上げた。
3時間42分という大作映画のために、放映の時は前後編に分けられて放映されている。



【岸田森の役】

ロレンス少尉(ピーター・オトゥール)の声

超大作のテレビ放映に際しては、
声優専門の人が吹き替えるよりも、話題性を狙って、役者やタレントが吹き替えを担当することが多い。
『アラビアのロレンス』への岸田森の起用も、話題性のために行われたと思うが、
ピーター・オトゥールの容貌は、意外に岸田森と似ているところがあり、この起用は成功だった。
また、ほかの出演者も、新劇の俳優を多く起用している。









昭和53年4月29日(土)


ドラマ「酒呑童子異聞−堀河の姫」

NHK-FM放送  
22時20分〜23時10分(50分)モノラル
演 出久保博深瀬サキ


【出演】

杉浦悦子(堀河の姫)石田太郎(酒呑童子)岸田森(源頼光)松村彦次郎(坂田金時)川浪公次郎


【解説】

大岡信の妻でもある劇作家、深瀬サキのオリジナルストーリー。
平安時代に京の西洛に住み、無類の酒好きの鬼、酒呑童子を扱った物語だが、詳細は不明。
タイトルから見て、物語途中で酒呑童子に食べられてしまう堀河の姫を主役にして描いた作品だろうと思われる。


【岸田森の役】

源頼光

悪行を働く酒呑童子を討つよう、勅命を受ける武士。
渡辺綱、坂田金時ら四天王と呼ばれる家来たちと共に、童子を討つ。









昭和53年5月8日(月)


ラジオ図書館


「ヌハスの巨人」


NHKラジオ第二放送  
10時15分〜10時30分(15分)モノラル
脚 本伊藤海彦


岸田森水島裕千葉耕市松村彦次郎


【物語】

ものぐさの少年モハメドは、偶然手に入れた猿を、旅に出る船長に預けた。
ところがその猿は、船長の命を助けたというので、沢山のお礼の品がついて戻ってきた。
モハメドはそれを元手に店を造り、成功を収めた。
ある日、突然猿が言葉を喋り出した。
ある僧正に大金を渡せば、美人の娘を嫁に貰えると言うのだ。
言う通りにしたモハメドは、猿にそそのかされるままに、
その家に置いてあった魔法の短剣で、鶏の首を切り落とした。
すると、巨人になり娘を連れ去ってしまった。
モハメドは、僧正が巨人にかけた魔法を解くのに利用されてしまったのだ。
再び無一文になったモハメドは、途中出会った白ヘビの助けを借り、巨人から娘を救い出す。




【解説】

「ラジオ図書館」は、小学生高学年向けの教材用に、NHKラジオ第二から毎週放送されていた教育番組。
日本や、世界各国の文学作品、民話、昔話などの中から、小学生に適当と思われる作品を、ドラマ化して放送した。
「ヌハスの巨人」は、アラビアの説話集「千夜一夜物語」の中の1エピソード。
元はアフリカの民話だった。


【岸田森の役】

モハメド

年を重ねたモハメドが、過去を回想する形式をとっているので、語り部も兼ねていた。
若い頃のモハメドは、別の人が担当している。









LPレコード


「阪妻を偲ぶ −雄呂血/無法松の一生−」


昭和53年キングレコード発売



「雄呂血−無頼漢(ならずもの)−」

原 作寿々喜多呂九平構成・演出榎本滋民


【出演】

田村亮(久利富平三郎)藤田弓子(奈美江)西田昭市(松澄永山)中村又次郎(江崎真之介)中村又蔵(赤城の治良三)
岸田森(浪岡真八郎)    





「無法松の一生」

原 作岩下俊作脚本・演出榎本滋民


【出演】

田村高廣(富島松五郎)岸田森(吉岡大佐)津島恵子(夫人良子)田村亮((青年)敏雄)下島哲也((幼年)敏雄)
中村又蔵(小森先生)長門裕之(結城豊造)   


【解説】

東京宝塚劇場で上演された、阪妻を偲ぶ 東宝二月特別公演
『雄呂血−無頼漢(ならずもの)−』『無法松の一生』を、
同舞台の出演者たちを起用してレコード化したもの。
舞台そのものの録音ではなく、メインキャストが新たにレコード用に吹き込んだものである。
この舞台は、現在映像が残っているとしても、見る事は非常に困難な事を考えると、
LPという形で舞台が残されたのは幸運だった。
家庭用ビデオデッキが普及していなかった当時、
テレビ中継しない舞台を手軽に再現するには、LPレコードが一番だった。


関連作品


雄呂血(おろち)−無頼漢(ならずもの)−(5場)  (昭和53年1978
無法松の一生(2幕18場)  (昭和53年1978




















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